「まちのねずみといなかのねずみ」 ポール ガルドン (著) 木島 始 (翻訳)
息子が3歳の頃、図書館で借りた絵本。ポール・ガルドンの絵は、なんともしゃれていてセンスのよい作家。
もう絶版になってしまったとおもいきや、また、再刊になったそうで、嬉しい限りです。
イソップ寓話の有名な話だけれど、当時残していた絵本ノートを開いたら、今に通ずる言葉が出て来て、はっとした。
「ねえ、きみ。
きみのすばらしいくらしが、たえずびくびくしたり、
あぶないことで はらはらしてばかりいるのだったら、
ぼくは いなかの たべものと、しずかなこやに かえったほうがましだよ。
あんしんが なくっちゃ、じょうひんさなんて、なんだ?
ものがいっぱいあったって、どきどきしながらじゃ、
なんの やくにたつんだい?」
大飯原発のある、大飯町町議会が、賛成多数で再稼働を望んでいるのは、安全ではなく経済の問題。
首の上まで原発に浸かってしまった街になってしまったから、今さら、やめるわけにはゆかないという。
古代ギリシャに作られたイソップ寓話のねずみの言葉が、時空を超えて現代の日本に突き刺さる。