今だから…昭和さ ある男のぼやき

主に昭和の流行歌のことについてぼやくブログです。時折映画/書籍にも触れます。

楽しさが詰まってます GOSPE★RATS

2006-06-22 23:59:51 | 最近の歌

当ブログでは初めて取り上げる、「今年の」CDです(笑)
何だか古い音楽ばかり聴いてて、「今の歌は…」と文句を言っていそうな私、函館のシトですが、そんなことはありません。

本来、鈴木雅之がメジャーデビュー25周年記念の一環で、ラッツ&スター再活動の話を進めていたそうです。
ところが、田代まさしメンバーの不祥事ですべてパーになってしまいました(涙)
「田代無しのラッツはラッツじゃない」とマーチンは思っているんでしょうね。
その代わりに…と、テレビの企画でやった「ゴスペラッツ」(ゴスペラーズ:酒井・村上、ラッツ:鈴木、桑野、佐藤)を期間限定ながら本格的に活動してみよう…となったようです。

「代わり」とか言ってますが、これ気合が入ってます。手抜きなんざ、まったくしていません。「ラッツ出来ない代わりだろ、なんて言わせない」と声が聞こえてきます
ラッツ時代以降は封印してきた黒塗りも披露しているあたりでもわかりますけど・・・。
古いのに新しい、温故知新…私の理想に合った素晴らしいモノです。
期間限定と言わず、今後も定期的に活動して欲しいです。

それではアルバム「GOSPE★RATS」の曲解説(感想)を。

1.ハリケーン
作詞:湯川れい子 作曲:井上大輔 編曲:清水信之

ラッツ&スター(これ歌ってときはシャネルズ)のヒット曲のカバー。
もともとのメロディーが良いのは言うまでもないんですけど、アレンジが良いんです。オリジナルの良いところはそのままにゴージャスアレンジしてて。
小林克也のナレーションもGOOD!
聴いていて、楽しくなる・踊り出したくなる・歌いたくなる。

2.まさか赤坂Show Time
作詞:湯川れい子 作曲:井上大輔 編曲:井上鑑

故・井上大輔の未発表曲。
「ゴスペラッツ」の存在を手っ取り早くわからせる曲。
ホント、「ゴスペラッツのために曲を書いてくれていたんじゃないか」、なんて思ってしまいました。ラッツ&スターの楽曲とはちょっと違う気がします。
シングルとして出すなら、この曲ですね。

3.リンダ
作詞・作曲:竹内まりや 編曲:松本晃彦

アン・ルイスのカバー。
鈴木雅之が全編ボーカル&台詞を担当(台詞の部分のボーカルは酒井)。
このあたり、ラッツ>ゴス、ですね(笑)
マーチン、やや声が細くなったようですが、まだまだイケてます。
コーラスが素晴らしい効果を上げてます。

4.Interrude~クイズ♪バーボボバー♪物語~
メンバーによるイントロクイズです(笑)
完全にお遊びです。
シャネルズ「月の渚」が少しだけ聴けます。
どうせなら全編吹き込んで・・・

5.星空のサーカス~ナイアガラへ愛を込めて編~
作詞:松本隆、伊藤アキラ(スパイス・ソング) 作曲:大滝詠一 編曲:井上鑑
ラッツの楽曲カバー&ボツ曲を復活させたもの。
曲の最後の溜息は大滝詠一と思われます。
「スパイス・ソング」の部分のボーカルは酒井が担当。あとは鈴木。
ミスターベースマン・佐藤善雄、大活躍。この曲のメインボーカルはある意味では佐藤さんであります。佐藤ファン必聴!
この曲は完全に遊んでます、でもそれが楽しい。

6.Valentine Kiss~永遠の誓い~
作詞:湯川れい子 作曲:井上大輔 編曲:村松邦男

井上大輔の未発表曲です。
ボーカルは酒井と桑野が担当。
これはラッツ時代のアルバムでもちゃんとありました。
桑マン、トランペットだけではなく、歌の才能もお持ちなようです。
「夢見る16歳」で聴かせた美声を惜しげもなく披露。
ここに1曲、隠れた名曲が誕生しました。
歌のアルバムには必ずある、アルバムならでは…の名曲。
曲の最後の、メンバーによる「ハッピーバレンタイン」という台詞も素敵。
やっぱりここでも美味しいのは佐藤善雄でした。

7.時間飛行
作詞:東海林良 作曲:井上大輔 編曲:井上鑑

これも井上大輔の未発表曲。
曲はどう考えてもラッツ&スターじゃありません。
ゴスペラーズが歌ってもハマりそうなバラード。
新曲扱いになっている3曲の中で、なぜこの曲だけ作詞が東海林良?

…これはあくまで妄想なんですが、井上大輔が亡くなったときに布施明が「新曲を頼んであって、近いうち曲が届く予定だった」みたいなことを話していたんですよね。案外これがその幻の新曲なのかも知れません。
少なくともこれはラッツのお蔵入り曲ではないと思うんですが…。

ボーカルは鈴木・村上。リーダー同士によるぶつかり合い。
鈴木の圧勝か、と思いそうですが村上も負けてません。
間奏部の桑マンによるトランペットも絶妙。
シングルならこれがカップリングですね。

8.Skit~だからゴスペラッツ~
9.The Voice

作詞・作曲:Fred Parris
あちらのドゥーワップのカバー(多分)。
最後のオチにニンマリ。
最後まで遊び心は健在でした。


一気に全部聴いても飽きないようにしっかり考えられてますね。
おふざけとまじめ、このあたりのバランスが絶妙。
これは大人の娯楽です(子供でも結構楽しめるとは思いますけど)。
「故 井上大輔に捧げる」というクレジットに恥じぬ出来です。
井上大輔の曲無しではこのアルバムは語れませんしね。
ただクレジットを出しただけではないのは嬉しい。

これを気に、ラッツ&スター(シャネルズ)のシングル集やアルバム復刻がなされると私は嬉しいんですけど、それには最低、田代メンバーの仮出所~刑期明けまで待たないと期待できそうにないですかね、やっぱり。