強度は同じ太さの鋼鉄を上回り、伸縮性はナイロンを超える。
そんな素材がある。クモの糸だ。人工合成し、量産化することは長年の夢だったが、学生発バイオベンチャー企業のスパイバー(山形県鶴岡市)が世界で初めて技術を確立した。その特性を生かし、自動車の車体や人工心臓など、幅広い用途への応用が期待されている。
クモの糸は、「フィブロイン」と呼ばれる分子の大きなタンパク質でできている。スパイバーもフィブロインを原料としているが、フィブロインを構成する20種類のアミノ酸の配列を変え、そのDNAを組み込んだ微生物をタンクの中で大量に培養することによって生産性を向上。生産エネルギーは炭素繊維の20分の1程度に抑え、量産化の課題となっていたコストの引き下げに成功した。
原料がタンパク質のため、廃棄しても微生物に分解され、環境負荷の少ない生分解性素材であることも強み。タンパク質そのものに色をつけることで、さまざまな色の糸を作り出すこともできる。
スパイバーは人工合成したクモの糸を「QMONOS(クモノス)」と名付け、5月にはクモノスを素材にしたドレスをお披露目した。関山和秀社長は、「天然のクモの糸と見分けることは不可能」と、そのでき映えに胸を張る。平成27年中に月産1トンのパイロットプラントを稼働させる計画だ。
商品化までにはさらにコストを引き下げる必要があり、業界ではそのハードルの高さを指摘する声も上がる。ただ、関山社長は「普及するにつれて、ナイロンレベルまで価格を下げたい」とし、量産効果でコスト引き下げは十分可能とみている。(兼松康)
そんな素材がある。クモの糸だ。人工合成し、量産化することは長年の夢だったが、学生発バイオベンチャー企業のスパイバー(山形県鶴岡市)が世界で初めて技術を確立した。その特性を生かし、自動車の車体や人工心臓など、幅広い用途への応用が期待されている。
クモの糸は、「フィブロイン」と呼ばれる分子の大きなタンパク質でできている。スパイバーもフィブロインを原料としているが、フィブロインを構成する20種類のアミノ酸の配列を変え、そのDNAを組み込んだ微生物をタンクの中で大量に培養することによって生産性を向上。生産エネルギーは炭素繊維の20分の1程度に抑え、量産化の課題となっていたコストの引き下げに成功した。
原料がタンパク質のため、廃棄しても微生物に分解され、環境負荷の少ない生分解性素材であることも強み。タンパク質そのものに色をつけることで、さまざまな色の糸を作り出すこともできる。
スパイバーは人工合成したクモの糸を「QMONOS(クモノス)」と名付け、5月にはクモノスを素材にしたドレスをお披露目した。関山和秀社長は、「天然のクモの糸と見分けることは不可能」と、そのでき映えに胸を張る。平成27年中に月産1トンのパイロットプラントを稼働させる計画だ。
商品化までにはさらにコストを引き下げる必要があり、業界ではそのハードルの高さを指摘する声も上がる。ただ、関山社長は「普及するにつれて、ナイロンレベルまで価格を下げたい」とし、量産効果でコスト引き下げは十分可能とみている。(兼松康)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます