なぜそんな発想になるのか…

サンフレッチェ広島のオフィシャルイメージソングを歌ってくれる「THE CRANE FLY」(クレインフライ)
そのクレインフライのオフィシャルホームページが一部の心ない人間によって荒らされている。

その内容は(ちょっと乱暴に要約すれば…)
「サンフレッチェのイベントに、クレインフライのファンは来るな」
というものだ。

ちょっと待ってもらいたい。
じゃあ
「何かのきっかけでサンフレッチェ広島に興味を持ち始めたぐらいの人たちは、
サンフレッチェの試合やイベントに行ってはダメなのか？」

クレインフライのたくさんのファンがこれをきっかけに「熱心なサポーター」になる可能性も十分にある。その逆でサンフレッチェのサポーターがクレインフライに興味を持ちライブに行ったりＣＤ買ったりする可能性もある。
そうなればお互いに輪が広がり、それが「一つ」になれば、広島を盛り上げるものすごく素晴らしい「力」になるはずなのに…

そもそも今回のコラボは、クレインフライのライブにサンフレッチェの桑田選手と森脇選手(現愛媛レンタル)が見に行ったのがきっかけ。
その後クレインフライ側もサンフレッチェ側もいろんな困難を乗り越えて、「広島のために」と今回のコラボになったのだ。その努力に対してなぜリスペクトができないのだろう。
確かにとあるスポーツ競技で、全く関係ないアイドルを「客引き」として投入。その結果、訳のわからん状況になってしまった協議もないことはない。ただファン拡大の一助には多少なりとなっている部分は見逃せないし、
今回の場合、選手とミュージシャン側の交流がこれまでしっかりとなされている部分をきちんと評価しないといけない。
確かにお互いがお互いの立場をきちんとわきまえるのは当然のことだ。ただそれを掲示板などでヒステリックにかき立てることではないだろう。

それ以上に
「サンフレッチェのイベントに、クレインフライのファンは来るな」
というサポーター(こんな輩をサポーターと呼びたくはないが…)は、
なぜ
「クレインフライのファンもサンフレのサポーターにしてやるぞ！　これで観客も倍増だ！」というぐらいの気概がないのだろうか？
一部の限られた連中でやるより、より大勢の熱狂的なサポーターで応援した方がより楽しいだろう。

Ｊ２陥落、そして１年での復帰という流れの中で、サンフレッチェはここ２～３年、着実に観客数を増やしてきた。
ただ、去年は若干ながら人数を落としてしまった。その原因の一つに「ライト層が定着しない」というものがある。
その要因には「駐車場を含めたアクセス問題」、「試合内容」などもあるだろう。
でも今回の騒ぎで、あらためて別の原因もあることがはっきりわかったよ。

オレはもっともっとビッグアーチにサポーターが来てもらいたい。
12年前にステージ優勝を果たして迎えたチャンピオンシップ第１戦。
ビッグアーチには「ほぼ超満員」のサポーターが集まり、サンフレッチェの選手たちを後押しした。取材でピッチサイドにいたオレはその熱気に身の引き締まる思いがしたのを覚えている。
３年前の新潟戦や鳥栖戦、２年前の浦和戦なども「すごかった」とよく話題に上がるが、あの頃のビッグアーチや広スタはそれ以上の「熱気」があった。オレはその雰囲気を少しでも多くのサポーターに味わってもらいたいし、選手にもそんな「できあがった状態」のなかで、「150％増」ぐらいの力を出して闘ってもらいたいのだ。
また現実問題、観客が増えないと強化費もままならなくなる。戦力を整えるのに多大な支障が生まれる。もうＪ２はゴメンだ。

もう一度考えてもらいたい。
今年、サポーターはビッグアーチを大勢のサポーターで埋め、アウェイチームを圧倒し、選手を奮い立たせるするだけの応援をしなければいけないという大きな課題がある。それを解決する方法の一つは、より多くの人たちをビッグアーチに引っ張りこみ、応援の楽しさを伝え、サッカーのおもしろさを伝えることだ。
そしてさらに考えてほしい。監督や選手はこのことを喜ぶだろうか？
そもそも私たちがサポートする対象は何なのか？ということをもう一度冷静に考えてもらいたい。