KUMIの句日記

写真と一日一句で綴るブログ。句の転載を禁じます。

敬老の日ですよ

2023年09月18日 | 俳句
天気 晴

林檎も美味しくなってく季節、梨が今年は食べごろが早くなったという。葡萄は色々種類があるので、まだまだ食べごろが続く。今日は、久々にスーパーへ行ってみたので、柿に目が止まった。地元の柿はまだまだ先の筈なので、和歌山産とかいう、小ぶりのものを2個だけ買ってきた。

今日は、敬老の日ですよ。同じテーブルで毎日食事しているOさんが、昼食時間に「今日は仕度が遅れているみたいね」と言う。
「多分、お赤飯の松花堂弁当に付ける茶碗蒸しに手間どっているのかも」と私。去年の敬老の日にはお弁当に茶碗蒸しと果物が付いた。と、彼女、
「お赤飯?何でそんな祝い事をするの?」と。いつも、運営会社のナントカ記念日とか、特別の日でもないと、松花堂弁当は出ない。
「え?今日は敬老の日でしょ」Oさんは認知症などではない。テレビも見るし新聞も読んでいる。ちょっと愛想のない人なので、私には気楽だ。
「あ、そうだったわねえ・・ちっともお目出度くないから、忘れていたわ」
その気持は同じ。人口の10人に1人が80歳以上の年寄。なんて聞いてしまったし。
今日は弁当箱ではなかった。これには多分訳があって、今まで視力障害の人は一人だったが、この春からもう一人増えた。しかも、新しい人は全く見えないらしい。なので、弁当箱に入ったものはとても食べ難い。

ちょっと料理の数が少なくなった気がするけれど・・滅多に出されない天婦羅と茶碗蒸しが美味しかった。

配膳が終って皆が食べ始めると、食堂は静かになる。すると、いつものように、真ん中あたりのテーブルに居るオバアサンの大声が響いてきた。夏になってから入所した人で、階も違うし私は名前を知らない。ともかく耳が遠いらしくて凄まじく大きな声で話す。
「息子がねえ、オレも敬老対象だし、お袋のところへは今日は行けない、って電話が来たのよ」「※※※」※、のところは向かい合っている人の話で、こちらまでは聞こえない。
「もう70歳なのよねえ、今日は孫たちも集まって自分の古稀のお祝いなんですって」「※※※」
「いいええ、孫ったって息子の孫だから、私のひ孫よ。何人いるのか解らなくなっちゃった」「※※※」
「娘が近くに居ればいいけど、〇〇へ嫁にいっちゃったから、滅多にこっちへは来ないし」・・・・・
長生きすると子供も敬老の日を祝われる立場になるので、ややこしいこと。彼女は、多分90歳を幾つか過ぎているように見える。見た目、「日本のお婆さん」という風情の髪と顔立ちと腰の曲がり具合と。車椅子ではなく歩行器で移動できるし認知症ではないようで、一人で食堂まで来ている。声の大きなお喋り好きの人、自分の話がたくさんの人に届いているのを知っているのかしらん?
敬老の日の有料老人ホームなんて、お目出度いムードはあまりないです。午前中にスーパーへ出かけたとき、玄関には面会者の靴がズラリと並んでいた。コロナのクラスターでしばらく面会禁止だったので、連休に面会者が多いのは当たり前のこと。でも何だか全体的に静かだ。

米寿なぞ長寿と言はぬ敬老日  KUMI

(昨日のネット句会出句作です)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする