上海下町写真館2010

上海より半年ぶりに帰国しました。マイペースで故郷の風景や歴史などをご紹介します。

上海歴史散歩(2)浦江飯店:華夏第一西飯店

2010年09月12日 06時16分00秒 | 上海優秀歴史建築
外灘から北へ進み蘇州川を渡ると虹口区ですが、当初アメリカ租界で後に共同租界の一部となり、歴史的建造物もまだ多く残っています。

浦江飯店は1846年、英国人船長アスター・リチャードが創業した「リチャード・ホテル」が前身です。

蘇州川にまだ橋が無い頃で、辺りは漁民が網を干すような荒地で、土地代も安かったそうです。

当初のホテルは木造2階建ての東インドシナ風でしたが、開業後の経営は不振だったそうです。

1856年に蘇州川に木造の橋が架かり、それ以後客数も増えました。

1860年には英国人某・スミスに転売され、「アスター・ハウス・ホテル」と改名し経営は改善されたそうです。

上海で最初の外国人旅行者専用ホテルで、客室以外にもビリヤード場・バー・ダンスホール・ポーカー室も完備していました。

1階大広間では外国劇団の歌舞・演劇、1882年にはサーカスまで催されていたそうで、当事の繁栄ぶりを思い起こさせます。

1906年には旧館の裏にレンガ造り英国風5階建て、建築面積8,100m2の現「金山大楼」を増設しました。

更に翌年には旧館を撤去し、現存の鉄筋コンクリート造り6階建て、建築面積15,011m2の新館を建築しました。

3階の広間は天井から陽光が降り注ぐ吹き抜けになっており、ホテルの歴史を展示する空間になっています。

歴代の貴賓の写真パネルが、その歴史の長さを誇らしげに語っています、

アメリカ元大統領グラントと物理学者アインシュタインの写真です。

左は喜劇王チャップリンの若かりし頃の姿です。彼は1931年と1936年の2度、上海へ来訪しています。

彼は1889年生まれですから、1936年の頃は40代後半ですね。

4階に上がってみましょう。


410号室は1879年に元アメリカ大統領、南北戦争の英雄グラント将軍が泊まった部屋です。

ホテルは建て代わっていますので、恐らく当時を復元したものでしょう。

404号室は1936年、チャールズチャップリンが宿泊しました。

2回目の来訪は3人目の妻との世界一周新婚旅行の途中だったようです。その前後、その年の2月と5月に2度目・3度目の来日もしています。

1920年代、香港に本部を持つ香港上海大酒店公司に併合されました。中華人民共和国成立後の1959年に上海市が管理し、浦江反転と改名されました。

3階にはロビーの右手のエレベーターもしくは階段で上がれます。エレベーターガール(おばさん)に階数を伝えると、快く答えてくれます。

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