研いだ。
昨日は朝から小雨で、草刈りも濡れてねっぱってアレだから、午前中は武器の手入れで過ごした。
これは米軍制式のオンタリオの鉈。いつ見ても長いな。
洋式刃物なので、刃先は細い小刃に研がれていて、2段になっている。
和式刃物は、鉈でも包丁でも刀でも、基本はベタ研ぎだ。刀や鉈は刃がやや膨らんだハマグリに研がれていて、包丁は平らな文字通りのベタ研ぎ、剃刀なんかは逆に少し刃をすいて、ホローグラインド気味になってたりはするけどな。
この米軍鉈みたいに総鋼だとベタ研ぎはゆるくないが、和刃物は合わせや割り込みで発達してきたから、ベタ研ぎに向いてたんだろう。
刃物としては、ベタ研ぎのほうが食い込みがいい。
米軍鉈は、先端に行くほど刃先が厚くなるようになっている。
個体差なのか、仕様なのかは知らない。
先端の刃先は、小刃のみというか、ベタ研ぎ状態になっている。
刃の厚みは1/8インチで、約3ミリ。
薄刃なのは、一名ジャングルナイフとも呼ばれるとおり、本来は熱帯の柔らかい植物を相手に想定しているのだ。
だからといって、北海道の山で使えないということはない。これはこれで、和鉈よりも使い勝手がいい場面もあるのだ。
使い込んでリン酸亜鉛処理が擦り切れてきた部分には、粗いグラインド痕が見えている。
1095鋼板をプレスで打ち抜いて、グラインダで削っただけ、という、官給品ならではの安物感たっぷりだ。
焼入れは硬さよりもしなやかさを重視しているようで、このように鉄工ヤスリで削ることもできる。
でも刃物なので、さすがに目がダレたヤスリじゃ削るのは無理だ。硬い目立てヤスリなら気持ちよく削れる。そのへんから推測すると、硬さはRC56-57あたりじゃないかな。
間に合わせのタッチアップで丸刃になったのをヤスリで修正して、砥石できちんと研いで仕上げた。
砥石はありきたりのやつで、水で研ぐ。洋式刃物だからって、オイルストンで油研ぎする必要もない。
乾いた丸太に軽く打ち込んでみた。
薄いから食い込みはいい。
研いだら、オイルを塗って鞘に収める。
オイルは余ったエンジンオイル。食品切る刃物でないから、それで十分だ。