下駄をはくまで(裏)

広島の暑苦しい気象予報士の、端から見たら非常にバカな日常 (あくまでも匿名で)たまに吠える! まあ読んでコメント書け!!

走る“博物館”!!

2009-05-20 15:15:28 | EVER GREEN 環境
今回はですね
“広島が誇る「博物館」”について書きたいと思います。


“走る博物館”ともいわれています…





それは路面電車です!


(世界遺産・原爆ドーム横を走るサンフレッチェ電車 ※カープVersionもある)


広島の市内電車は
広島市内中心部を、編み目のように6つの路線が走っています。
また、「広島市内中心部」ともう一つの世界遺産の厳島神社がある「宮島」の玄関口を結んでいます。

広島市内の路線延長が19.0キロ。宮島線が16.1キロ。
総延長35.1キロは日本一の規模。
そして1日の輸送人員約16万人も日本一を誇ります!


1910年(明治43)から広島市民の足として走り始めたチンチン電車。
戦後、車社会の進展によって多くの都市から路面電車が消えていくなか
広島でも一時利用客がかなり落ち込み、存廃のピンチを迎えました。
でも軌道内の自動車走行禁止などの措置をとるなどして、広島は路面電車を守ってきたのです。


もうひとつ広島の路面電車には大きなピンチがありました。
1945年(昭和20)8月6日。8時15分に広島市内中心部の上空で炸裂した1発の原子爆弾…
広島はあっという間に焦土と化しました。路面電車も多くが大破しました。
しかし3日後には一部路線で運転が再開。悲しみにくれる市民を勇気づけたと言われています。


これは1945年8月6日の朝、爆心地からわずか700メートルの場所で被爆した電車です。
爆風で脱線し、半焼したのですが、半年強で復旧、
まだ立派に現役として、広島市内を走り回っています!!


(“被爆電車”はこのほか3両が現役です)


また車社会の進展で他都市で“お役御免”になった車両が広島に大量移籍、
いろいろな路面電車が広島市内を走っています!

これは元京都市電の車両。
スマートでおしとやかな「京美人」!?
たくさんの車両が走っていて、市内電車の“主力”です。



これは元大阪市電。
オーソドックスな“路面電車”といった感じですよね。
大阪時代とほぼ同じ塗装で、懐かしさすらありますね。


これも元大阪市電。
正面の大きな窓がご愛敬です。


これは元西鉄福岡市内を走っていた電車。
以前は広島市内と宮島口を結ぶ主力電車でしたが、
現在は広島市内の大量のお客さんを運ぶために頑張っています。


その他、神戸や北九州を走っていたチンチン電車も未だに現役です!!

移籍してきた車両は
そのほとんどが当時のままの塗装など、昔の面影を残したまま、広島の街を走り続けています。
そのことが広島市電が“走る博物館”と言われる理由なのです!!
これって立派な“リユース”ですよね!!


路面電車はこれから先、大きな可能性を秘めています。
なんといっても環境面
1人を1キロ運ぶ際に発生するCo2・二酸化炭素はたったの36グラム
自家用乗用車に比べて5分の1ですむんです。
(データは 国土交通白書:国土交通省)

また、
・建設費や車両費が安く、
 地下鉄や新交通システムと比べて建設時の環境への負担も小さいこと、
・渋滞知らずで時間が計算できること。
・電停(停留所)も多く、低床車両でいろんな人が乗り降りしやすい

路面電車は、いまもっとも注目されている交通機関です!!



(広島電鉄の主力電車“Green mover max”も低床車両)


また最近「LRT」(Light Rail Transit)という言葉をよく聞くようになりました。
次世代型の路面電車のことです。

・専用軌道などを確保し、定時性や速達性を確保(都市部は車道との併用可)
・他の交通機関と連携し乗り換えがしやすいこと

などが特徴で、
高齢者や子ども、障害を持つ人も乗り降りしやすい低床の車両など増えていますね。

日本でもJRの路線を引き継いだ富山ライトレールが注目されています。
これに刺激されて、多くの都市でLRTの導入が検討されており
その中にはかつて路面電車が走っていた都市も含まれているんです。

欧米ではたくさんの都市がLRTを導入し、交通や環境改善に大きな役割を果たしています。

先の書き込みでも紹介した“パーク・アンド・ライド”の一翼を担ったり、
またある都市では、
市街地中心部を路面電車やバスなどの公共交通機関のみに解放した歩行者専用道路として、
自家用自動車を制限することで街の賑わいにつなげている例も多数あります。
(「トランジットモール」という言葉がありますね)



また海外のLRTでは多くの導入例があるのですが
軌道に芝生などを植えて緑化し、騒音や温暖化防止につなげようという試みもされています



(広電ではわずかな場所でしか実施されてないですが、鹿児島では結構規模が大きいようです)


かつては“邪魔者”として活躍の場所を失っていった路面電車ですが
将来の“Green”を考えたときに、無限の可能性を秘めています!!

古くて新しい“路面電車”!
広島に来たときはその魅力を体感してほしいのです!!
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