土曜日、そして今日で合計3人の高校生が見学に来てくれました。
2年生、3年生、4年生(定時制)と年齢はバラバラ。
それでも、3人とも漁師になる希望があることは同じです。
いつものように、私から「漁師はいいぞー」とは話しません。
むしろ、大変なことをお話しして、それでも漁師を目指すなら学園に来て欲しいとお話ししました。
さて今日は、入学者と学園がどの様に変わってきたかのお話しです。
学園は約50年前の大きな海難事故を教訓に、優れた漁船員を育てるために作られました。
その当時、県に一校しなかない水産高校に行くのは大変なことでした。
また「漁師に頭はいらない」が、多くの漁村の認識でした。
つまり、漁村で高校進学する人は少なかったのです。
だから1年間で、漁師の技術、船乗りの知識を授ける学園は大きな意味がありました。
40人定員でスタートしましたが、最盛期は60人以上の受験がありました。
水産高校受験の滑り止めでもありましたが、それ以上に
学力的にも、経済的にも水産高校などに進学できない漁師の卵が集う学校でした。
その後、高校進学率が急激に上昇。
漁村でも、ほとんどの中学生は高校進学するようになりました。
学園は水産高校の滑り止めから、高校に進学できない人たちの受け皿に変わります。
受験者もどんどん減り、定員を20人に削減。
それでも、入学者が3人ということもありました。
中には親が子供の意向を無視して入学を決め、
「入学式の日に、学園の門から中に入ってこない」
「夜、寮を抜け出してしまう」
といったことも起きたようです。
これが、約10年前。
入学者の減少で、存続を問われることもありました。
高校も単位制、通信制など多様となり、高校に進学できないことを理由に学園にくることも減少。
学園は優秀な人材を求めて、入学者を徐々に高校卒業生にシフト。
全国から漁師希望が集まるようになりました。
ピークは3年前で30人を超す受験がありました。
長引く不況もあって、確実に仕事があることも魅力であったと思います。
そこから、景気が好転、求人が増えることで学園受験者も減少。
昨年、今年と残念ながら1名の定員割れの状況です。
それでも、純粋に漁師を目指す人が増えてきました。
漁業現場も外国人労働者が増えました。
かつての学園は、労働力として生徒を育ててきました。
今は違います。
海技士資格があり、大型船の幹部になれる人を育てています。
こんな風に、変わってきているので学園の地元の方は
現在の状況を知ってビックリすることが少なくありません。
生徒の質が上がると、我々職員も授業の質を上げる必要があります。
工夫を凝らして、毎年、内容を向上させています。
写真は静岡市の三保造船所を見学で撮影したもの。
大型漁船を作る造船所のスケールがわかると思います。
この大きさを感じるの大事な勉強です。
学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
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