ハルナツアキフユ 

転移性悪性黒色腫(メラノーマ)と診断された夫のことや
巡る季節の中で思うことを綴っていきます。

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2014年01月17日 | 悪性黒色腫(メラノーマ)


今日は脳のメチオニンPET検査でした。
メチオニンPETはグルコースPETよりも脳の腫瘍には精度が高いので
結果次第で開頭手術するかどうかが決まると思うと
今までになくとても不安でした。

1時半に検査、3時過ぎに脳脊髄腫瘍科科長のN先生からお話がありました。
以下は先生のお話です。

「検査の結果、赤くなっているところはありませんね。
これで見る限り、腫瘍は壊死の状態であると考えられます。
ただ、ごく小さな腫瘍の再燃については判別することはできません。
1月4日のMRIでは、部分的に血流の増加があり腫瘍の再燃が考えられました。
サイバーナイフ照射によって腫瘍のほとんどが壊死したものの
一部に腫瘍の再燃(残存)があるのではないかと考えられます。

浮腫は12月27日の入院時に比べ、少し小さくなっています。
その後大きな痙攣発作もなく、内服によってコントロールされているようです。

2月6日に開頭手術の予定を入れていましたが
延期するのが賢明だと思います。

その理由は
①現在症状が安定しているので急いで手術する必要性がない。
②手術することで今の浮腫をさらに悪化させる可能性が大きい。
③残存する腫瘍はごく小さいと思われるので、3ヶ月後にその経過を見てからの手術でも遅くはない。

今手術をすれば麻痺など後遺症が少なくてすむならやってしまいたいですが
今手術をしても、3ヶ月後にしても右麻痺の残る可能性はあまり変わりません。
確率は50/50というところでしょう。

ただ腫瘍の転移が髄膜に進み
髄膜癌腫症(癌性髄膜炎)になることだけは避けたいです。
そうなってしまうと大変厄介です。

三ヶ月後にもう一度、しっかり検査をして手術について検討しましょう。」
とのこと。

夫は手術をして麻痺の残る確率は15~20%ぐらいだと思っていました。
だから、手術できるものなら早くやってしまった方がいいかもと考えていました。
でも五分五分となるとちょっと違ってきます。
右足だけならず右半身麻痺ということもあるのかと思うと不安です。

先生方の「今じゃなくても、先延ばしにしてもいいですよ。」という言葉の裏には
少しでも長く手術せずに今のままでいられるなら、その方が夫にとっていいだろうという思いもあるようです。
摘出しなければ命にかかわるならそうするでしょうが、しなくても普通に生活ができているならそのほうがいいのかなと思います。

ただメラノーマは脳転移に限らず進行が早いし
あちこちに転移することを考えれば
安心はできないなと思います。

次回のPETは、できれば春休み中にという思いもあって3月にすることに決めました。
その前に1月27日には肺のCTとI先生の受診もあります。

今日の検査結果には夫も複雑な気分ながらもちょっとほっとしました。
私もすぐに手術ということではなくなったことで安心しました。
N先生がとても親身に、わかりやすくお話してくださったことも
私たちには嬉しく安心できるものでした。
I先生が「N先生はジェントルマンですよ。」とおっしゃっていましたが
本当にそのとおりでした。

夫の病気は厄介ですが
夫の持つ生に対する強い思いの上に
先生たちの「それを叶えてあげたい」という思いが重なって
きっとやっつけられるのではないかと信じています。
もし麻痺が残っても
生きていてくれればそれでいいやと思います。

帰りはちょっと贅沢にイタリアンレストランで夕食をいただきました。
とりあえず次回の3月のPET検査まで痙攣発作がなく
程よく元気に過ごせればいいなと思っています。

もうすでに「来週ハイキングに行こうかな。」と
嬉しそうに話す懲りない夫ですが
まあ、それも近場なら許してやってもいいかなと思っています。