はぶて虫のささやき

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(旧:はぶて日記)

映画評1123 ~ シャドー・チェイサー (TV版)

2024-01-17 | 映画評
今回は「シャドー・チェイサー」(TV)です。

「スーパーマン」をリブートする「マン・オブ・スティール」(2013)でスーパーマン役にも抜てきされた注目の若手ヘンリー・カビルを主演に、ブルース・ウィリス、シガニー・ウィーバーが脇を固めるサスペンスアクション。監督は「その男、ヴァン・ダム」のマブルク・エル・メクリ。

主演:ヘンリー・カビル
共演:ブルース・ウィリス、シガニー・ウィーバー、ベロニカ・エチェーギ、ロシュディ・ゼム、キャロライン・グッドオール、ラフィ・ガブロンなど

<ストーリー>
スペインの海辺のリゾート地に、家族とバカンスにやってきたアメリカ人青年のウィル。しかし、海上のクルーザーから家族が何者かに誘拐された上に、捜査を依頼した地元警察に襲われてしまう。そこへ突然、父親のマーティンが現れウィルの危機を救うが、そこでウィルは父が実はCIA工作員だったという事実を告げられる。ほどなくして父も凶弾に倒れ、異国の地で孤立無援の状態に追い込まれたウィルは、自分と家族が国際的な陰謀に巻き込まれていたことを知る。


2012年の作品らしいけど、ブルース・ウィリスやシガニー・ウィーバーが出ているにもかかわらず、たぶん映画館では公開されていなかったのか、見ていない。

そのブルース・ウィリスも、何のことはない序盤にあっさりと殺されてしまう。

なので、ド素人の経営コンサルタントがCIAとモサド相手に奮闘する、という荒唐無稽な展開となってしまっている。

どうせなら、ブルース・ウィリスの部下とか、息子であっても警官であるとか、もっと相応しい役であれば、アクションも生きてくると思うのだが、そうでないのであちこちで殴られたり撃たれたりとボロボロだ。

にもかかわらず、猪突猛進型なのか、何にも考えずにただただ敵に向かっていく。

だいたい、言葉が通じない異国で、自分だけ一人取り残された状態で、よくあれだけの行動ができるなあと思う。

普通ならゼッタイ無理だろう。

そう思っていたのだが、最初主人公ウィルは現地の人たちとまったく会話ができなかったのに、途中から急に登場人物全員が英語を話し始める。

何とテレビで放送していたニュースまで英語で話していた。

これには驚いた。

それはまだ許容範囲(?)としても、ストーリーが今いちよくわからなかった。

まず機密情報を持っているのがいったい誰なのか、よくわからなかった?

そいつがシガニー・ウィーバー演じるCIAの裏切り者と取引しようとしているのはわかったが、最初はそれがイスラエルの諜報機関であるモサドかと思っていたのに、実はそうではなかったので、結局誰だったのか見終わった後もわかっていない。

もしかして、元々きちんとしたストーリーができてなくて、適当に撮影が進められたのではないか、と思えるほどいいかげんな感じだった。

つまり、撮影している途中にいろいろと不具合が出てきて、その都度修正が入ったのではないか、と思われるほどだった。

たぶんこんな感じ?

スタッフ「監督、主人公は地元の人たちと言葉が通じないので、助けを呼ぶのは無理じゃないですか?」
監督「うん、そうか?じゃあ、途中から全員英語でしゃべらせればいいじゃん」
スタッフ「監督、機密情報を売ろうとしている連中はモサドってことになってますけど、何で主人公の家族を拉致したのもモサドなんですか?」
監督「えっ?そりゃあ、主人公を脅迫して機密情報の入ったブリーフケースを持ってこさせるためじゃないか」
スタッフ「はあ?じゃあ、ブリーフケースを持っていたのは主人公の父マーティンってことになるじゃないですか」
監督「なんで?それでいいじゃん」
スタッフ「えっ?マーティンは序盤ですでに死んでますよ」
監督「えっ、そうだっけ?」
スタッフ「それに、主人公に対して『あのブリーフケースを回収しなければならない』って言ってましたから、マーティンはあり得ないでしょう」
監督「ああ、そうか。じゃあ他の誰か、ってことにしとけ」

実際、ジーン(シガニー・ウィーバー)が取引している現場では、相手が誰だかわからなかったし、そこをモサドの連中数十人が取り囲んでいたのだが、ジーン側はたった二人だったにもかかわらず、取引相手を射殺してブリーフケースを奪った上に、あっさりと逃げてしまう。

しかも、ジーンがブリーフケースを持って逃げる時、それ以外のものは持っていなかったので、もしかして取引用のお金は最初から用意していなかった、ってこと?

これまた監督が、取引はブリーフケースと現金との引き換え、ということを忘れていたとしか思えない。

だいたい、スペインの地でモサドが暗躍しているということは、どう考えてもイスラエルあるいは中東関連の機密情報としか思えないのだが、だとしたらブリーフケースを持っていたのは本当は誰だったんだ、ということはかなり重要なことだと思うのだけど、違うのか?

それ以外にも違和感のある演出がいくつか。

ジーンの手下である男が、主人公を助けた女性(実は妹)のバックにいる組織に捕まって拉致された後、自力で逃げ出した(実はわざと逃がした)際、停まっている車の窓ガラスを壊して奪い逃走したのだけど、その後ジーンとどこかで落ち合っていた。

これって、いつどうやって連絡を取り合ったの?

少なくとも、この男はず~っと主人公によって尾行されていたのだから、それをする時間はなかったはずなのに。

ついでに言うと、この男が車の窓ガラスを叩き割る際、運転席側の窓ガラスを壊して、そのまま乗っていたのだけど、それだと座席にガラスの破片が残って大変じゃないの?
どうせなら、助手席側の窓ガラスを壊せばよかったのに。

ネットでの評判がかなり低かったので、同じことを考えているのかなと思って見たら、多くの人が「CIAがただの一般人にやられている」という批判をしていた。

確かに、後にスーパーマンを演じる俳優とはいえ、今作ではただの一般人だ。

だけど、最終的にジーンを倒したのはモサドなんだよね。

主人公とジーンがカーチェイスをやっている最中、いったいどこにいたのかわからないけど・・・

とにかくよくわからないストーリーだったけど、まあ肩の凝らないアクション映画なので、そこそこ楽しめました。

ということで、評価は「C」にしておきます。

それにしても、途中で全員英語をしゃべっていることに気が付いた時は、ホント驚きました。

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