物理学の世界では、
過去と未来を区別しないようなのですが、
自然界には厳然たる事実として
過去、現在、未来の違いは存在しています。
私達は、
過去から未来へと向かって進んでいるのか、
私達の元へ
未来がやって来て過去へと流れゆくのか、
どっちなんだろうと思う。
手放したくない若さであるとか、
優しく可愛がってくれた親戚のおじさんとか、
お気に入りの服であるとか、
自分の大切な人や物を容赦なく
時間は削り取り、絡め取りながら
流れゆくことを思えば、
未来から過去へと流れているのかなと
思ったりする。
大切なものを奪われないようにと
喚こうが叫ぼうが、必死に努力しようが、
どうにか出来るものでもないので
自分自身も自分の周りも
何もかも無くなってしまうような不安や
侘しさや寂しさを感じてしまう時がある。
私達が出来ることは、
押し流されていくもの以上に
流れの中に両手で広げて
身体全体で宝物を漉し取ること。
有難いことに、嬉しいことに、
長く時間を共有する仲間を得てたり、
素晴らしい体験をしたり、
宝物が零れ落ち、すり抜けるように
流れ去りしことがあったとしても
遺恨を抱えず、執着、固執もなく、
与えてもらった刹那的な喜びにも感謝して、
見送れたとしたら幸なことかもしれない。
未来や過去に
心が奪われたままにならないように
過去に笑顔でさようなら、
港から離れる船のように
ゆっくりと小さくなっていく。
未来に笑顔でこんにちは。
ようこそここへ クックックック青い鳥~♬
今の自分を時間が洗い流し、
全ての悩みが過去へと流れ去っていく。