見てきました。
※ネタバレ注意
※ネタバレ注意
※ネタバレ注意
思ったよりも泣かされました。
あらすじは知っていましたが、俊也がカセットテープを聞くシーンは怖かったです。
ゾワっとしました。
子供が故の無垢な声、自分の言葉ではない抑揚のない声が、ざらついたカセットから聞こえてくるのは怖かったです。
テーマの「ギン萬事件」が実在の事件(グリコ森永事件)を基にしていると知って調べてみたら、まあうまいこと出来ているなと。
「狐目の男」「脅迫メール」「子供の声のテープ」と実際にほとんど同じようなことが起きていたと思うと、恐ろしく思いました。
当時の人は「あーそんなこともあったね」なんて思うのでしょうか。事件に近い場所にいた人たちは、もっといろいろ思うところがあるのでしょうか。
まとめてみると途方もない情報量でしたが、二人の主人公と一緒に情報を整理しながら見れるので、全体像が把握しやすく、心情的な部分の余裕もあってよかったです。
証言してくれる人々も、30年経って、各々の立ち位置みたいなのもあって、親身に話してくれる人もいれば、今更掘り起こされることが嫌な人もいてリアルでした。
俊也の事件の関わり方には「恐怖」を感じていましたが、望と聡一郎の二人はかわいそうで仕方なかったです。
それだけに、30年後の聡一郎に救いがあったのが本当によかった。母親との再会のシーンは本当に涙しました。
「望の声が聴きたい」
残されていたのがあのテープだったのがなんともいえません。
聡一郎も、ぎりぎりのところで俊也たちと出会うことができて本当によかった。
あの感じで会ったら、俊也の生い立ちを聞いたら、余計に絶望してことさら追い詰めるようなことになるんじゃないかとさえ思いました。心の優しい人だったんだろうな、と。
最後の俊也と娘の抱擁と「いいこいいこ」にも泣かされました。
個人的には、当事者たちの人間ドラマ部分を楽しめましたが、折々で挟まれる「ジャーナリズムとは」みたいな部分もしっかりしていたように思います。
当事者にとっては人生を左右しかねないことを、エンタメとして消費していないか。
「プライド」「責任」と耳障りのいい言葉で、自分たちの都合を押し付けていないか。
阿久津は最終的に、目指すべきジャーナリズムに達することができたか、その道程にいるのか、わかりませんが、いい人生を歩んでほしいですね。
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