はるのほっぺ

備忘録です。仕事柄、政治の話題が中心です。

「天国と地獄」を見た 竹中平蔵の引き際

2006年09月16日 | 政治

 竹中平蔵が、政界からの引退を表明しました。小泉首相の任期終了とともにその去就が取りざたされていましたが、議員辞職まで決断するとは驚きました。
これまでの竹中平蔵の活躍や出処進退に関しては、小泉首相のコメントに集約されていると思いますので、日経の<
首相動静>から以下にコメントを抜粋します。
「小泉内閣の改革について語る場合は、竹中大臣なくして語ることできないだろう」
「悪意に満ちた批判にもよく耐えて、よく頑張ってくれたと感謝している」
「私が竹中さんに大臣就任を要請した時から(自身が)首相をやっている限り頼むと。私が首相を辞めたら自由に判断して結構だという前提で、竹中さんに大臣就任を要請したから」
「小泉内閣の進める改革についてなくてはならない、自民党の党勢拡張においても国会議員になることがいいと思って出たんだからいいと思う。(参院選で竹中氏を)支持した方も受け入れてくれると思う」
「国会議員をやめて学者の生活に戻ると言っておられるから、どういう活動するにしても今までの国会議員、大臣としての経験というのは非常にプラスになると思う」


 最高の褒め言葉であり、小泉・竹中の信頼関係がよく分かります。
それにしても小泉首相の任期終了間という寂しげな演出というより、安倍晋三・新総裁誕生に向けて「私の一票は安倍さんに入れる」というインパクトのある結果にもなったようです。

 竹中平蔵が一番輝いていたと思うのが、昨年の郵政解散・総選挙の時期でしょうか。郵政民営化法案を巡る自民党内での対決や国会答弁などでも、怯まず持論を展開する度胸と非を認めない弁論力
に驚きました。
なかでも特筆するべきは、郵政民営化に対してブレた民主党に対して、徹底的に攻撃するなかでの先鋒役を見事にこなしていました。岡田克也、菅直人、枝野幸男らに詰め寄る迫力は、なかなかのものでした。
一昨年の参院選に出馬をして72万票を獲得し、j経済学者プラス政治家という肩書きを手に入れた辺りから、総選挙後の臨時国会で再提出された「郵政民営化法案」が可決した辺りまでが絶頂期、「天国」を見たような気分だったかと思います。
 その当時の勢いを如実に現しているのが以下の写真です。


(写真:応援に駆け付けた竹中郵政担当相と有権者に支持を訴える堀江氏

 ホリエモンは一面だけを見れば時代の寵児だったかもしれませんが、欠落した部分も沢山ありました。このホリエモンの応援に入った頃は、いい一面しか見えていませんでしたから、必死に応援演説をした竹中でした。
 しかし、その後、堀江の逮捕から始まる一連の問題で、竹中は「地獄」を垣間見たはずです。直接、自らがその渦中にあった訳ではありませんが、国家権力の恐ろしさをまざまざと感じることが多かったでしょう。
 竹中平蔵は、見事に小泉の伝道師役を演じきりました。本人も小泉首相という特異な政治家の存在が、自分を活かしてくれていたことは百も承知でしょう。自らの出処進退を決断したこと、そしてこのタイミングを選んだことは、政治家らしい理想的な姿です。
 もちろん経済学者としては、活躍の場が大きく開けたことは間違いないでしょう。


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