yabmaroom

☆yabmaruとその仲間たちののほほん日記☆

2009年03月30日 21時19分40秒 | のほほん日記

みなさんには“夢”がありますか?







私の知人(などと言っては恐れ多いんですが)で、お店を経営してた人がいました。
こじんまりした定食屋さんって感じで「お家ごはん」って言ったらいいのかな?
お店の名前は「きっちん桜」
コブクロファンの間ではかなり名の通ったお店です

私はその方と直接の知り合いではなかったんですが、コブクロ関係で
知り合った友人に「どうしてもヤブ丸さんに会わせたい人がいる」と言われ、
紹介して貰ったのがそのお店のE子さんでした。
会う前に「誰でもすぐ親しく喋る…と言う感じの方ではないんだけど」
と言う友人からの前置きがあったので、
私は少し身構えてそのお店に行ったのを覚えています。
確か2年前の夏でした

でも話してみればとてもきさくなE子さんで、私より20近く上の方なのに
パワーがすごくて全然その歳には思えないほどでした
(後で友人が言うには「あんなに初めての方と喋るなんて珍しい」とのことだったので
もしかしたら何か波長みたいなものが合ったのかもしれません。)




そんなE子さんには子供さんもいらっしゃって、
お店を出すに当たっては旦那さんは猛反対。
それでもどうしても叶えたい想いが強く、コブクロにもたくさんのチカラを貰って、
一大決心してオープンされたのが4年前でした
そこに至るまでの話、そして私の知らない時代のコブクロの話、おいしいご飯…
そのどれもが魅力的で、私は一気にE子さんのとりこになってしまいました
その時は友人の時間もあまりなくて、2時間ぐらいで帰ったのですが、
その後も私はどうしても彼女に会いたく、ずっとずっと頭の片隅にあったのですが、
結局次に訪れるまで1年も時間が経ってしまいました
あぁ今思えばもったいない


でもきっかけもなかったし、私のことなんか忘れてるだろうなと思いながら
時だけが過ぎて行った日々でした。
そんな中訪れようと思ったのは、ちょうど私に転機が訪れていて、
その時どうしても会いたいと思ったのがE子さんだった…
ただそれだけの理由でした。


とりあえず友人にアポだけ入れておいて貰って、その日は一人で伺いました。
会うのは2度目なのに、なんだかずっと前から知り合いのようなE子さん。
話せば話すほどココロの紐が緩んで、
そして言葉の一つ一つが深いところにギュっときて、
話してる間も何度か泣きそうになったのを覚えています
「私なんかまだまだ。。。」そんな情けない気持ちも交差して…。


帰りにはすっかりココロが晴れていました。
そして2度目のごはんもとてもおいしく頂きました
一人で行ったのに3時間はいたでしょうか?
「次は友人を連れてこよう」そう思いながらお店を後にしました。



そして次行くときは友人を連れてって、
また次行くときは元気になったお礼が言いたくて、
またその次行くときはコロッケ(めちゃくちゃウマイです)が食べたくて、
そんな理由をつけながら何度となくE子さんのお店を訪れました。
私が唯一一人で行けるお店でもありましたから。




そんなE子さんに、別の夢があると聞かされたのは、今年の初めでした。




「えぇ~~っ?だってお店あるじゃないですか!せっかくの夢やったのに!」

「でも夢は叶えた時点で夢じゃなくなるやろ?
あんなに輝いてたものが現実になってみると、
それ以外のものに捉われて気持ちも分からなくなったりする。
それでもお客さんから『おいしかったです』って言葉聞くと、
やっぱりやってて良かったって思えるよ。
お店を経営するのは大変よ。
それでもそれ以上のものがあるから続けてこられた。
でも自分の中には別の夢もある。
それは叶える叶えないは別として、ずっと昔から抱いてた夢



それを聞かされたとき、私はいい意味で愕然とした。
やっとの想いで出したお店。
そのパワーはすごく大きかったと思うし、大変だったと思う。
その大変さを分かってるのに、また新たな夢を抱いてるの?
その日はそんな気持ちで帰途につきました。



それから1ヵ月後、彼女のブログで私は“閉店”の2文字目にしました。
ショックで。
ショックで。
言葉が出ませんでした

もうあのおいしいごはんが食べられなくなる。
もうあんな楽しい話も出来なくなる。
もうあんなに話聞いて貰うことも…。

たくさんの「もう」が出てきて、
それからすぐにはE子さんに連絡が出来ませんでした



それから数日経って、やっと自分の中で消化出来て、
あの日E子さんが話してくれたこと、
そして新たな夢に向かって旅立とうとしてるE子さんを
ココロから応援したいと思えることが出来ました



そしてお店最後の営業日である3/27。
残業後すぐにE子さんに会いに行きました。




最後のランチメニューは、
私が初めてE子さんのお店に行ったときと同じ
「チキン南蛮」でした。
一番、おいしいんだよね、コレ…。






お店には数十人のコブクロファンと思われるお客さんがいたんですが
E子さん一人で手が回らないので、客がキッチンに入ったり、料理を運んだり、
なんだかその雰囲気も桜さんならではでほんわかするものがありました


最後のチキン南蛮をかみ締めるように頂きながら
「あぁ、もうこんなおいしいごはんが食べられなくなるなんて、ほんと残念
なんてギリになっても淋しく思える私…(でもきっとみんな一緒だったはず)
結局その日は閉店時間の8時を大幅にオーバーして
(って、いつものれん下げても居るんだけど)11時ごろ最後のお店を後にしました。



帰りに、E子さんは改めてこんなことを話してくれました。




「まだ余力のあるうちに、もう一踏ん張りして頑張るよ!





私も友人も言葉が出ませんでした。
今の自分にそんなパワーがあるだろうか?
今の自分は今を一生懸命生きているだろうか?
今の自分は何かに満足してないだろうか?


彼女の最後の言葉は、もう約束せずには会えないであろう私に、
大きな問いと希望を同時に与えてくれました。
最後まで、「E子さん」だったなぁ





いつだったか。




「行くしかないだろうって言葉は、簡単に使える言葉じゃない。
その意味はほんとうに泥沼這いずり回った人にしか分からへんよ。
生きるか死ぬか、2つに1つ。他はないんよ。
でもそれを知ってる人のその言葉は、とても強くて大きいよ。」



とE子さんは話してくれました。


でもそれは、彼女の大好きな人が言ったその言葉が彼女を力づけたように、
彼女自身のその言葉も彼女の周りの人にたくさん力づけたんだろうなと思いました。
もちろん私にも。

そしてそんな彼女が下した今回の「行くしかないだろう」に、
私は改めてエールを送りたい気持ちでいっぱいになりました。




彼女の夢が叶うこと、それは私にとってもこれからの楽しみです











みなさんには“夢”がありますか?




今見てる“夢”も。
閉ざしてしまった“夢”も。
アナタのチカラで。
ココロに虹を架けてみて下さいね。

きっと誰かの元で。
アナタの虹は輝くはずだから