あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

丁稚奉公

2021-08-15 21:01:00 | 日記・エッセイ・コラム
こんにちは😃今日も雨☔️かと思いましたが、少し晴れ間がありましたね。
明日も雨のようです。毎週日曜日は院長の自伝です。

嬉しかった。田舎を離れて町に出る事が兎に角嬉しかった。
待ちに待った中学校卒業だ。
清水市(現在は清水区)の親戚が家を建てた時にお世話になった木工所さんで働
くことになったので、全く無縁な所では無い。不安よりも家を出ることが出来る
喜びでいっぱいであった。

今から約60年前のその日、家を下った県道に観音開きの黒いクラウンが止まっ
た。その車がこれから勤める木工所の親方の車だ。近所の人も近づいて来る。
「やすぼー(私の少年時代の通称)の勤め先の車か?」
「ハイ」と自慢げに答えて車に乗り込んだのを今でも覚えている。
(当時田舎では乗用車を持っている家は無かった)

職場には三人の先輩がいて、皆さんが親切に教えてくれた。
先ずはカンナやノミ等の道具の手入れの方法だ。
冬の朝かんなやのみを研ぐのはとてもつらい
研ぎ水が氷、手が切れるほどに冷たくて手がかじかみ思うように研げなく手元が狂い
けがをしたこともあった。
次は、材木置き場に行き、適材適所に使う為の材木の見分け方など。
それから次々と細工の方法について…。
高度経済成長の波に乗って仕事はとても忙しかったが、一本の材木が障子や襖に
生まれ変わり新築の家に切り込みに行くのは実に楽しく、18時頃に夕飯を食べ
て更に22時頃まで仕事をするが疲れなど感じたことはなかった。

あっという間に1年が過ぎ、16歳になった時親方から車の免許を取りなさいと
言われた。いよいよ待ちに待った車の免許取得だ! 飛び上がるほどに嬉しかっ
たことを思い出す。当時は16歳で、排気量360ccの軽自動車免許が取得で
きたのである。ただし、男は自動車教習所には行かせてもらえない。交通量の少
ない一般道路での練習だ。最初は先輩に着いて指導を受けたが二回目からは一人
で練習する。勿論道路交通法違反だ。そして自動車教習所のコースを借りて1ー
2回だけ教官に指導していただき、直接県の自動車学校で試験を受けたがクラ
ンクを曲がり損ねて落輪して、不合格。
2回目で合格。
更に、18歳で普通免許証も取得した。普段から軽自動車を運転しているのでここは一発合格だ。
車の運転も好きだったので休日には日本平や美保の松原、少し遠乗りして富士五湖や伊豆半島までドライブを楽しんだ。

次週に続く
コメント
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