お風呂が鬼門になる前の話です。
あれは２年前のこと、「世代交代」などと言う言葉をよく耳にするが、別に
何も感じる言葉ではなかった。その時までは
風呂でいつものように体を洗い、湯舟に手を掛けて立ち上がろうとした時
石鹸で滑って胸を強打した。
その痛みに絶句し、声も出せずに洗い場でのたうち回った・・・
そのうめき声と音で、家族が血相変え飛び込んできた。
「父さんが心臓発作や」 「救急車や」、この世の一大事とばかりにざわめく
雑音を耳で感じながら「ちがうんや」とつぶやきながら思ったことがある。
今となっては、その時本当に思ったかどうか疑わしいが、二つのことを思
った。
一つは、こんなカッコで死ぬのはイヤだと言うこと。もう一つは、息子にこ
んな姿を見られたことの悔しさというか惨めな気持ち・・・
たぶん後者が本音だと思うが、痛みをこらえる意識の中で息子の声だけ
が印象に残っている。
今まで親父として、息子に意見し威厳を保ってきたのが、この些細な事件
をきっかけに立場が逆転するのではと思ったのである。
おそらく彼はそんなこと考えてもいないだろうが、まだまだ若い者には ・・・
と書き始めて、あの時 あばら骨を４本折ったことを思い出した。
つづく
16日から滋賀と東京と京都を行ったり来たりで、やっと先ほど
千葉に帰ってきた。
その間、風呂で死にかけたのでその話しから。
滋賀の自宅で風呂掃除をして、最後にシャワーで全体を洗い流
すに及んで、天井にゴミがつていてるのを発見した。
左手にシャワーを出したまま握って、右手でブラシを掴み、一段
高い湯船に足を掛けて、上がろうとしたとき滑りそうな予感がした
が、既に行動は意識より先に動いていた・・・
嫌な予感は的中し、足を滑らせプロレス技で言うところのバック
ドロップを掛けられた状態で後ろ向きに洗い場に転落した。
本当に不思議なことだが、スローモーションで鮮明に覚えている
し、コンマ何秒の間に、死んだらあかんと、頭をかばって、受け身
をした・・・
カランで後頭部を打撃することは防げたが、背中を思い切り強
打した。しかし生きている。
妻と娘が飛んできて、クーちゃんは音に驚き逃げたそうだ。
前科二犯、二度あることは・・・ にならないようにしたい。
前科一犯につづく
