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紀伊半島を南北に貫く五條新宮道路の整備状況(その3)<追記あり>

その1はこちら その2はこちら

3.阪本工区

新天辻工区のすぐ南側、五條市大塔町阪本地内の約2km区間の国道168号は、かつての酷道の面影を残す集落沿いや川沿いの1車線区間が残っています。

これを解消するため、主に橋とトンネルからなる阪本工区の改良工事が2014年度に事業化され、2016年度に着工されました。

奈良県の令和元年度公共事業評価監視委員会の資料によれば、

https://www.pref.nara.jp/secure/218081/sakamotokouku.pdf

この時点で用地買収率は100%、事業進捗率は37%となっている一方、全体事業費は工法見直しなどにより当初時点の約66.5億円から約81.5億円に増額しています。

上記資料から3年が経過した時点の令和4年度第1回公共事業評価監視委員会の資料によれば、

https://www.pref.nara.jp/secure/282956/r0401no03.pdf

橋部分の工事は2020年度に完了しており、この段階では2020年に着工した阪本トンネル工事が佳境に入っていますが、事業費については精査中とのことで資料には記載されていません。

そして、国土交通省のサイトに掲載されている再評価結果(令和5年度事業継続箇所)によれば、事業進捗率は87%、全体事業費は2019年当時から5.5億円増額の約87億円となっています。

https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-hyouka/r4sai/2_r4_137.pdf

橋部分を北側から見たストリートビュー(2023/4時点)はこちら

トンネル南側坑口付近のストリートビュー(2023/5時点)はこちら

バスの車内から見ても完成間近なことは一目瞭然で、遅くとも2025年春には五條市内区間の国道168号から1車線の酷道区間は消滅しそうです。但し、路線バスは阪本の集落を経由する必要があるので、土休日のみ運行の「観光特急やまかぜ」以外の便は旧道経由で残ることでしょう。

なお、阪本工区の南側にある小代下トンネルは、1970年代末期という早い段階で川沿いに曲がりくねった旧道に代わるバイパスとして開通したもので、幅員的にはやや見劣りするものの一層の改良が不要なレベルには達しています。旧道のストリートビューはありませんが、新旧道の分岐点の様子を見る限り一般車通行不能ではなさそうです。

小代下トンネル付近のGoogleMapはこちら

(つづく)

<2023/7/27追記>

奈良県は、2023/7/19付で「国道168号阪本工区について、2023年度内の完成・供用開始のメドが立った」と発表しています。

https://www.pref.nara.jp/secure/297189/03_sinkikouhyoukasyokohyou.pdf

<2024/2/10追記>

奈良県は、2024/2/7付で「国道168号阪本工区が2024/3/23に全線開通する」と発表しています。但し、一般供用の開始時間はこの発表時点では未定です。

https://www.pref.nara.jp/secure/304611/houdouhappyou.pdf

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