吉松ひろむの日記

高麗陶磁器並びに李朝朝鮮、現代韓国に詳しい吉松ひろむの日記です。大正生まれ、大正ロマンのブログです。

韓国の子供たち

2005年05月09日 20時02分30秒 | Weblog
水原(スウオン)の民俗村の広い天幕(テボチブ)に座って、川沿いの蒼い柳に見とれていると
「おじさん!これ教えてよ」と国民学校低学年の子供に声を掛けられた。
見ると算数のかけ算の問題である。
私はふと6-年目に土佐の平家落人のN村で教壇に立った頃を思い出した。
20問を手早く回答すると
「おじさんはミグゲソ ワッソヨ?」とピーナツ粒がついた口元に満面のエミをたたえて少年が訊いた。
「違う(アニョ)、日本人さ(イルボンサラムニ)・・」と、答えると、ハッとした表情になったが、ガムをあえると、大きな声でカムサハムニダ!とニダの語尾を釣り上げて答えた。
その声で他の女の子がノートを持ってきた。
詩を直してくれと言う。
春はケナリ(連翹)がきれいだヨ ポッコッ(桜)もきれい
夏はコスモスもきれいだヨ
でもムグンファ(むくげ)がいちばんきれいだヨ
クックワ(菊)は食べられるけど、私は嫌いだヨ

日本人にこんなに親しく質問するのも子供の純粋な心と思って感動した。
どこかで鈴笛が鳴ると、子供たちは一斉に手を振って駆け出した。
その日、終日言い知れぬ歓喜が私の心にうずまいた。