お袋の82歳の誕生日。
病院で窓越し面会。
お袋は室内。
俺は屋外。
窓は閉め切られているので
ほとんど声が聞き取れない。
看護師さんの話によると
「誕生日だから面会に来てくれた」
と言っていたらしい。
顔色はいい。
表情も落ちついているように見える。
10分程度の面会時間。
入院前は
雪崩れるように進んでいったように思えた認知症。
入院してからは
穏やかで、症状も進んでいないように思える。
また一緒に暮らせるのかな。
お袋に会う度に、お袋を入院させることを選んだ自分自身を責める。
でも、その度に、そうせざるをえなかったと自分を納得させる。
人それぞれ、なんだ。
正解もない。誤答もない。
誰が認めてくれれば安堵できるんだ。
間違ってなかったって。
…だよなあ。
玄関に、クリスマスツリーの手ぬぐいを飾る。
少しばかりのクリスマス気分。