生まれながらにして、誰もが「
食べ馴染みの一品」を持っているはずだ。
いつの間にか自分自身のDNAに刻み込まれ、少なくとも週に2~3回は食べないと気がすまない…
こういった食べ物のことを、最近は「
ソウル・フード」という
(らしい)。
例えば、映画にまでなった「讃岐のうどん」。これもそうだ。
そして広島で言えば、なんといっても「
お好み焼き」だ。
物心がついたころからいつもそばにあった「お好み焼き」…
古くてきちゃない“掘っ建て小屋”みたいな小さな店、
トイレは「ボットン」で、サ●ポールの香り…
「ワンカップ」のガラス容器に水をくんでまんが本を読みながらひたすら待つ…
これが本当の「お好み焼き」だと思っている。
(まあ、トイレのボットンは大げさかもしれないが…)
お好み焼きは基本的に近所でしか食べない。街中の「お好み焼き」は、それらとは「似て非なる」もの。
確かに「見た目」は「街中」の方がきれいかもしれない。
しかし、「イマドキの美人」と同じで、「中身」そして「魂」がない。
絶対に
近所のお好み焼きが絶対においしい!!
断言していい!
以前紹介した「ひらの」もその一つだが、
今回はそれ以上に昔からお世話になっていて、
これぞ、広島のお好み焼き屋
というお店を紹介したいのだ。
そのお店は会社の近くにある。
最初の出会いは、会社に入る直前、人事の人に連れてきてもらった。どうやらそれが「入社するときの儀式」のようだ。
実際、このお店は「
創業29年!」
うちの会社が31年だから、文字通りうちの会社と「共に歩んできた」といっていい。そしてオレたちをやさしく見守っていてくれる。
お店自体は1回改築された。その時は、本当に「古くからの広島のお好み焼き屋さん」を体現するような雰囲気のあるお店だった。
新しく小綺麗になったが、生活に密着した「家庭的」な雰囲気は十分だ!
また鉄板は創業時からのものをそのまま使っているのもうれしいのだ(改築の際の休業時に、うちの会社でイベントがあったのだが、そのときにその“鉄板”を持ってきてお好み焼きをお客さんに振る舞ってくださったときは感動した)
焼き方にはちょっとだけ変わった点がある。
まず、生地を薄く敷く
(まあここまでは同じだ 当たり前だが…)
普通、このあとは生地の上にキャベツをたっぷり載せる。そして、肉をその上に載せ、そば(うどん)を載せてつなぎの生地を軽くかけてひっくり返す。
しかし、ここでは先にソースで軽く味付けしたそば(うどん)を載せるのだ。そしてキャベツ、肉と載せていくのだ。
先にそばを載せるお店は意外に多いそうだ。おばちゃんが一人でやっているような古くからのお店では、この順番で焼くお店がかなりある。
大きめの「パリパリの生地」でやさしく包み込まれたキャベツと肉、そしてそばは、
一体となって「旨味」というハーモニーを表現してくれる。
特にキャベツは、その「甘み」と「心地よい苦み」が際だつ。
この「うまさ」は、「街中の有名店」では絶対に表現できないものだ。
また、近所使いのお店だから、ちょっとしたうれしいこともある。
時々ではあるが、ヒマな時には、旬の果物やおかしが出てくることもある。
それをつまみながら、お互いの近況を話し込むのもお好み焼き以上に楽しいのだ。
(それに乗じて、時々仕事をサボっているのは内緒である)
当然、価格もうれしい。
「肉玉そば」なら「ワンコイン」で十分 お釣りが来る!!
オレは「肉玉そば・野菜ダブル・イカ天」をいつもたのむが、
580円で大満足だ!
(当然、オレのはネギがないゼ!)
県外の知人が「お好み焼きを食べたい」といったら、
「本当の広島」を知ってもらうためにも、時間が許す限りここに連れてくることにしている。
最近は素材や作り方、味にこだわる素晴らしいお店も増え、食べる私たちもそのチョイスに苦労する時すらある。また若い人たちも積極的に参入し、その腕を磨いているのも素晴らしいことだ。
近年、古くからのお好み焼き屋が、お店の方の高齢などが原因で廃業されたり、代替わりするようになってきた。(実際、会社すぐそばのお店も廃業したし、有名店のいくつかもそうだ)
でも「優」のように、おばちゃんがいつも「お好み焼きの生地」のようにやさしく包んでくれる…
そんな温かくておいしい店が広島にはまだまだだくさんある。
ぜひいつまでも末永く繁盛し、続いてくれるように祈っているのだ。
そしてオレもそんなお店をいつまでも応援したいのだ。
お店データ
お好み焼「優」(ゆう)
広島市南区旭町2-2-8
082-255-8747
11:00ごろ-14:00ごろ
定休日 日曜・祝日(要確認)
駐車場 なし
(店の前に止められるが、道が細い。そばの大通りにコインパーキングあり)
肉玉そば・うどん 480円
肉玉 そば・うどんW 550円
肉玉そば・うどん
イカ天(スペシャル) 530円
そば・うどんW 600円
肉玉 410円
焼きそば・焼きうどん 480円
W 550円
そば・うどん増量 70円
イカ天 70円