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紀伊半島を南北に貫く五條新宮道路の整備状況(その6)

その1はこちら その2はこちら その3はこちら その4はこちら その5はこちら

12.風屋~十津川村役場付近

風屋川津工区の南の終端部と思われる区間から以南は、狭路から一転して立派な幹線道路になっています。一転する付近のストリートビューはこちら

Wikipediaの「五條新宮道路」項目には「小原 - 野尻改良区間」として掲載されていますが、いつ頃整備が完成したかは不明です。ただ、区間最長の小井トンネルの坑口に取り付けられた銘板の年月は「1980年3月」となっており、1980年代前半には他に先駆けて立派になっていたものと推測されます。

該当区間のGoogleMapはこちら

十津川沿いの旧道は現在も通行止めになっておらず、沿道に若干の家屋があるほか役場の東方の旧道沿いには湯泉地温泉の旅館が点在していますが、路線バス八木新宮線も十津川村営バスも国道経由です。

13.十津川道路

十津川村役場付近の小原地区から平谷地区までの約6kmは、国土交通省の権限代行事業として整備され、2011/9/19に小原~折立間4.3kmが、2019/9/16に折立~平谷間1.7kmがそれぞれ開通しました。

https://www.pref.nara.jp/item/216919.htm

https://www.pref.nara.jp/secure/216919/190801_%E8%A8%98%E8%80%85%E7%99%BA%E8%A1%A8%E8%B3%87%E6%96%99.pdf

いずれも十津川沿いの災害多発地帯の狭路を解消してトンネル主体の立派な幹線道路に衣替えさせるものです。小原~折立間については、2011年に実際に発生した地滑りによる通行止めに対応した緊急措置として前倒しで開通しており、南北分断を免れ孤立集落の解消など非常に大きな整備効果が実証されました。

路線バスは、北側の大津呂トンネル区間は経由せず旧道を通りますが、今戸~折立間については旧道が一部通行止めになっていることから十津川道路の今戸トンネルを経由します。今戸トンネル北側の新旧道の接続部分は、十津川の上空に立派なランプを作って対応しています・・・ストリートビューの一例はこちら

こちらはバス車内からの撮影です。

但し、今戸のバス停は現在も旧道沿いにあるため、路線バスはトンネル南側の交差点から旧道に入り込み、700mほど北上したあたりのバス停前(GoogleMapで「寒川製材」とあるあたり)で引き返します。

今戸バス停付近のストリートビューはこちら

折立~平谷間は路線バスは旧道を経由します。折立は比較的大きな集落で、長らく南都銀行十津川支店がありましたが、2021/3/15に五条支店内に移転して実質閉鎖となりました。銀行業務は近くの折立郵便局に共同窓口を設け対応しています。

https://www.nantobank.co.jp/news/pdf/news2011123.pdf

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66148560S0A111C2LKA000/

南都銀行十津川支店跡のストリートビューはこちら

集落内には、2017年3月まで小中学校として使われていた木造校舎が今も残りますが、大阪・関西万博のパビリオンとして移築されることが決まりました。同パビリオンのプロデューサーは、同じ国道168号沿いの旧西吉野村が舞台の映画で世に出た河瀬直美監督です。

https://www.asahi.com/articles/ASR737H57R73POMB010.html

14.十津川道路(Ⅱ期)

上記十津川道路の南端部から七色地区までの5.6km区間は、やはり国土交通省の権限代行事業として採択され、2020年度に事業化されました。

https://www.kkr.mlit.go.jp/nara/jigyou/kaichiku/totsukawa.html

https://www.kkr.mlit.go.jp/nara/jigyou/kaichiku/bval4b0000001wur-att/totsukawa-panf2.pdf (事業パンフレット)

https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001332765.pdf (新規事業採択時評価)

大部分の構造物がトンネルと十津川を渡る橋となっています。

十津川道路(Ⅱ期)が開通した暁には、十津川温泉は旧道沿いになりますが、ここは路線バスの拠点(八木新宮線は10分ほど休憩のため停車、隣接地には十津川村営バスの車庫あり)なので、少なくともバイパスの北半分を路線バスが走ることはないでしょう。

休憩中の八木新宮線バス。

十津川村営バスの時刻表。

村営バスの車庫の様子。

南半分の二津野ダム付近の現国道168号も急峻な崖沿いを通り一部狭隘な区間がありますが(ストリートビューの一例はこちら)、沿道には一部集落があります。そして、現時点での計画では、途中にランプは設けられないようです。

(つづく)

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