今だから…昭和さ ある男のぼやき

主に昭和の流行歌のことについてぼやくブログです。時折映画/書籍にも触れます。

流行歌革命を起こした男・バーブ佐竹

2006-06-30 23:59:46 | 昭和の名歌手たち

その昔、ある歌手がきっかけで、男性歌手が女心を歌う、これが歌謡界で大流行しました。
それも凄い形相の方が歌うという暗黙の了解まで…
さて、その歌手のは?
バーブ佐竹であります。




田舎のオジサン顔
バーブ佐竹(1935~2003)
北海道釧路市生まれ。
昭和32年に上京し、やがてハワイアンバンドのボーカルを担当。
その後、クラブ歌手として新宿で歌っているところを作曲家の吉田矢健治に認められ、39年「女心の唄」でデビュー。ムーディーな低音の歌声で人気を集め、40年日本レコード大賞新人賞を獲得。
NHK紅白歌合戦にも40年から連続し4回出場した。
「顔じゃないよ、心だよ」の名台詞も有名。
牧伸二、菅原洋一らと「モスラ会」を結成したことも。
晩年は糖尿を患い、平成15年1月には肝臓ガンに。病魔と闘いながらの歌手活動だった。
同年11月22日群馬県太田市民会館での、笹みどりや佐々木新一との公演が最期の仕事。
12月2日に入院、体調も回復し初めた矢先の5日に急死。
前日に後援会関係者の「来年のデビュー40周年は頑張ろう」との励ましに「任せとけ!」と力強く答えた言葉が最期の言葉だった。
代表曲は、デビュー曲の「女心の唄」、「ネオン川」、「カクテル小唄」、「虫けらの唄」「星が云ったよ」、「銀座は恋の十字路」(南かおるとのデュエット)、子連れ狼主題歌「ててご橋」、バーブ自身がシナ・トラオ名義で作曲した「青いゴムゾーリ」など。



ええ、ホントにこのお方の影響で、この「男性歌手が女心を歌う」が歌謡界で大流行しました。
例えば
離婚や◎形疑惑など、何かと話題の、コロッケのモノマネ十八番の方♪みぃぃぃ~~~~なとォォォ~~~



ハンドアクションで一世を風靡し、今や「紅白最多トリ男」のこの方
♪あ~~~あきらめたァ



♪あなた あなた あなた あ~~~~~なた
イってしまった女心を唄った、伝説の一発屋・矢吹健
完全に「帽子」です

…などなど。
この3人はバーブさん無しでは存在しない訳です、考え方しだいでは。
そう考えると、このバーブ佐竹という歌手はもっとよい評価を与えるべきではないでしょうか。
冗談抜きに、バーブさんはホントにエエ声をしています。
フランク永井、三船浩、神戸一郎あたりの低音にも勝る低音ボイス。
聴いておいて、損は無い声です。
「声が低くて…」とお嘆きの貴方、フランク永井もイイですが、バーブさんもいかがでしょうか?
何曲かおススメを紹介しておきます。


銀座は恋の十字路
作詞:矢野亮 作曲:吉田矢健治
バーブが南かおると歌った銀座歌謡の隠れ気味な名曲。
ところでカラオケでのデュエット曲と言えば、「銀座の恋の物語」「北空港」「ふたりの大阪」「別れても好きな人」「東京ナイトクラブ」あたりが最近の人気曲。
ええ、もちろんそれも結構。ですが、たまには銀恋から離れて、こちらをどうぞ。
ビシッと低音で決めて御覧なさい、この曲知らないネエチャンも拍手モノですぜ(巧くいけばです)。
バーブ佐竹になりきって、自分の美声に酔いしれるのにも、もってこい。
一人ででも二人ででも、イケます。


ててご橋
作詞:小池一雄 作曲:渡辺岳夫
萬屋錦之助主演の人気時代劇「子連れ狼」第1、第2シリーズの主題歌。
♪ててごと ははごと ごとごとと 一石橋で待てばよい
このフレーズはわりと有名で、橋幸夫「子連れ狼」(第3シリーズ主題歌)より、コッチを推す人がかなりいたりする。
バーブ佐竹の声が冥府魔道を行く者のドラマを一層盛り上げる。
一度は聴いて、ドラマを思い出しながら、しみじみとするのも悪くない。


星が云ったよ
作詞:長沢ロー 作曲:シナ・トラオ
バーブ佐竹版「君といつまでも」(笑)
何と間奏で、加山雄三ばりのクサイ台詞まで披露する。
フランケンシュタイン
「どうしたんだい? 淋しそうな顔をして
淋しかったら星を見るんだよ
ホラ 決して一人じゃないだろう?」

…この曲を聴く際には、このバーブ佐竹の顔は忘れましょう。
忘れないと吹き出す危険性も(笑)



…と紹介をしたところで、この項はこれにて終了しますm(_ _)m