here and now

傷ついた癒し人

私の好きな本に

ヘンリー・ナウエンの

「傷ついた癒し人」という本があります。

今から10年も前に

「ほほえみ」というホームページを作っておりました。

いくつかの好きな本の感想を紹介しておりました。

以下は、その時のページですが

ここに再度ご紹介させてください。

 

 

*~*~*~*~*     *~*~*~*~*     *~*~*~*~*

 

傷ついた癒し人

苦悩する現代社会と牧会者

The Wounded Healer

        Henri J.M. Nouwen

                                                                


私は、淋しい時、よく本屋へ出かけます。
 

すると、本に呼ばれるというか

普段でしたら、とても選ばないであろう本を

ふと気がつくと手にしていたりすることがあります。

こんな難しい本、私に理解できるわけがないのです。

ほとんどわかりません。

ただ、ある箇所だけは、何遍も何遍も読んでおります。

わずか数ページ、ここに書かれている言葉が

私にたいへんに大きな慰めを与えてくれます。

数年前に、すでにこの本と出会っていたのですが

「本が好き」のコーナーでご紹介するほどに

ヘンリー・ナウエンという人が、どういう人であるのかを

私は、ほとんど知りませんので

ご紹介することをためらっておりました。

私は、ある電話相談で、カウンセリング・ボランティアの

働きをしております。

先日も、私と同世代の女性の電話を受けました。

10代の頃からうつ病を患い、現在も通院中

自殺未遂を何遍も繰り返しております。

30分くらいお話しをお聴きしたのですが

話しを聴いてもらえた安心感からか

眠気を催されて、電話を切られました。

最後にこんな言葉をいただきました。

「ここは、いいわね~説教されないから・・・

説教されたら、私、居場所がなくなっちゃうもの・・・」


私は、このような電話にとても慰めをもらっているのです。

彼女と共に、暗い湖の底に沈んでいた私は、

この彼女の言葉によって、いっきに気持ちが浮上した自分を

味わうことができるからです。


以下に

この本の中の、私のもっとも好きな箇所を抜粋しておきます。

 

・私たちが自己憐憫からではなく、謙虚さから自己の中に

引き籠ることによって、他の人が自然に振る舞い

彼自身の条件で私たちのもとに来ることのできる場所を

創り出すのである。

 

・相手が、心を開いて話しをするためには、

カウンセラーが引っ込む必要がある。

相手のための空間を作るためには、

私が引っ込まなければならない。

 

・自己自身の中心に入り込むことを恐れず、

自分の魂の動きに専心することができるとき、

生きることは愛されていることであると、知るようになる。

私たちは愛によって生み出されているからこそ、

愛することができるのであり、

私たちの生命が賜物であるからこそ、

他者に与えることができるのであり、

私たちの心よりも遙かに大きな心を持つお方によって

自由にされているからこそ、

他者を自由にすることができるのだとこの経験は告げている。

 

・私たち自身の中心に、

生命のための鎖を下ろす場所を見出したとき、

私たちは自由になって、

他者が彼らのために作られた場所に入ってきて、

彼らの踊りを踊り、彼らの歌を歌い、彼らの言葉を恐れることなく

語ることを認めることができるのである。

その時、私たちがそこにいることは、

もはや脅迫や強要ではなく、招きと開放なのである。

 

・牧師は、苦痛を取り去ることを主な使命とする医者なのではない。

むしろ彼は、分かり合えるレベルにまで苦痛を深めるのである。

ある人が孤独を抱いて牧師を訪ねた時、

彼は彼の孤独が理解され同感されることだけを期待できるのである。

そのことによって、

彼はもはや孤独から逃げ出す必要はなく、

それを彼の基本的な人間の状態の

一つの表現として受け入れることができるようになる。

      にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心理学へ       人気ブログランキングへ


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

最近の「インポート」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事