「俺は客だぞ!何だその態度は、土下座して謝れ!」
確かに、そう言いたくなるような接客のお店も
あるかと思いますが、
モンスターと冠するようなクレイマーが
言っているとなると話しが違ってきます。
昔で言うと
ある程度、食べた後で
懐に忍ばせていたゴキブリをドンブリにぶち込んで
「おいこら!この店は客にゴキブリを食わすのか!」
と言ったところでしょうか。
羊の皮をかぶった何々と言いますが
ここまでくれば、
それが策略であろうと
感情からくるものであろうと、
お客様のふりをした別の何者かは明らかです。
それが分かっていないのか、
分からないふりをしているのか、
辛抱強いのか、トラブルから逃げているのか、
謝って済ましたり、金銭で解決すると
客では無い別の何者かに
策略で有れば、それが通用するとか、
感情からくるものであるなら
どうであれなんであれ、
自分の気分を悪くさせた者が悪だとする
その人の判断の仕方を
強化させることになります。
お客様は、お客様であるからこそ
お店はお客様として接するのであって
生徒は、生徒であるからこそ
学校は生徒を守るのであって
市民は、その社会の道徳観や倫理観、
法律を守るから
その市民は、社会から護られ
権利を認められるのであると思うのです。
それと同じ考えから
クライアントは、クライアントであるからこそ
クライアントとして受け入れられ、
クライアントの範囲内の言動は
カウンセリングの場で全て許容されるのであって、
その枠を超えるような言動までも
許容することないと私は考えています。
その枠を超える言動を安易に許容する事は、
そのクライアントの
人生を生き辛く、苦しくさせている
心のパターンを許容することと同じ意味となり、
クライアントの不適応なパターンを変えるためとは
逆の流れに力を与えてしまう危険性をはらんでいます。
特に、人格障害と診断を受ける可能性のある人達は、
相手が、自分の期待していることとは違う反応を示すと
無茶苦茶な論理を振りかざしても
話の要点をずらし誤魔化しても
暴れたり、大声を出したり、脅したり、
逆に、
自分の身体を傷つけたり、酷く悲しんだり、
如何に弱い存在なのかをアピールをして
その相手をコントロールしようとします。
このような態度を取るのも
その人の心は、
とても繊細で傷つきやすく脆いからなのですが、
(そのように信じ、そのように考え、そう感じ、
そのような自己イメージを持っている。)
だからと言って
不適応なパターンを許容することは
より悪い影響を与えると考えています。
一人のクライアントが
何かが気に入らなかったようで
面談中に見せつけるように手首を傷つけ
治療室の床が少し血で床が汚れた時、
ある精神科医の方は、
即座に、
床を汚した行為を叱り、謝らせ、
そして、床を掃除させたそうです。
このようなことも
クライアントの不適応なパターンを
絶対に強化することの一端を担わない。
そして、
そのクライアントが適応したパターンに
改善することの援助に対して
本気であることの現れなのです。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計