再生可能エネルギーで発電した電気を一定価格で買い取る固定価格買い取り制度(FIT)を巡り、経済産業省は12日、国から計画の認定を受けてから6カ月以内に設備と土地を確保しない事業は、認定を自動的に失効させる制度を導入する方針を明らかにした。不当に高い利益を得ようと、認定後もなかなか事業を始めない業者を排除するため。設備容量50キロワット以上の太陽光発電が対象で、4月以降の認定分に適用する方向だ。
経産省が12日、FITの制度運用を議論する有識者の作業部会に見直し案を提出し、大筋で了承された。
FITを巡っては、国の計画認定により高値で電気を買い取ってもらえる権利を取得しながら、太陽光パネルの値下がりを待ってなかなか事業を始めない業者が問題となっていた。ただ、設備と土地の事前取得を認定の条件にするなど厳格化すれば、問題のない事業者の参入まで妨げる恐れがあるため、一定期間後に認定が自動的に切れる(失効)条件を設ける方向で検討していた。既に運転開始している事業の約8割が認定後6カ月以内に設備と土地を確保できており、今後は6カ月という期限を設ける。ただ、電気を送電線につなぐ電力会社との協議に時間がかかる場合は、延長を認める方針だ。
設備容量50キロワット未満の小規模事業は、件数が膨大なため適用を見送る。400キロワットの設備を40キロワットの設備に10分割して申請するなどの「抜け道」を防ぐため、同時期に事実上同じ土地で計画された小規模事業は、大規模な1件として認定する。【大久保渉】
経産省が12日、FITの制度運用を議論する有識者の作業部会に見直し案を提出し、大筋で了承された。
FITを巡っては、国の計画認定により高値で電気を買い取ってもらえる権利を取得しながら、太陽光パネルの値下がりを待ってなかなか事業を始めない業者が問題となっていた。ただ、設備と土地の事前取得を認定の条件にするなど厳格化すれば、問題のない事業者の参入まで妨げる恐れがあるため、一定期間後に認定が自動的に切れる(失効)条件を設ける方向で検討していた。既に運転開始している事業の約8割が認定後6カ月以内に設備と土地を確保できており、今後は6カ月という期限を設ける。ただ、電気を送電線につなぐ電力会社との協議に時間がかかる場合は、延長を認める方針だ。
設備容量50キロワット未満の小規模事業は、件数が膨大なため適用を見送る。400キロワットの設備を40キロワットの設備に10分割して申請するなどの「抜け道」を防ぐため、同時期に事実上同じ土地で計画された小規模事業は、大規模な1件として認定する。【大久保渉】