心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

苛まれて

2024年05月20日 | 雑感・愚見

 

2021年 北海道で76歳の男が

「魚が焼けていない!」と妻に激怒して

70代の妻の頭を何度も殴りつけました。

 

その直後、男は自ら警察に通報して

駆け付けた警察官に暴行の容疑で逮捕されました。

 

 

魚が焼けていないって怒ることはあっても

妻の頭を何度も殴りつけるのはアカン!

それは当然のことだとしても

その後に加害者の夫自ら警察に通報かあ。

 

結婚当初から妻に対してそんな感じだったとしたら

互いに70歳代になるまで長く夫婦生活が破綻せずに

続いてはいなかっただろうし、

 

私が読んだ記事には、

暴行を受けた妻が重症を負ったとはなかったので、

暴力を働いた後に我に返った夫が

自ら警察に通報するような人なので

夫婦間での暴力が日常化していたとは思えないんですよね。

 

人間って色々なことが老いて衰えて違ってくると

頭で分かってことをまるっと受け入れることは

難しいようです。

 

老いは、身体の衰えからやってきて

昔は、まず躓かなかった場所で躓いたり、

物に手を当てて倒してしまったり、

 

少しづつ五感が衰え、

鏡に写る自分の顔をみれば皮膚に艶が無く

シワも増えて老いを伝えているけれども

頭は、自分の感覚では若かりし頃のままなんですよね。

 

若々しかった頃、70歳の老人を見て

手助けをしてやっていた老人に

自分と妻がなっていることを数字では理解していても

心では受け入れていなかったりします。

 

自分の為に料理を作ってくれている妻は70歳。

眼も衰え、五感も衰えているだろうから

まあ魚の焼きが甘いことがあっても不思議じゃないし、

 

感情を安定させる働きも衰えてなのか、

人によっては短気になり

若い頃は腹が立たなかったことにも

腹が立つようになったりすることもあるようです。

 

昔の日本は、一つ屋根の下で三世代が一緒に暮らして

自然と子供の笑顔に癒され、若い夫婦に衰えを補われて

過ごしていたと思われますが核家族化が進んだ現代では、

老夫婦だけで暮らしていることも多いので

 

自分の老いも相手の老いも頭が理解していても

心が受け入れていないことでのトラブルが起きないように

心構えが必要かと思われます。

 

力と自信と可能性を感じていた頃とは違って

老いて色々なことを失って自己肯定感が弱くなったことで

誰でもない妻だけには大切にしてもらいたい気持ちが

強くなっていたことで起きたことかも知れません。

 

魚の焼き加減は、単に料理に手を抜いたことへの怒りなのか、

自分を大切だと思っていないと捉えての反応なのか分かりませんが、

それが悲しく感じるのなら、怒るのではなく

それまでの生活の中で思い遣りや気遣いが

足らなかったのだと思って

もっと愛しましょう。もっと優しくしましょう。

 

妻も衰えて若い頃のような女性としての美しさを失い

自己肯定感が弱くなっているかも知れないので

もっと愛して、もっと優しくして、

それが相手の心から余分に溢れた分だけ

自分に返ってくるはずです。

 

目の前にいる老女は、他人にとっては

ただの老女かもしれませんが、

自分にとっては共に人生を一緒に歩いてくれた

かけがいのない人。

 

救いがあるとするなら

暴力をふるった夫が自らすぐさま警察に電話をして

自分を罰してくれることを望んだこと。

夫の妻に対する気持ちが分かるような気がします。

 

 

 

催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリングルーム花時計


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