木村伯龍のひとり言

大阪のミナミはアメリカ村の占い師の日記

井戸が祟ったのか、神が祟ったのか?

2008-08-28 21:31:37 | Weblog

井戸が祟ったのか、神が祟ったのか?

私が、まだ20代の頃で、サラリーマンをしていた時のことです。小さな会社で従業員は社長を含めても、7人でそのうちの2人がパートのおばちゃんでした。お昼御飯は、みんな食堂で食べていました。食堂にはテレビも有るし新聞もありました。私は新聞を見るのが日課で食事の後はお茶を飲みながら新聞に目を走らせていました。

ある日のことです。宝塚の方で気の狂った人が中年の婦人を火箸で刺して殺したという記事が載っていました。その狂った男は歩きながら、ひとり言のように「お前が一万人殺した!お前が一万人殺した!」と。ぶつぶつつぶやいていたのを目撃者が証言していました。

私は思わず「すごい話やな!」とつぶやくと傍にいたパートのおばちゃんが「それ、うちの実家やねん!」と言うので詳しく聞いてみると。

父が家の裏手にある井戸の掃除をしていると中から赤ん坊くらいの黒い石が出てきたので、父は、これには霊力があると言って犬神様、狐様,狸様と三霊宿っていると確信して祭るようになったそうです。割と近所でも評判になり信者も多くなり、お盆の時とか正月の時には、お供え物が多くて家族で食べるのに余りが出るほど、皆さんがいっぱい物を持って来てくれたそうです。父が生きている時は良かったのですが、ある日、父が病気で亡くなり その後、母と兄と姉と末っ子の私という四人になった時、誰もその神様を祭る者はいなかったそうです。ほったらかしにしている間に長男の結婚が決まり、長女も一年違いで結婚が決まりました。ところが結婚は決まったのは良かったのですが長男は結婚式の一ヶ月前に事故で亡くなり、長女の方は結婚したものの半年も経ないうちに、ご主人さんに癌が発見されて緊急入院して手術をしたもののこれも半年経たないうちに亡くなったので、家族は怖くなって家だけ残して引っ越しをしたそうです。

三年ほどして、父の妹である叔母が離婚を機に東京から帰ってきましたが住む家が無いから貸して欲しいと言ってきました。皆はどうせ住まないのだから自由に使って貰えたらということで貸したそうです。叔母はあまり迷信など信じない方の部類の人間で父が祭ってあった祭壇など目もくれずほったらかしにしていたそうです。

ちょうど家の裏手の井戸も勝手に埋め立て小さなカラオケの歌える部屋にしました。

自由に部屋を使い楽しんでいたのです。ところがある日、気の狂った男がやって来て、叔母を火箸で首に突き刺して殺したのですが「その火箸は父が祭壇にお灯明をあげる時に使っていた火箸だったそうです」


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