HAZAMAN'S WORLD WEBLOG

自分が描く絵のことや、日々の暮らしの中でふと気付いたことなど・・・・

絵とイラスト

2007年08月22日 | Weblog
どうでもいい話ですが、最初にタイトルを「絵とイラスト」にしようと入力変換したら、案の定「干支イラスト」になってしまいました。

さて、問題のイラストですが、よく人から「お前の作品はイラストか?」と聞かれることがあります。というのも、大体作品を発表している場所がバリバリの現代美術系の画廊だったりすることが多いので、「なんだかよく分からない」が普通の状態に僕の作品が入っていくと、どうしても漫画然として見えるのだと思うのです。

自分の作品を投げ込む文脈を変えることで、作品の意味合いが変わるのは当然のことですが、ちょっと作者としては釈然としないものがあるので、少しだけ、無い頭を絞ってみました。

基本的に、イラストや漫画というものは、産業として成立しているものだと思うのです。それらが生まれたばかりに頃のことは良く知りませんが、今では出版を中心として、多くの場所で商業的に成り立っています。そこにはやはり売れるための物作りのメソッドやかかわる人達の論理があり、「売れる」「利潤がある」という結果に向かってすべてが集約されていった世界ではないかと思うのです。

比較しますと、その点僕自身がやっていることは「売れる」「利潤がある」という方向性での結果は二の次です。全く自分が見たいものを描き、作るというだけです。そういう点で、自分が作っている絵はそれを背後で支える精神のようなものが、漫画やイラストとは全く違うということが出来ると思うのです。その点から、僕は自分の作品を絵〈絵画〉だと思っています。

そして誤解されたくないのですが、僕は、産業として成立しているアートを否定するつもりはないのです。それらは今に時代の感性にフィットすることを至上目的として洗練された世界です。

また一方で、なんだか良く分からないし、何の役にも立ちそうにも無いけれど不思議と面白いという、たとえば「現代美術」と呼ばれているような世界もあるわけです。

なんだか込み入った状況ですが、僕自身は人の感性を後追いするような無様なことはもちろんしたくない、むしろ人の感性をリードしたいと思う一方で、やっぱり、みんなに愛される作品を作りたいと、そんな矛盾したことばかり思うわけです。

そしてなによりも、人が僕の作品を見たときに、最初に絵であるとかイラストであるといったような、形式上の分類を気にするのではなく、一気に作品の世界に入り込んでしまえるようなものが出来れば、本当に嬉しいなと思うのです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿