

先日、新市街の電気館で上記映画を観賞しました。
ストーリー自体は、妻の死をきっかけに75歳にして、自らがゲイであることをカミングアウトし、その道を謳歌する父親を中心に展開していきます。
末期癌を宣告されても、父親はめげることなく人生を楽しむことに専念します。
しかし、主役はその息子である38歳の独身クリエーターであり、この作品は、偶然知り合った美人女優とのラブストーリーなのです。
この二人のラブストーリーがあまりにもデリケートで地味なために、ゲイである父親のドタバタと死をメインに据えることでしか映画として成り立たなかったのかも知れません。
父親の死のトラウマを引きずって生きる主役は、ある仮装パーティーで、美しい女優とめぐり合います。
女優は”悲しいのに、あなたは何故、こんな場所に居るの?”と主人公に質問します。
主人公の目が悲しげであることを看破したからです。
これをきっかけに、二人は交際を始めるのですが、主役の男性はもともとが、悲観的で一歩引くような性格です。
父親の死から立ち直れない主役に対して、”私はあなたの喪失感を埋めることはできない。”と言い残し、女優は彼のもとを去ります。
主役はそれを引き止めません。
彼は亡くなった父親が75歳でゲイのビギナーとしての新しい人生をスタートさせたことを思い出します。
この物語はロサンゼルスが舞台でしたが、主人公は一念発起して、ニューヨークにある女優のアパートを訪ねます。
驚かせるために連絡もとらずに押し掛けたのですが、彼女は留守でした。
携帯に電話してみると、彼女もロスを離れきれずにいたことがわかります。
急遽ロスの自宅に戻った彼のもとへ彼女が帰ってきてハッピーエンドという筋書きでした。
女優は、出ていく自分を何故引き止めなかったのかと質問します。
主人公の答えは”自信が無かった”というものでした。
この二人が今後幸せに暮らしていく可能性はとても低いように感じました。
この主人公の”去る者追わず”という冷たいスタンスは私自身の人生と似通っているような気がして、チョッピリ悲しい気分になりました。
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