ダークフォース続き(仮)新規です

ダークフォースDFと続きに仮セカンド。
新規とDF追加再編です

ダッシュ! 一本目 『もんもん、ためぞう。』 

2016年09月23日 16時29分22秒 | -ためぞう の ぼうけん- ダッシュ!


 ためぞうが、


 『とても、溜まっていて悶々とした日々を送っているらしい・・・。』


 というウワサが町内に流れています。



◇ 残りタイムは『30』秒です。


  GOッ!


  29秒・・・。



ためぞう「ちょっ、


     ためぞうが30秒程度で、

     この危機を乗り越えられんのは、認めるッ!


     せめて、もう少しだけ猶予をください!!」



  カチッ!



 ストップウォッチが止まったような音がした。
 
 どうやら、手動で計っているようだ。


 審議で承認されましたっ♪


 はーい。 では「3分」でお願いしまーす。



 ためぞうの冒険ダッシュが始まった・・・。



 ためぞうは、長崎ドラゴンタウンにある、

 エリスねーさんの家にいます。


 ただの、長テーブルとなったこたつの上に、

 かごに入れられたみかんと湯飲みが二つ。


 一つはおねーさんの物のようです。

 ためぞうのは、有田焼の湯のみに、

 タヌキの絵が墨で描かれています。



 残り2分30秒・・・。



ためぞう「そーゆー、時間の使い方はやめてくれってw」


 エリスねーさんが、お手洗いから戻りました。


エリスねーさん「ためぞうが、色々貯めてるって、

        別にウワサにする事でもねーだろう?


        ほら、ポイントとか商品券とか、

        カードとかゲームとか、色々あんじゃん。」


ためぞう「それ、大声で学園の屋上でいいから、叫んでくんね?」


みかん食べてるエリスねーさん「ん? 別にいいぞー。

               今度、言っとくから。」



 残り2分・・・。



ためぞう「出来れば、1分半以内に叫んでくれないか?」


エリスねーさん「そりゃ、無茶振りだろ。


        あたし、いまジャージだし、

        ちゃりんこでも、すぐは無理だぞ。」


ためぞう「たのむ、オレのピンチを救ってくれっ!!


     ワープすりゃ、間に合うだろ!?」



 残り1分30秒・・・、



エリスねーさん「ちょっと、急かすなよ。

        行くのはいいけど、せめて着替えさせてよー。」


ためぞう「こ、声だけでいいっ!!

     録音して、大音量でオレが再生してくるからっ!!!」


エリスねーさん「そんなん、すぐバレて、

        余計にあやしくね?


        ウワサが気になるなら、消してやっから、

        そんなに慌てるなって。


        ・・・そんなに、堅実に貯めてコツコツしてる事が、

        気になるのか?


        むしろ、あたしとかは誇らしいと思うんだけど。」



 残り一分になりましたー。

 カウントダウン開始しますねっ!!


ためぞう「お願いだから、ねーさんにも、

     そのカウントダウンを見せてやってくれぃ!!」


エリスねーさん「えっ、何っ!?」



 はーい、

 では、デジタル表示で。



 - カウントダウン 『0:50秒』 -



エリスねーさん「な、なんだこれっ!!


        ば、爆発すんのかっ!!!」


ためぞう「・・・おそらく、

     オレのハズカシ固めが、大爆発して、

     ふっ飛んでしまうだろう・・・。」



 『0:45秒』・・・。



エリスねーさん「えぇーっ!


        もしかして、あたしのも、

        一緒に巻き込まれちゃったりするのぉ!!」



 それは、ありませんっ。



 『0:40秒』・・・。



湯のみを持ったエリスねーさん「ずずーっ。

               ちょっと、安心しちゃったぞ。」


ためぞう「何が起こるかわかんねえんだぞっ!!


     またオレ、冒険送りかもしれねぇ・・・。

     そんときゃ、暫しの別れだな。


     おろおろおろ・・・。


     ああ、みじけぇー帰還だったぜ。」



 『0:25秒』・・・。



エリスねーさん「えぇー!!

        折角、あたしに平和が訪れたのに、

        また、エリナ先生たちに、怖え目に遭わされるのかっ!!!



        そ、それは、ちょっと待ったッ!」



 『0:18秒』・・・。



セバリオスさん「主審に「タイム」を要求するっ。」



 ねーさんの危機に、

 セバリオスさんがまるで、

 未来からの来訪者のようなSFX効果で、


 ほぼ全裸に、白のブーメランパンツ一丁で現れます!!!



エリスねーさん「すげーっ、カウント『3:00秒』に戻ってるぞっ!


        てか、さっさと何か着ろよッ!!」


 素晴らしく鍛えられた、

 美術室の彫像のように美しいセバリオスさんの肉体美ですが、

 エリスねーさんが見るには、まだちょっと早かったようです。


 でも、他の女子たちなら、

 キャーキャーもんですぜ、セバリオス先輩ッ!!


セバリオス先輩「まあ、エリスがそー言うならネ。


        急いじゃったから、衣装が遅れたっぽいね。

        サモンヌッ!! ジェントルスーツッ。」


 と、次の瞬間、

 マジカル変身シーンのように、

 白の高級スーツと、ポケットに一本のコスモスを挿した、

 セバリオスさんです。


ためぞう「クッーーー。

     か、かっこいーッ!!


     何すか、そのテクは。」


エリスねーさん「ていうか、

        セバリオスでも止めれるタイマーだったのかよ。」



 エリスねーさんは、

 セバリオス先輩のその神のような実力を、

 まったく理解してはいないようです。



セバリオス先輩「ところで、ためぞう君、

        何か溜まってるのー?


        熱く激しくスパークしたいって事なの。


        あと「先輩」っていらないから、

        ふつーで、お願いします。」


ためぞう「いや、

     自分でも、いきなりカウントダウン始まっちゃって、

     何の事やら。


     確かに、キュンキュン甘酸っぱい、

     キラメキ青春イベントには飢えておりますが、


     個人的には、燃え上がるようなものではなく、

     もっと、ゆっくり少しづつ、


     和やかにほっこり出来るというのが、希望ですね・・・。」



恋愛番長セバリオスさん「・・・余計な「通り名」いらないから。

            次、付けたら10億ボルトだからネ。


            でも、ためぞう君らしいねぇ。

            さすがに、5千と16年生きてるだけの事は・・・。」


ためぞう「な、何を仰る、セバリオスさんっ。


     自分、まだピュアで冴えない16才の学生ですよ。」


エリスねーさん「ためぞうとの想い出は、16年しかないぞ。


        ためぞーの前世でも語ってるのか?」


セバリオスさん「あ、そーだよねー。


        (エリスの記憶、操作してるの?

         変なことしたら、怒りますから。


         エリスには、いつも微笑んでいて欲しいと願う、

         セバリオスです。


         例え、結ばれる相手がサフィリアさんや、

         エリナ先生だったとしても、


         そこは、変わりません。)」



 セバリオスさんがいるので、

 カウントダウン出来ません。


 話が進まないのですが、

 ためぞう君の冒険ダッシュ! は、

 一本目、失敗でいっスか? 


セバリオスさん「あ、用事があるんで、

        今日はこの辺で。


        はい、エリス。

        コスモス、一本しかないけど良かったら。」


エリスねーさん「お、おう、

        最近、気が効くよな、セバリオス。


        みかん、何個か持っていけよ。」


セバリオスさん「ありがとー!

        2個、もらって行きます。」



 ガラガラーっと、エリスねーさんが玄関を開けると、

 セバリオスさんは、道に横付けされた白にリムジンに乗って、

 行ってしまいました、


 みかん、一個は車内のセリスさんが受け取ったようです。

 運転手さんは、代わりに中華まんを一個、受け取って、

 お辞儀をしていました。


 残り時間3分という、一時の安らぎの時間が訪れます。



エリスねーさん「お花っていいよな。」


ためぞう「騙されるなよ、ねーさんっ、

     3分なんて、あっという間にチン! だぞっ。」


エリスねーさん「そんときゃ、

        また、セバリオス、来るんじゃね?」


ためぞう「だから、それじゃ、

     延々と終わらないからっ!」



 『2:35秒』・・・。



エリスねーさん「おぅ!

        カウントダウン見えると、

        何だか急かされるな。



        でもタイマーが無いのは、

        無いで、分からんのも困る。」


ためぞう「てか、オレがどーして「もんもん」してるわけよ?


     オレって、結構ー、そば打ちやら、学業やら、

     バイトで充実はしてるんだが。」



 『2:10秒』・・・。



ためぞう「こまめに表示して、数秒無駄に使うんじゃねーYO!


     だが、どうするためぞう?

     何を達成すれば、オレの変なウワサは消えてくれるんだっ。」



   ピンポーンッ!



ためぞう「お、行ってくる。」



 すると、たずねて来たのは、

 最近よく会う、アリス会長さんでした。



アリス会長さん「こんにちはー。」



 秋の晴れ渡る空に、草原を駆ける風のような、

 心地よさを運んでくれる、

 甘い香りのする、アリス会長さんです。


 学園のブレザー姿ですが、その美少女っぷりは、

 ためぞうの眼力程度て受け止められるほど、

 甘っちょろい光輝ではありません。


 正直、眩しくて何も見えない、ためぞうでした。



 カウントダウンが、『99:99:99・・・世紀』の値で、

 完全に停止しています。



エリスねーさん「おお、会長さん、

        これは、珍しいですね。」


アリス会長さん「これは、エリスおねーさん。

        妹のシオンが、お世話になりました。


        今、女子力を再教育中ですので


        (ためぞうにあてられて、

         アニメとゲームにハマリ過ぎたので、

         適度にやるよう、シオン君の将来の為、

         主に気品を磨かせています。)


        また、お世話になると思いますので、

        ご挨拶に参りましたっ。」



 っと、アリス会長さんは、

 有名な洋菓子店の、なかなか買えないお土産を手に、

 その洒落た紙袋を、ねーさんに渡しました。


 あのお菓子大好き会長さんが、

 人にそのお菓子をあげる何て事、


 会長さんをよく知る人たちにとって、

 有り得ない行為でした。


 その知恵を出したのは、

 お隣の女子高生のレイカさんですが、


 会長さんに協力しておく事が、

 今後の学園青春ライフがアゲアゲになるとか、

 そんな下心はありません。


 エリスおねーさんを共有すると、

 誰もが心豊かになれると、

 ご近所の女子さんたちは、信じて疑わないのです。


 そのねーさんのカリスマ性が、殿方を遠ざけ、

 ねーさんの婚期を遠ざけるだと気付いていても、

 寝覚め立ての、ふんわりほかほか毛布のような居心地の良さから、

 言えないでいる方もいたりします。



遠くのレミーアさん(う、言えねーっw)


同じく一緒にいるサフィリアさん(ご、ごめんなさい。まだ、学びたいのですっ(>ω<)!!)


 
 ダッシュ!


 が、止まってしまった、

 エリスねーさん家ですが、


 そんな中、アリス会長さんが、

 にこやかな表情で、こう言ったのですっ!



アリス会長さん「噂は聞き及んでおりますっ。


        正直、自信はないのですが、

        おねーさんのお役に立てるのなら、


        私、好感度ゼロ設定ですので、

        ためぞうさんとは、何があっても関係が変わる事はありません。


        (おねーさんには、気に入られたいですし、

         もしかしたら、『好感度設定』が発生しちゃうかも♪)


        私がこの身の全てを尽くして、

        ためぞうさんの、もんもんを受け止めますので、

        安心して、スッキリしちゃて下さいねっ!!


        ねっ、ためぞうさんっ!!」



 その会長さんのとんでも発言に、

 ねーさんも、ためぞうも凍ったように固まっています。


 自分でも、よく意味のわからない事を言った、

 会長さんですが、

 これは、となりの女子高生のレイカさんも、

 慌てて、こっちへとやって来ちゃいます!!



 今、この世界のすべてに時が停止しています・・・。



レイカさん「時を止めちゃって、何やってるんですかっ、


      アリスさんともあろうお方が。

      まったく・・・。」


アリス会長さん「えっ、


        私は、妹のアリサに、

        そうアドバイスを受けてですねっ。」


レイカさん「ハァ・・・、疑う事すら知らないとは、

      そこまで、ピュアピュアなのですか・・・。


      少しは、知っておいた方がいいと思いますので、

      ごにょごにょ・・・。」


アリス会長さん「・・・。」


 それはもう、その美しい顔を真っ赤にして、

 そのままうずくまってしまった、会長さんです。


 と同時に、会長さんとレイカさんの見えないレーザーサイトが、

 アリサ副会長さんの、ビデオカメラを持つ姿を捉えたのです。


 時はしっかり止まっています。


 この瞬間、うっかりアリサさんは、

 無限の時の牢獄に捉えられたのですっ!


 黒幕が分かったところで、

 ダッシュ! 一本目は終了です。



アリス会長さん「さて、出ておいでなさい・・・。」


 いつもと空気が180度違う、

 見たことも無い、深淵の闇を見せる会長さんです。



レイカさん「ほぉ、これがあの絶対者さんですか。


      迫力、ハンパ無いですね。^^:」



 この宇宙一、恐ろしいラスボス的、

 暗黒と光輝の両方を纏う、ブラック・アリス会長さんの降臨です・・・。


 その瞬間、何もかもが消えるように視界から無くなり、

 星空の海の上に、アリス会長さんと、レイカさん、

 そして、アリサ副会長さんと、


 ちょっと遠くに、セバリオス先輩と亀吉さんの姿があります。



セバリオス先輩「だから、先輩って、言わないでねっ。」


亀吉さん「ど、どげんなんちょるとー!!(何が起きてるのー。)」


 レイカさんが、お二方にお辞儀をすると、

 空気を呼んで、見ないフリをするセバリオスさんと亀吉さんです。


アリス会長さん「アリサさん、

        私の言いたいことは、分かりますね?


        でなければ、私の世界に貴女は必要ありませんし、

        この無駄な時間も必要ありません。」


 宇宙空間のど真ん中で、

 強烈な狂気を、嵐のように巻き上げるブラック・アリス会長さんです。


レイカさん「まあまあ・・・、


      猛省しているようですし、

      少しはアリスさんもお勉強になったので、

      お許しになってはいかがですか?


      仕切り直せばすむことですし、

      アリサさんのこれまでの、

      ためぞうさんへの軍師としての貢献度も評価してですね。」



アリス会長さん「何処かの大宰相のレイカさんが、

        そこまで仰るなら良いでしょう。


        しかしあのまま、何の知識もなく、

        無様に終わったのだとしたら、

        その後悔は計り知れないものだったでしょう。


        そういう知識をレイカさんがお持ちであれば、


        私に、その実力だけで、

        銀河が取れるだけなるまで、

        徹底的な、鍛練が必要なようですね・・・。」


レイカさん「そんなの、有りませんってっ!!!


      それに、ピュアが売りのアリスさんが、

      そんな凄テクを身に付けてたら、


      ためぞうさんでなくても、どん引きですっ!!」



ちっちゃくなった(妹の)アリサさん「お、お許しを・・・。」



 再び、みなさん地上に引き戻されると、

 アリス会長さんからは、完全に闇が抜け去り、


 レイカさんと口裏を合わせたように、

 再度、エリスねーさん家にやって来た、

 アリス会長さん。



 そのシーンからの再会ですが、


 とっくにウワサは消滅してますし、

 エリスねーさんも、ためぞうも、


 その記憶ごと、何も無かった事になっています。



セバリオス先輩(・・・。


        エリスもエリスなりに、苦労しているのだな。

        いいように、無かった事にされるとは。

        その数も、どれ程なものなのか・・・。


        それに比べ、先輩如きで煩うのは、

        実に些細な事だ。


        エリスっ、

        ちゃんと応援してるからねーっ!)



 この後、アリス会長さんは、

 失ったような何かを取り戻すように、

 充実した一日を送ります。



 ダッシュ! 一本目は、

 ためぞうに経験値を与えることはありませんでした。



アリス会長さん「久々に、ハネを伸ばせました~っ。


        では、またですー。 (^-^)」




エリスねーさん「・・・、

        何か失った気がするが、

        一体なんなんだろう。


        あ、みかんがちょっと少ないのと、

        なぜかコスモスが一輪飾ってある・・・。


        会長さんもご機嫌だし、

        き、気にしない、気にしないの方向で。」



 ◇ ためぞうの現在のダッシュ能力。



   ・ 50m  5、00秒(ファーストからのタイム。)


   ・ 100m 9,87秒(セカンドからのタイム。)



   代走には、うってつけです。
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