会社をサボって、広島市中心部にある「平和記念公園」に行ってきました。
公園を取り巻く元安川(もとやすがわ)や本川(ほんかわ)沿いに
約400本ほどのソメイヨシノが立ち並んでいます。
「満開」発表ではありますが、
よく見ると「つぼみ」が結構多く、満開手前の“7分咲き”ぐらいの感じでしょうか?
2日現在、広島県では西部沿岸部のほとんどで“満開”になっています。
実は広島市中心部には6本の川が流れていますが上流の県北から川面を伝って流れてくる「冷たい空気」にさらされるため、
川沿いのサクラの開花の進み具合はどうしても2~3日程度遅れてしまいます。
幸いこの週末は天気の大きな崩れはなさそうですし、金曜からは気温も上がってきます
お休みに合わせて満開のサクラを楽しむことができそうですね!
(まっ、どうせサクラを愛でるのは数分で、ほとんどの方は“だんご”のほうに夢中になるんでしょうが…)
サクラの下で宴に興ずる人たちを見守るように建つ「原爆ドーム」…
その風景を見るにつけ、
「平和」とういうことの大切さを、あらためて実感せずにはいられません。
私たちが先頭に立って、「平和」と「GREEN」を守っていかなくてはいけませんね!
ところで、前回のサクラに関するエントリーで
“サクラの開花が年々早くなっている!”というお話をしました。
そして
“
もっと深刻な問題も出てきている”ということもお話をしました。
きょうは、その中身をご紹介したいと思います。
サクラの開花を決めるにあたって重要な要素は、
1.冬の寒さ
2.そしてその後の春の暖かさ
というお話も前回しましたよね?
サクラは秋までに「花芽」を作って、いったん“休眠”に入ります。
(動物の“冬眠”と同じようなものです)
その“寝ている”サクラを起こすのが、実は“
冬の寒さ”!
サクラにとって“冬の寒さ”は“めざまし時計”なんです!!
これを“
休眠打破”といいます。
ぶっちゃけいえば、
“
冬が寒くないとサクラは綺麗に咲かない!!”
ということなんです!
ただ昨今暖かい日が多い、いわゆる“暖冬”といわれる冬が出現する回数が多く、
その影響で、
九州南部など南日本でサクラに大きな異変が起きているんです!!
(気象キャスターネットワーク&波田 調べ ※転載厳禁)
この資料をご覧ください
これは1990年と、2000年~2007年までの種子島測候所が観測した
ソメイヨシノの「開花から満開までの日数」をわかりやすく図にしたものです。
通常、サクラ(ソメイヨシノ)の開花から満開までの日数はだいたい「7日」といわれています。
しかし種子島ではここ数年
「10日~2週間」程度かかった年が多く、
年によっては「3週間~1か月近く」かかった年も。
それどころか1990年や2002年のように
“満開にならなかった年”も出てきているんです!!
(「満開」とは、8割以上の花が咲いている状態のこと)
“記録的な大暖冬”だった2006~2007年の冬、
その年のサクラにも異変が起こりました!!
2007年春の広島市内のサクラです。
上の写真は「満開発表」の平和公園ですが、
サクラの花、スカスカです…
アップにしてみてみると
「つぼみ」と「花」、「葉桜」が混在しているのがわかります。
実は、いつもなら開花を合図に、花がほぼ同時に開くのに
この年はそれぞれのつぼみが花開くのがバラバラで
“
気の早いサクラの花は咲いて散ってしまったけど、遅いサクラはまだつぼみ…”という状態になったから。
1990年と2002年の種子島では、その状況があまりにもひどく
“
同時に咲いた花が8割以上にならなかった”ということなんです!!
その原因は
冬に暖かい日があまりにも多く、“休眠打破”がうまくいかなかった…
要するに、
“寒さという「目覚まし時計」が鳴らなくてサクラが寝ぼけてしまい、
目覚めるのに時間がかかった”ということなんです!!
2007年の広島ではいつもと逆で、
高い山の上にあるサクラから咲き始め、徐々にそれが低い場所へと下がってきました。
そういえば、沖縄でもサクラは高いところから咲いていきますよね!
暖冬の原因はいろいろありまして、決して“地球温暖化が最大の原因”とはいえません。
ただ一方で、昨今気温が高い年が多く、年々平均気温が上がってきているという事実を見ると、
“地球温暖化”の影響が出てきているのは間違いないのではないでしょうか?
このまま地球温暖化を放っておくと
近い将来、あふれんばかりの薄桃色の花の下での花見はできなくなるかもしれません…
私たち人間以上に自然は敏感なんです…
いっせいに咲き誇り、散り方の潔さもあって
日本人が最も愛しているといっても過言ではない“サクラ”…
宴に興ずるのもいいですが
サクラの花を眺めながら、
“平和”と“GREEN”について今年はちょっとだけ考えてみませんか?
PS 1
種子島測候所は2007年秋に廃止になりました。
今、合理化や効率化を理由にたくさんの測候所が廃止・無人化されています。
今回紹介したデータも、人がきちんと観測してきたために得ることができた貴重なデータです。
また防災の最前線として機能してきたという歴史もあります。
防災のため、そして地球温暖化を食い止める監視役として、
この“無人化・廃止”の流れ、なんとかならないんでしょうか?
PS 2
今年の広島のサクラの開花、公式発表は“3月22日”でした。
実は去年とルールが変わったらしく、標本木が6~7本だったのが1本に減ってしまいました。
去年までの標本木は3月19日にいっせいに開花したのですが…
だから、オレの予想は決して間違いじゃないのだ!!
なんか「去年までは“プロレスルール”だったけど、今年からは“K-1”ルールだよ」といわれているみたいで不快です…
そもそも過去のデータとの整合性はどう取るんだよ? このあたりが“地球温暖化懐疑派”の人たちのツッコミどころになるのに…
ちなみにこの私、サクラに関してはさほどの興味ないんです…(苦笑)
サクラの季節が終わってからの“新緑が萌えるころ”のほうが好きですね…
あの新緑が織り成す“緑のグラデーション”がたまらないんです
萌え~!!