ハルナツアキフユ 

転移性悪性黒色腫(メラノーマ)と診断された夫のことや
巡る季節の中で思うことを綴っていきます。

CTの結果

2014年01月28日 | 悪性黒色腫(メラノーマ)


今日は肺のCT検査とI先生の受診でした。
10月に見つかった左肺の2~3mmほどの小さな腫瘍が
どの程度まで大きくなっているかを診てもらったのですが
ほんの少し大きくなって3~4mmでした。

脳転移の行方が今ひとつ予測できないだけに
肺の腫瘍の手術はとりあえず先送りということで
I先生も嬉しそうに報告してくださり
夫も私も嬉しくなりました。

I先生は
「このままですぐに大きくならなければ、
今後、抗 PD-1 抗体二ボルマブが承認されたタイミングでうまく治療できるかもしれませんね。」と。
先生からは、待つだけではなく患者会として早期承認に向けて国に働きかけるよう助言をいただきました。

特に転移の進んだステージ4の患者にとっては
①いつごろ承認されるのか
②どこで治療を受けられるのか(当面指定された病院のみの対応なのか、どの病院でも受けられるのか)
③高額であると思われるがどの程度の自己負担になるのか(保険適用なのかどうか)
④脳転移があっても使えるか(治験ではだめでも治療では可能なのか)
⑤脳転移にも使えるのか
⑥どんな副作用があるのか
などを具体的に知ることが必要です。

特に①については「こうしている今にも抗PD-1抗体薬が使いたいのに!」と
待てない状況にある方たちがあちこちにいて
うちもいつそういう状況になるかもしれません。
アメリカではメラノーマの患者数が日本と比較にならないほど多く
その分、抗PD-1抗体薬の治験で救われている人がたくさんいるだけに
「とにかく早く承認を!」と願うばかりです。
国も承認に向けての経緯をきちんとHP上などで報告し
迅速に対応してほしいと思います。

まあ、とりあえず今日はよかったです!
3月6、7日の脳のPET検査までは
何事も起こりませんように!

それまではせいぜいストレスをためないよう
健康的に過ごしたいものです。

最近の夫婦での楽しみは
「スタートレック」の映画を観ることです。
劇場版を古い順に観ていますが、なかなか奥が深くて面白いです。
最近は観た後に気分が滅入る近未来のSF映画が多い中
「スタートレック」は気持ちが上がり元気になります。
夫も私もかつて「宇宙大作戦」(邦題)をTVで観て育った世代ですが
I先生も実はファンなのだと知りました。
今日はそんな映画の話も少ししたりして
元気をいっぱいもらったので
次回の受診まで免疫力が持続しそうです。

そう遠くない未来
きっとがん治療ははるかに進歩して
がんで大切な人を失うことがなくなっている
きっとそうなっていると思います。

そんな時代に生まれたらよかったなあと思いながらも
そんな時代を夢見て希望を持てる今の時代に生まれてよかったのかもしれません。
「スタートレック」はそんなことも思わせてくれます。
















メラノーマ患者会【Over The Rainbow】アンケートご協力のお願い

2014年01月26日 | 悪性黒色腫(メラノーマ)


1月18日に行われたメラノーマ患者会の交流会にはたくさんの方が参加され
短い時間ながらも、それぞれの方に
「来てよかった!」『話せてよかった!」
と言っていただきました。
なにせ日本では10万人に1.5人から2人しかいないこの病気
そうそう近くに同じ病気の方はいないものです。
普段はなかなか思いを分かち合う相手や機会のない方たちにとって
それをリアルタイムで共有できたことは貴重だったと思います。

皆さんからは今後の会員募集や活動に向けて、貴重な提案や意見をいただきました。
でも来てくださったのは、全国でメラノーマと闘っている患者さんの中のごく一部にすぎません。
HPでのアンケートにお答えいただくことでより多くの方の意見や提案を
今後の会員募集、活動に向けて参考にしてきたいと思います。

HPの下記のページからぜひアンケートにご協力ください。
《メラノーマ患者会【Over The Rainbow】運営に関するアンケートご協力のお願い》

どうぞよろしくお願いします。

また、昨年末の12月24日には
小野薬品が、抗 PD-1 抗体二ボルマブ(ONO-4538/BMS-936558)について、
世界に先駆けて、悪性黒色腫の治療薬として製造販売承認申請しました。
完全ヒト型抗 PD-1 抗体「Nivolumab(ONO-4538/BMS-936558)」 悪性黒色腫に対する製造販売承認申請
承認までにどのぐらいの期間がかかるかわかりませんが
今年中、いやもっと早く承認されると期待したいものです。
こうしている間にも二ボルマブが使えたなら救われる命も少なくありません。

メラノーマ患者会では今後の動きに注目しながら
必要であれば国に対して働きかけていくつもりですが
それには同じ病気で闘っている患者さんやご家族の声や力が必要です。

患者会の活動に皆さんの思いを活かして行くためにも
まずはアンケートのご協力をお願いします。
よろしくお願いします。






50/50

2014年01月17日 | 悪性黒色腫(メラノーマ)


今日は脳のメチオニンPET検査でした。
メチオニンPETはグルコースPETよりも脳の腫瘍には精度が高いので
結果次第で開頭手術するかどうかが決まると思うと
今までになくとても不安でした。

1時半に検査、3時過ぎに脳脊髄腫瘍科科長のN先生からお話がありました。
以下は先生のお話です。

「検査の結果、赤くなっているところはありませんね。
これで見る限り、腫瘍は壊死の状態であると考えられます。
ただ、ごく小さな腫瘍の再燃については判別することはできません。
1月4日のMRIでは、部分的に血流の増加があり腫瘍の再燃が考えられました。
サイバーナイフ照射によって腫瘍のほとんどが壊死したものの
一部に腫瘍の再燃(残存)があるのではないかと考えられます。

浮腫は12月27日の入院時に比べ、少し小さくなっています。
その後大きな痙攣発作もなく、内服によってコントロールされているようです。

2月6日に開頭手術の予定を入れていましたが
延期するのが賢明だと思います。

その理由は
①現在症状が安定しているので急いで手術する必要性がない。
②手術することで今の浮腫をさらに悪化させる可能性が大きい。
③残存する腫瘍はごく小さいと思われるので、3ヶ月後にその経過を見てからの手術でも遅くはない。

今手術をすれば麻痺など後遺症が少なくてすむならやってしまいたいですが
今手術をしても、3ヶ月後にしても右麻痺の残る可能性はあまり変わりません。
確率は50/50というところでしょう。

ただ腫瘍の転移が髄膜に進み
髄膜癌腫症(癌性髄膜炎)になることだけは避けたいです。
そうなってしまうと大変厄介です。

三ヶ月後にもう一度、しっかり検査をして手術について検討しましょう。」
とのこと。

夫は手術をして麻痺の残る確率は15~20%ぐらいだと思っていました。
だから、手術できるものなら早くやってしまった方がいいかもと考えていました。
でも五分五分となるとちょっと違ってきます。
右足だけならず右半身麻痺ということもあるのかと思うと不安です。

先生方の「今じゃなくても、先延ばしにしてもいいですよ。」という言葉の裏には
少しでも長く手術せずに今のままでいられるなら、その方が夫にとっていいだろうという思いもあるようです。
摘出しなければ命にかかわるならそうするでしょうが、しなくても普通に生活ができているならそのほうがいいのかなと思います。

ただメラノーマは脳転移に限らず進行が早いし
あちこちに転移することを考えれば
安心はできないなと思います。

次回のPETは、できれば春休み中にという思いもあって3月にすることに決めました。
その前に1月27日には肺のCTとI先生の受診もあります。

今日の検査結果には夫も複雑な気分ながらもちょっとほっとしました。
私もすぐに手術ということではなくなったことで安心しました。
N先生がとても親身に、わかりやすくお話してくださったことも
私たちには嬉しく安心できるものでした。
I先生が「N先生はジェントルマンですよ。」とおっしゃっていましたが
本当にそのとおりでした。

夫の病気は厄介ですが
夫の持つ生に対する強い思いの上に
先生たちの「それを叶えてあげたい」という思いが重なって
きっとやっつけられるのではないかと信じています。
もし麻痺が残っても
生きていてくれればそれでいいやと思います。

帰りはちょっと贅沢にイタリアンレストランで夕食をいただきました。
とりあえず次回の3月のPET検査まで痙攣発作がなく
程よく元気に過ごせればいいなと思っています。

もうすでに「来週ハイキングに行こうかな。」と
嬉しそうに話す懲りない夫ですが
まあ、それも近場なら許してやってもいいかなと思っています。












Over The Rainbow 発足記念会のお知らせ

2014年01月13日 | 悪性黒色腫(メラノーマ)


Over The Rainbow 発足記念会が、いよいよ1月18日(土)に開催されます。

行ってみたいけど、どうしようかな・・・と迷っている方
患者さんやご家族が交流できる初めての機会です。
堅苦しい式典ではなく気軽に話せる交流会ですから、ぜひご参加くださいね。

参加をご希望の方は下記ページのフォームから1月14日(火までにお申し込みください。
Over The Rainbow 発足記念会お申し込みページ
お振込は17日(金曜日)確認分までとなります。
お振込確認後、当日の詳細メールをお送りします。

当日の記念会についての補足ですが・・・
◎会場であるレストランは貸し切りですので、他のお客様の目を気にすることなくお話いただけます。
◎会場内は禁煙とさせていただきます。
◎患者様のご家族さまお一人での参加も歓迎いたします。(私も患者の家族という立場で一人で参加します。)
◎参加者さまの許可なしに写真など、ブログやSMS等にのせることはありません。

また、多くの方から患者会へのお問い合わせをいただきましたが
フォームの不具合があり一部の方への返信が遅くなってしまいご迷惑をおかけしました。

今後もメラノーマ患者会をどうぞよろしくお願いいたします。




退院

2014年01月11日 | 悪性黒色腫(メラノーマ)


1月9日、無事退院しました。
足の動きもだいぶ良くなり、ほんの少し引きずりながらも自力で歩けるようになりました。
夫曰く「まるで刑期を終えて出所した気分!」と
外の空気が吸えることが嬉しくてたまらないようでした。
足の不調で思うように動き回ることができない中での
年末年始で静かな病院での生活は退屈なものだったようです。

今回の入院は
主に点滴による浮腫と痙攣のコントロールでした。
入院中はCTやMRI、PET検査をしながら
腫瘍や浮腫の状態を確認していきました。

結果的には、浮腫はやや改善されましたが大きく縮小されることはありませんでした。
腫瘍はMRIでははっきりと拡大が見られましたが
それが壊死した腫瘍の残骸なのか、再燃した腫瘍なのか判断は難しいようです。
血流の流れがみられるので再燃の可能性も少なくないとのこと。
検査前から「脳の腫瘍確定にはあまり精度がよくないですが・・・。」と言われていたグルコースを使ったF-FDG PET検査では
案の定、腫瘍部分は全く赤くならずそれだけ見ると腫瘍はないかのように見えます。

メチニオンPET検査の方が精度は期待できますが、17日まで待たなければなりません。
どうするかの判断はそれまで保留ということを前提でA先生が説明してくれた内容は以下のとおりです。

「もし腫瘍が再燃しているならば再度サイバーナイフの照射を行うのでなく開頭手術をするのがよいでしょう。
しかし非常に微妙な部位(感覚野)に腫瘍があるため、取り除くことができても右足(あるいは右上半身にも!?)に麻痺が残る可能性があります。
車いすやクラッチが必要になる可能性がないとは言えません。
また、すでにサイバーナイフで照射された腫瘍はとても固くなっており、刮げとるというか掻き出していくようになります。
感覚野には運動野が隣接していて、影響を及ぼす可能性もあります。
手術中は電極を用いてモニタリングするので、脳の個別の機能が障害されているかの判断はできます。
覚醒下での摘出術(目が覚めている状態で、会話をして機能を確認しながら手術すること)も考えましたがこの部位にはあまり有効ではないでしょう。
現在、大きな障害が出ているわけではないので緊急に手術をする必要はないと思います。
今後歩行や運動に大きな障害がでるかもしれないことも考えて慎重に検討していきましょう。」

と、こんなお話でした。
あまり嬉しい話ではありませんが、そうなったらなったで考えていくしかありません。
17日まで悩むのは保留にしようと夫とも話しました。

入院中は年末年始だったこともあって
あまり医師とじっくり話すことができなかった夫でした。
脳脊髄腫瘍科のN先生もA先生もアメリカでの研究経験もおありで英語もお話できるのでしょうが
日本語で話すことも多かったので夫にとっては少し不安もあったようです。
でも呼吸器外科のI先生が、ほとんど毎日のように顔を出してくれたことが夫にはとても嬉しかったようで
面会に行くと「今日もI先生が来てくれた。」と報告してくれました。
また、退院時に放射線腫瘍科のK先生が「本当にとても心配でした。」とおっしゃってくれ
心からそう思っていてくださったことがとても嬉しく、涙がでそうになりました。
気にかけてくれている、支えられているという安心感は大きな力になります。

新年の抱負を夫に尋ねたら
「まず、脳の腫瘍をやっつける。
右足の不調は自力で取り戻す。
夏には大きくなった肺の腫瘍をやっつける。
冬には待望の抗PD-1抗体薬が日本で使えるようになるから
その後は腫瘍ができても安心!」と。

全くそうなるといいなと思います。

今年も希望を持っていきたいです。
まだまだ一緒にやりたいこといっぱいあるので
私も頑張って応援していかなくちゃ!