Broken Flowers …はうはう河馬の脂肪遊戯

いらっしゃいませ。お独りさまで?どうぞお好きな席に。戯れ言、繰り言、かあるくかるく。

10木…年齢を重ねると言うこと

2010年06月10日 | 2010




母は6人兄弟の3番目。

1伯父
2伯母
3母
4叔父
5叔父
6叔父(他界)

母は子供のころに、大戦の終戦を迎え、中国から日本に帰ってきたクチで、中国の青島で出生した戸籍に書かれている。日本に帰ってきてからも相当苦労したんだと思う、親に対して、よくぞ連れて連れて帰って来てくれたと感謝しているし、今でも兄弟みなでとても仲が良い。

今日、朝、2階で仕事に出かける準備をしているときに階下で電話が鳴った。いやな予感がしたが、母が俺を呼ぶ声もしないので、母の友達からの何処かへ遊びに行こうという誘いだったんだろうと勝手に思い込み、しばらくした後、電話がきたことも忘れて、玄関まで下りていくと、お袋が涙ぐんであたふたしていた。

「弟(俺にとっての叔父)が、午前3時ころに、車いすで、家を抜けだし、まだ行方不明…」

叔父が行方不明?
数年前、川の土手を車で走行中に脳梗塞を発症し河川に転げ落ちていった、あの叔父が、行方不明?土手を転げ落ちていった時は後続の車に助けられ、命は取り留めたものの、たしか後遺症で半身が不自由だったはず。最近では、軽い認知症の気があると聞いていたが…。最悪のことが頭をよぎる。それに加えて、お袋の狼狽ぶりがすごい。気が急いているのか、何を言っているのかわからないような状態で。

緊急事態だ。職場に「休ませてもらう」との電話を入れて、取るものも取りあえず、叔父の家に向けて車で出発。途中、近くに住む叔母を乗せて、母と俺の3人で向かったが、叔父の家に向かう途中で2伯母の旦那さんから携帯電話に連絡がはいり、「無事保護された」とのことで、車の中の緊張感がどっと弛緩して笑い声が上がった。




殺してしまおう~雪




保護されたとはいえ、心配なので、家に戻った叔父を見舞う。自分が何をしでかしたか、まるで覚えていない叔父は、無邪気な笑顔をお袋らに向けてみたり、涙ぐんでみたりで、忙しかったが…。なにはともあれ無事で良かった。俺は数年ぶりに叔父とご対面。思っていたより元気でしっかりしていたが、やはり、いつのまにかめちゃくちゃ歳をとったなぁという印象を持った。


で、ここまで来たんだからと、在所の伯父を見舞う。伯父は肝臓を患っていて、最近はひとりで歩くこともままならぬらしい。痛みを抑えるための薬が手放せないとか。昼食をとりながら、しばし談笑。以前のような勢いは、伯父から見てとれず、やはり、歳をとったという印象。


さらに、最後に、一番上の伯父を見舞う。一番上の叔父は血液の病気を患っていて絶対安静で、某市立病院に入院中。病室に入るのにマスクと手指の消毒をして入らなければならなかったので少し緊張。ひさびさに見る伯父は、やはり、昔のような元気はなく、さびしげに見えた。


今日一日で3人を見舞った、母の男兄弟全員が、今、重い病に臥せっている。ぞれぞれがぞれぞれに。俺が見ていてつらくなってしまったのだから、母や伯母にとっては、なおさらにつらいことなんだろう。


生きてきたこと。
生きていること。
生きていくこと。


伯父たちは精一杯、生きてきたし、生きているし、生きていくし。
母や伯母は、いつも女で見送る側で。女神のように慈愛を捧ぐ。
歳を重ねると言うことは…。