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全国交通ニュースブログ

日本全国の交通に関する最新ニュースをピックアップして紹介します。
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渡島半島西岸の国道の土砂崩れ復旧:新トンネルはもうすぐ掘削着手

2025-04-15 12:08:07 | 幹線道路(北海道)

2023/11/22付ブログ記事「渡島半島西岸の国道の土砂崩れ復旧:まず工事用道路の整備から」の続報です。

北海道開発局函館開発建設部の公式サイト内「一般国道229号 乙部防災」のページですが、このブログ記事を書いている時点では工事に関して2つの情報がアップされています。

 (1)  国道229号乙部防災(乙部町館浦) 別線ルートの本体工事着手について (報道発表資料) (PDF:3.51MB)

 (2)  工事レポート令和6年12月 (PDF:1.97MB)

(1) は、地元説明会を終えいよいよ2024/5/29から鳥山トンネルおよび館浦トンネル(当該箇所を迂回する新ルートのメインとなる2つのトンネル)の坑口の切土に着手することのアナウンスです。

(2) は工事着手後半年経過した段階のレポートで、両トンネルの北側坑口に加え、町道館浦鳥山線(地元車両向けの応急復旧短絡路)に接続する山側工事用道路の盛土も完了したとのことです。そして、鳥山トンネルについては2024/11から工事準備にかかり、2025/春頃にいよいよ現地で掘削を開始する予定となっています。館浦トンネルのほうも早期着工が待たれますが、いつになることでしょう?

なお、町道館浦鳥山線は2024年度も冬季(2024/12/16~2025/2/21の間)原則通行止めとなっていましたが、工事車両はその期間中もここを通っており、地元車両も朝夕に限り通行可能でした。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1097168/

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1126392/


競走馬産地なのに牛歩のごとき厚賀静内道路の進捗

2025-03-19 19:45:51 | 幹線道路(北海道)

もう1つ、2024/8/25付ブログ記事「2024~25年度に開通予定の北海道の高規格道路について」の続報です。

上記ブログ記事で取り上げた2025年度に開通予定の高規格道路のうち、厚賀静内道路の当面の終点となる新冠ICが仮称通りの正式名称となりました。

https://www.hkd.mlit.go.jp/mr/release/a00ihh000000debg-att/jre2p60000000mat.pdf

「乗りものニュース」の記事はこちら

その厚賀静内道路ですが、実は全区間が1995年に事業化されています。しかし、新冠ICから東側は事業化から30年を経ても完成のメドが立たない状況です。

https://www.hkd.mlit.go.jp/mr/douro_keikaku/tn6s9g000000283f.html

北海道開発局公式サイトで公開されている2020年度に作成された「日高自動車道(一般国道235号)厚賀静内道路 再評価原案準備書説明資料」の4ページ目には、以下のような記載があります。

平成 7年度 事業化
平成12年度 事業再評価
平成17年度 事業再評価
平成22年度 事業再評価
平成23年度 用地補償着手、工事着手
平成25年度 事業再評価
平成28年度 事業再評価
令和 2年度 事業進捗率44%

つまり、事業化から用地買収や工事の着手まで15年以上かかったわけです・・・ 沿線に人口密集地や急峻な地形は特になく、この地域に数多くある競走馬の牧場の一部が計画ルートにかかったとしても代替地は容易に確保できるはずで、その背景は皆目見当もつきません(あるとすれば設計に再三の見直しが発生したとか)。

ということで、過去の事業再評価資料を探してみました。

1.2005年度の再評価資料

https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-hyouka/17sai/2_h17_001.pdf

この時点では総事業費を410億円と見積もっており、調査・設計および地域住民との合意形成を円滑に進めるためのPIパブリックインボルブメント等を進めており、引き続き事業が順調に進んだ場合、平成20年代後半の事業完了を予定していました。

2.2010年度の再評価資料

https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-hyouka/22sai/2_h22_005.pdf

この時点では総事業費は482億円に増加しており、用地進捗率はゼロ%・事業進捗率は6%となっています。事業の進捗が順調でない理由は特に挙げられていません。

3.2013年度の再評価資料

https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-hyouka/25sai/2_h25_007.pdf

この時点では総事業費は482億円で変わらず、用地進捗率・事業進捗率とも7%となっています。特記事項として「津波浸水予測区域の見直しによるIC形状の変更」が挙げられています。

4.2016年度の再評価資料

https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-hyouka/28sai/2_h28_004.pdf

この時点では総事業費は578億円に増加しており、用地進捗率は41%・事業進捗率は15%となっています。特記事項として「津波浸水予測区域の見直しによる計画ルートの変更」が挙げられており、2013年度の再評価資料と比較すると、海岸沿い<静内市街地の西側>に計画されていた静内ICが海岸から2km以上離れた内陸部<静内市街地の北側>に変更されていることが分かります。

5.2020年度の再評価資料

https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-hyouka/r2sai/2_r2_003.pdf

冒頭で紹介した再評価原案準備書説明資料を基に評価の上作成されたものですが、総事業費は100億円増の678億円となり、用地進捗率は約59%・事業進捗率は約52%(増額後の事業費を基準とした場合約44%)となっています。事業費増の内訳は冒頭で紹介した資料のみに掲載されており、以下の通りとなっています。

・法面保護工の変更 (約41.8億円増)

・軟弱地盤対策工の変更 (約33.2億円増)

・トンネルにおける掘削パターン等の変更 (約15.6億円増)

・トンネルにおける掘削パターン等の変更(ガイドライン策定による切羽安定対策)(約3.7億円増)

・トンネルにおける掘削パターン等の変更(政令改定によるトンネル吹付材料の変更)(約1.1億円増)

・立入防止柵の変更 (約6.0億円増)

6.2022年度の再評価資料

これが、現時点で最新の再評価資料のようです

https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-hyouka/r4sai/2_r4_005.pdf

総事業費は195億円増の873億円、用地進捗率は約75%・事業進捗率は約74%となっています。

北海道開発局公式サイトで公開されている2022年度に作成された「日高自動車道(一般国道235号)厚賀静内道路 静内三石道路(静内~東静内) 再評価原案準備書説明資料」にはもっと詳細な情報が掲載されています。

事業費増加分の半分を超える98.9億円分は、2016年度に津波浸水想定区域を回避するルートに変更となった静内トンネルの掘削関連(トンネル掘削パターンの見直し・トンネル掘削補助工法の見直し)です。このほか、「濁水処理施設の見直し(約11.2億円増)」「橋梁計画の見直し(約18.0億円増)」「軟弱地盤対策工の見直し(約67.1億円増)」が増加要因として挙げられています。


国道40号音威子府バイパスの道路名は「音中道路」に決まる

2025-03-18 19:03:52 | 幹線道路(北海道)

2024/8/25付ブログ記事「2024~25年度に開通予定の北海道の高規格道路について」の続報です。

上記ブログ記事で取り上げた2025年度に開通予定の高規格道路のうち、「国道40号音威子府バイパス」の道路名が2025/3/14付で決定しました。

https://www.hkd.mlit.go.jp/as/release/a079ll000000b6t2-att/pm5osg0000000ggj.pdf

「音中(おとなか)道路」です。

音威子府村と中川町を結ぶ高規格道路ということで、両町村名の頭文字を取った命名になりました。

中川ICでは直接国道40号と接続しますが、音威子府ICは地形の関係で村の中心部(国道40号と国道275号が分岐)から国道275号を浜頓別方向にしばらく走ったところに設けられ、ユニークなU字型の構造になっています。

なお、国土開発幹線自動車道建設法上での北海道縦貫自動車道は「函館~室蘭~札幌~旭川~名寄~稚内」となっていますが、このブログ記事を書いている時点では美深北IC~音威子府IC間は予定区間となっており事業化の目途は立っていません。一方、中川IC以北は天塩ICまで計画段階の評価中です。

https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/kn/dou_kei/slo5pa000001800x-att/slo5pa00000183dd.pdf

 

 

 

 

 

 

 


国道36号白老西拡幅の2025年度新規事業採択時評価資料について

2025-03-18 00:59:32 | 幹線道路(北海道)

関連ブログ記事・・・2025/3/6付「北海道横断道別保尾幌道路、2025年度の事業化なるか?

別保尾幌道路を含む「令和7年度予算に向けた新規事業採択時評価手続きの着手」対象となった各事業ですが、2025/3/14に開催された社会資本整備審議会道路分科会の第27回事業評価部会において揃って評価対象となりました。

https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/road01_sg_000730.html

別保尾幌道路についての新規事業採択時評価資料はこちら 他の新規事業採択時評価資料へのリンクはこちら

こちらでは、北海道内でもう1つ評価対象になった「一般国道36号 白老西拡幅」について解説します。

https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001875373.pdf

国道36号の苫小牧~室蘭間は4車線化が進んでいますが、白老町内の萩野~日本製紙工場前~竹浦間約8kmは2車線のまま残っており、ボトルネックとして日中に渋滞が発生しがちです。そして、この区間に近い白老町中心部近くには2020年にウポポイ(民族共生象徴空間)がオープンしており、ウポポイ~登別温泉の移動にはこの2車線で残存する区間を通らねばならず、観光シーズンには流れが悪くなります。

事業対象区間は概ね平坦であり、目立った土木構造物は4か所の橋梁(最長110m程度)です。沿道に立ち退き対象の家屋はありますがそれほど多くはなく、JR室蘭線との並行区間も道路拡幅の障害にはならなさそうです。


北海道横断道別保尾幌道路、2025年度の事業化なるか?

2025-03-06 12:52:49 | 幹線道路(北海道)

2025/1/1付ブログ記事「釧路と根室を結ぶ高規格道路の計画・整備状況について」の続報です。

国土交通省は2025/3/4付で「令和7年度予算に向けた新規事業採択時評価手続きの着手について」発表しました。

https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo11_hh_000150.html

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001868345.pdf

当該発表は、令和7年度予算における新規事業の採択可否をお知らせするものではありません。との断り書きがありますが、対象事業の中に「一般国道44号 北海道横断自動車道 別保尾幌道路」が含まれています。

これは、上記ブログ記事で書いた釧路別保IC~厚岸町尾幌間(まだ事業化されておらず、計画段階評価の段階)に相当します。2024/12/25に開催された会合でルート案が決定しており、これを踏まえて精査の上、新規事業として採択すべきかどうかを最終的に判断するというプロセスが年度末にかけて進行することになります。

ちなみに、北海道内では他に「一般国道36号 白老西拡幅」がリストアップされています。他は以下の通りです。

<東北地方整備局管内>

 一般国道13号 横手北道路、一般国道112号 山形南道路

<中部地方整備局管内>

 一般国道22号 名岐道路(一宮~一宮木曽川間)

<九州地方整備局管内>

 一般国道201号 みやこ行橋バイパス、一般国道57号 熊本環状連絡道路

<沖縄総合事務局管内>

 一般国道58号 宜野湾道路

果たして、このうちどれだけが新規事業として採択されるでしょうか?