ハルナツアキフユ 

転移性悪性黒色腫(メラノーマ)と診断された夫のことや
巡る季節の中で思うことを綴っていきます。

季節は冬へと ーTBI-1301の臨床第1相医師主導治験に向けてー

2016年11月23日 | 悪性黒色腫(メラノーマ)


前回ブログを書いたのが10月12日でした。
1ヶ月以上経っていれば治験の準備もだいぶ整っただろうと思いたいところですが
まだまだこれからというところです。

今度夫が参加する治験の名称は「化学療法剤投与による前処置後のNY-ESO-1抗原特異的TCR遺伝子導入Tリンパ球輸注による
固形癌を対象とした多施設共同臨床第Ⅰ相医師主導治験;TBI-1301遺伝子治療医師主導治験(NY-ESO-1抗原)」
簡易な試験の名称は「TBI-1301の臨床第1相医師主導治験」です。
アメリカでは第2相、第3相治験まで進んでいてメラノーマにも効果があることがわかっているようです。

前回も書いたように
第一関門である白血球のタイプはすでにクリアしていました。
そしてその後、第二関門である「がん細胞に特異な抗原を持っているかの検査」では
持っていることが判明しました。
これで1次登録はクリアしたと思いきや、2次登録に進むにあたって問題が浮上しました。
それは内服しているプレドニンを採血前1週間と治験期間中1ヶ月間中止しなければならないことです。

夫は脳に浮腫があるため3年半以上ずっとプレドニンを内服してきました。
また9月からはヤーボイの副作用のため多量のプレドニンを内服してきました。
少しずつ減らして今は15mgからさらに7.5mgにしていますが・・・
国際医療センターのN先生は中止することのリスクをとても心配しています。

しかしこの治験が受けられなければ現在できる有効な治療はありません。
オプジーボを再開することはできるようですが
同じ免疫療法であるヤーボイで副作用が出てしまったので
またオプジーボを再開すると以前には全くなかった副作用が出る可能性があるかもしれないようです。
11月25日には国際医療センターに受診し
N先生にプレドニンを中止することで考えられるリスクについてよく聞いてきます。
そんな状況下で夫は口数も少なくなり不機嫌になっています。

リスクも踏まえた上で治験を受けるのであれば11月28日からプレドニンを中止し
12月5日に200mlを採血、細胞調整施設で血液からTリンパ球を分離しTBI-1301を製造します。
来年2月にはそれを点滴により投与するとのこと・・・。
きっと2月なんてすぐなんでしょうが今考えると遠い未来のように感じてしまいます。

腹腔にある転移のあたりの違和感や重い感じは以前より強くなっていて
9月から無治療という状況を考えれば不安になるのは当然なので
18日にはCTを少し早いけれど撮っていただきました。

結果は腎臓と肝臓の間に居座っている転移がさらに大きくなっているのを除けば
他4箇所の転移はそれほどの増大はなく
腹水もたまっていないとのことでちょっと安心しました。
大きくなっているのに安心したとは随分感覚が麻痺したものだなと苦笑いしてしまいますが・・・。

「遺伝子プロファイリング研究」のための検査の結果は
「現在のところは適合する治験はなし。」とのことでがっかりしましたが
今後何かしら使えるものが出てくる可能性はあります。

そんなこんなでもう11月も終わってしまいそうです。
気分は上々とは言えず下向きではありますが
生活は普通にできています。
食生活もきっちり管理、仕事もこなし、運動も程よく行い、気分転換もそこそこにでき、
小旅行にも行き・・・と元気に活動しています。

今年の冬もまた、なんとか乗り越えられると希望を持って頑張ろうと思います。