春庭パンセソバージュ

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心も頭もポカポカ春庭のへぇ!へぇ!平成教育研究「今年最初の漢字の勉強」

2004-01-15 | インポート
心も頭もポカポカ春庭のへぇ!へぇ!平成教育研究「今年最初の漢字の勉強」
(01/15)

 本日、1月15日は、小正月。藪入り。祝日法の改正で成人の日が月曜日に移動する前は、1月15日が成人の日だった。
留学生たちは、和服姿を見たがるので、七五三の日に神社へ行くと子供の和服姿が、成人の日には二十歳の人たちの和服姿がたくさん見られることを教えてある。学生達は12日に駅でたくさん見たと言っていた。

 13日の初級漢字クラス。「Basic Kanji Book vol. 2」という教科書で、「結婚、離婚、洋式、和式、結婚式、洋服、和服」などの漢字を教えた。
 漢字の練習に入る前に「ウォーミングアップ」という口慣らし会話をする。

 初詣してきたという学生の話や新婚の妻が国からやってきて、冬休みは共にすごしたという学生の話などを聞きだす。
 「ベラさんの奥さんはきれいですか」「はい、きれいです」などの問答で、皆にこにこ。

 漢字の導入として、スライドバンクという日本語教育でよく使われる教材定番、写真のパネルを学生に見せる。題して「日本人の一生」
 「赤ちゃんのお七夜」「成人式の写真」「教会と神前の結婚式のようすを写した写真」など。

 成人式の写真を見せながら「わふくを きています」
 「きのう、わふくを見ましたか?」
 学生達は、駅の周辺でたくさんの若い女性の和服姿を見たという。

 「きれいでしたか?」「はい、とてもきれいでした」
 「○○さんは、わふくをきてみましたか?」などの質問をする。
 学生達は、留学生との交流をボランティアで行っている会の人たちに浴衣を着せてもらい写真を撮っている。「はい、ゆかたをきました」

 「ゆかたは、夏の和服です」などの問答をしながら、「和服」という単語を定着させ、十分に意味がインプットできたところで、「和服」という漢字の練習。

 「和」を使ったほかの単語「平和」を導入して、自衛隊派遣の話をする。ミャンマーの学生が「じえいたい」は漢字でどう書くのか、と聞くから、黒板に「自衛隊」と書き、「自」はself 、「衛」defense、「隊」はtroops、などと説明をして、「But now it's not defense army. I don't want to attac anyone」などと話が横道にそれてしまい、なかなか「書き練習」へすすめない。
  
 結婚式の写真パネルを見せ、和式Japanese styleと 洋式western styleの違い確認。洋の字をつかった言葉として太平洋、東洋、西洋などの単語の意味と使い方の確認。

 結婚の「結」を学生の頭にインプットするために。初詣でおみくじをひいてきたという学生に話をふって、おみくじの「good future」は「吉」と書いてあったことを言い、黒板に「吉 good」と書いておく。

 次に、赤い糸を取り出して、「これは何ですか?」
 「糸です」という答えが出たら、黒板に「糸」と書く。

 糸をチョウチョ結びに結んで「むすぶ、むすびます」という。「辞書形は、むすぶ、第一グループ動詞」

 次に、長く伸ばした糸のはしを自分の指に結び、一方のはじを独身の男子学生のひとりの指に糸を絡めて、「結びます」という。

 男子学生に「You are connected with me. We are joined in. Will you merry me? 結婚してください。Our future will be good.」と言って、黒板の「糸」のとなりに「吉」と書く。
 春庭「結婚してください」学生は「え~と、ちょっとぉ。すみませんが。先生はけっこんしています」春庭「え?だめですか?残念です」ハサミで糸を切る。クラスの皆は大笑い。

 「結」に音読み「ケツ」を書き、単語「結婚」に「けっこん」とカナをふる。これで、訓読みの「結ぶ」と、音読みの「けつ」がインプットされた。

 「日本は、夫はひとりだけです。残念ですね」と、前回勉強した「残念」という単語を復習しながら、「離婚」も導入。「ビル・ゲイツにプロポーズされたら、今の夫と離婚します」

 赤ちゃんのお七夜の写真パネルを見せる。寝ている赤ちゃんのうしろに「命名」と書かれた紙が貼ってある。「家族、両親が、赤ちゃんに名前をプレゼントします」

 名前の付け方などを、話しあう。「おばあさんの名前をもらった」という学生もいれば、親と同じ名前で、Jr.をつけたという学生も。

 イスラム圏では、自分の名前のうしろに父親の名前をつけるのが正式な名前。例をあげるとサダム・フセインという名前の場合、フセイン元大統領というのは、正しくない。フセインというのは、サダムのお父さんの名前であって、家族の姓ではない。日本でいったら、「良純慎太郎」という人に対して、「良純さん」と呼ばずに、「慎太郎さん」と呼びかけるようなもの。

 「結婚」の「婚」の字。日本では、「女」がこの「日」、「氏」を変える、という漢字部首の組み合わせをインプット。

 中国や韓国では、女性は結婚後も、自分の姓を変えない。

 日本でも「夫婦別姓法案」が審議されているが、なかなか審議が進まないことなどを、「日本事情」のひとつとして、紹介する。

 もちろん、春庭は「別姓法案賛成派」どちらでも自由に選べばいいし、子供も20歳になったら、父と母のどちらの姓を選んでもいいことにしたらよい、という考え。
 戸籍は世帯ごと、家族ごとの記載でなく、「完全個人票」にすべきと思っている。婚外子の戸籍簿には「長男、次女」などの記載でなく「男」「女」としか書かれない、という差別にも反対。

 「みなさん、すてきな名前ですね。名前はとても大切なものです。生まれたときにもらう一番の贈り物です。名前を大切に呼び合いましょうね」というシメで、13日の漢字クラスはおしまいになった。

 名前は、アイデンティティの第一番のもの。名前については2003年11月13日の「おい老い笈の小文」日記「身勢打鈴(シンセタリョン)昔の名前で出ています」をぜひお読み下さい。

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