弱い人は
決して
声を
上げない
じっとじっと
我慢して
踏みにじられようと
つばをかけられようと
ただただ
声をあげない
目立たないように
目立たないように
嗚咽も漏らさないよう
生きている
弱いんだもの
金も
コネも
権力も
味方になってくれる友人も
何もないんだもの
この身体しか
ないんだもの
声を
あげるくらいしかできない
だからと言って
声をあげたことで
晒し者にされて
嘲笑されて
ひきづりまわされてって考えると
声も出なくなる。
声しか持っていない者が
声を出すことを恐れている。
恐れているから
黙って黙って黙り抜いてる。
弱いから
声なんか
あげられるわけがない。
行動だってできない。
動けない自分が
動けない自分を
傷つけ続けている。
痛みと
怒りは
澱になって
心の底に
溜まる。
そして
澱と
一緒に
自分も
心の底に沈んで行く。