goo blog サービス終了のお知らせ 

全国交通ニュースブログ

日本全国の交通に関する最新ニュースをピックアップして紹介します。
幹線道路、バス、航路、ICカードなどなど・・・

国道169号御所高取バイパスは当初は別ルートで計画されていた

2024-01-31 00:26:20 | 幹線道路(関西)

2024/1/30付ブログ記事「国道169号御所高取バイパスについて・・・未だ用地買収にも至らず?」の続きです。

この御所高取バイパスですが、当初は別ルートで計画されていたことをひょんなことから知りました。

国土交通省近畿地方整備局奈良国道事務所の公式サイトに掲載されている大和御所道路(御所区間)のパンフレット<令和2年10月制作>を見ると、

https://www.kkr.mlit.go.jp/nara/jigyou/kaichiku/bval4b0000001lbl-att/keinawagose-panf.pdf

御所ICのすぐ南側で側道と接続するはずの御所高取バイパスが書かれておらず、代わりに高取バイパスの延長として「都市計画道路橿原高取線」が書かれています。2か所で上下線が分かれているところからすると完成4車線の道路として計画されていますが、北の端は他の幹線道路と接続せずにいきなり途切れています。このパンフレットが制作された時点では既に御所高取バイパスは都市計画決定されていましたが<2019年度決定>、古い情報のまま制作してしまったようですね。

ということで「都市計画道路橿原高取線」をキーワードに検索すると、奈良県公式サイトの以下のページにたどり着きました。

https://www.pref.nara.jp/51668.htm

2019/8/23付の公示を以て、都市計画道路橿原高取線の高取バイパス開通済み区間以北が廃止され、代わりに現行の都市計画道路御所高取線が誕生しています。

https://www.pref.nara.jp/secure/216608/soukatsuzu.pdf

その変更理由書をまとめると以下のようになります。

https://www.pref.nara.jp/secure/216608/riyuusyo1.pdf

もともと橿原高取線は1997年に国道169号のバイパス道路(4車線・幅26m)として都市計画決定されたものです。現在の高取バイパス全区間をも含み、北端は大和高田バイパスと接続する予定だったようです。

しかし、2009年の奈良県による未事業化の広域幹線道路の見直し時に、事業化済の高取バイパス部分を除いた区間が「2車線以下の生活幹線道路として、必要性の有無を検証する路線」に変更となりました。これを踏まえ、2015年に橿原市川西町以北の約2350m区間の広域幹線道路としての計画が廃止され、廃止区間のうち近鉄南大阪線を越える前後のみ、橿原市が鉄道による分断を回避するための2車線の「橿原運動公園線」を改めて都市計画決定しています。

一方、橿原市川西町~高取町兵庫<高取バイパスとの接続部>については、2015年時点では現在の御所高取バイパスの道路計画が完了していなかったことからそのまま存続し、上記のような「いきなり4車線の都市計画道路が途切れる」状況が4年ほど継続する結果となっていました。

この変更により、橿原市川西町~高取町兵庫間は完全に計画が廃止となり、代わりに御所高取バイパスが広域幹線道路として都市計画決定されたわけです。

高取バイパスの北端の場所や、その先の「平成大橋」の謎が、この文書により見事に氷解しました・・・


名鉄東部交通バスは2024/2/3からICカード対応

2024-01-31 00:09:49 | 交通系ICカード

2023/9/16付ブログ記事「名鉄バスの一般路線・近距離高速バスは2023/10/1に運賃値上げ <10/6追記あり>」で触れた名鉄東部交通バスですが、

>同社は2006年12月に名鉄バスから西尾地区の路線を移譲される形で路線バスの運行を開始し現在に至っています(manacaをはじめとするICカードは使用不可)。

晴れて2024/2/3からmanacaなどの全国相互利用対象交通系ICカードが利用可能になります。

https://www.meitetsu-toubukoutsu.com/news/?id=923

http://www.meitetsu-bus.co.jp/info/detail/1031

名鉄バス同様に名鉄電車や他の名鉄バスとの乗継割引が適用されます。

導入時点ではIC定期券は未対応ですが、紙の回数乗車券は導入前日の2024/2/2限り発売停止となります。

JR岡崎駅の西方にある藤田医科大学岡崎医療センター(2024/1/15付ブログ記事参照)には名鉄バスと名鉄東部交通両方の路線バスが発着しており、これまでは同じJR岡崎駅西口から(へ)の路線でもICカードが使えたり使えなかったりという状態でしたが、

https://okazaki.fujita-hu.ac.jp/access.html

2024/2/3からは全便で使えるようになります。


岩手県交通の2024/3限り廃止となる路線について

2024-01-30 22:41:31 | 路線バス

2023/12/23付ブログ記事「続: 岩手県南のJR東北線沿いの路線バスに大ナタ」の続報です。

岩手県交通公式サイトで正式発表がありました。

http://www.iwatekenkotsu.co.jp/pdf/newsrelease/newsrelease_20240124.pdf

発表のメインは「2024年問題」を踏まえた2024/4/1付での盛岡地区での路線再編と減便ですが、こちらでは盛岡地区以外の路線廃止について解説します。

<花巻地区>

土沢線(イトーヨーカドー〜花巻駅前~賢治記念館前~新花巻駅~土沢~雲南桜間)が廃止となります。

このブログ記事を書いている時点では平日8.5往復土休日4往復しており、平日に関しては観光客にも使いでのある路線ですが、赤字と乗務員不足の前には如何ともしがたいですね。廃止後は花巻市が代替交通を走らせる予定です。

<北上・奥州地区>

上記ブログ記事で書いたとおり、北上金ヶ崎線・水沢金ヶ崎線が廃止となります。前者は一部区間で北上市が、後者は全区間で奥州市が、それぞれ平日に限り代替交通を走らせる予定です。

<一関地区>

上記ブログ記事で書いたとおり、一関花泉線が廃止となります。一関市が平日に限り代替交通を走らせる予定です。

<大船渡・陸前高田地区>

2023/9/2付ブログ記事「岩手県交通の陸前高田住田線、廃止は半年繰り下げの2024/3/31限りに」で書いたとおり、陸前高田住田線が廃止となります。陸前高田市と住田町が代替交通を走らせる予定です。そして、これにより陸前高田市内を走る岩手県交通の一般路線バスは1日1往復の一関大船渡線のみとなります・・・大船渡線BRTの実際の運行業務を担うのは岩手県交通ですが

このほか、長期運休中の高速バス3路線(夜行バス「遠野釜石号」、昼行の江刺仙台線と千厩盛岡線)および盛岡地区の深夜バス4路線が復活せず廃止になります。


国道169号御所高取バイパスについて・・・未だ用地買収にも至らず?

2024-01-30 00:02:45 | 幹線道路(関西)

2024/1/28付ブログ記事「孤立状態?の国道169号高取バイパスの状況(その3)」の続きです。

上記ブログ記事の最後で

>県道35号奈良橿原線にスムーズにつながっていますが、すぐ先の橋がやたらに幅広に作られており、さらにその延長上にアスファルト舗装の広場が存在するのが気になります。

と書きましたが、これは高取バイパスと京奈和道を結ぶ国道169号御所高取バイパスの建設に向けての布石ともいえる構造物のようです。

御所高取バイパスは、2017年度に事業化され、2019年度に都市計画決定しました。事業主体は奈良県で、3.4kmの全区間を当初から4車線で整備する計画です。

令和4年度第3回奈良県公共事業評価監視委員会における再評価資料はこちら

奈良県高田土木事務所が作成した資料はこちら(管内にあたる御所市内区間のみ記載)

御所市の都市計画図のうち御所高取バイパスが含まれている図郭割図・・・その1 その2 その3

京奈和道御所ICのすぐ南側から分岐し、県道118号御所高取線および県道35号奈良橿原線に近いルート<2か所で交差あり>を経由し、高取町兵庫で道なりに高取バイパスと接続するようなルートとなっています。途中の約1km区間はJR和歌山線のかなり近くを通ることになっています。

ルート図はこちら(上記再評価資料から抜粋)

しかし、進捗のほうは、2021年度末時点で「事業進捗率7%、用地買収率0%」となっています。私は可能な限り御所高取バイパスの予定ルートをトレースする形で歩きましたが、高取バイパスとの接続部を除き、用地買収が行われている形跡(看板が設置されている、柵で囲われた空き地があるなど)は全くありませんでした。もし用地買収が実行されているとしてもごく断片的と思われます。

高取バイパスとの接続部のすぐ先にある県道の橋は幅が非常に広く、欄干は県道の道なりではなく御所高取バイパスの予定ルートの方角を向いています。

橋の名は「平成大橋」です。高取バイパスの北側区間と同時に2012/4/17付で道路として認定され、2012/4/20付で供用開始されています。この時点では御所高取バイパスはまだ事業化されていませんが、構想は存在したものと思われます。

https://www3.pref.nara.jp/koho/0pdffile/1204000062.pdf

アスファルト舗装の広場は、平成大橋の工事や供用に関連して迂回路として活用されていたようです。横断歩道やセンターラインの跡が見えます。それ以前は高取バイパスの工事用ヤードだったのかも。

御所高取バイパスの予定ルートは兵庫の集落の背後の丘陵地を切り通しで抜け、再び平野部に出て曽我川を渡り、高取町から御所市に入って掖上駅のすぐ北側に至ります。現地には、ここが予定ルートであることを示すものはありません。

その先はしばらくJR和歌山線のかなり近くを通るわけですが(向こうに架線柱が見えます)、同様の状況です。もしかすると、手前の元農地が用地買収済みなのかもしれませんが・・・

県道118号御所高取線の屈曲部の南側は駐車場になっており、その先にJR和歌山線の線路が見えます。その中間の田んぼが御所高取バイパスの予定地であることは、都市計画図から明らかです。

上記個所の北西側の県道118号御所高取線上から、西側を望む。京奈和自動車道の高架橋が見えます。都市計画図によればこのあたりで県道と御所高取バイパスが交差する予定のようですが、何の兆候もありません。

京奈和道の高架橋が4車線分から2車線分に変わるあたりが、京奈和道の側道と御所高取バイパスの接続点のようです。都市計画上はここに4車線道路ができるはずです。

その接続予定場所がこちら。確かに高架橋のスパンがやや長くなっています。

(つづく)


孤立状態?の国道169号高取バイパスの状況(その3)

2024-01-29 18:47:24 | 幹線道路(関西)

その1はこちら その2はこちら 周辺のMapion地図はこちら

続いて、近鉄吉野線との交差付近および北端部の状況です。

松山の集落を抜けて農道に入ると(ストリートビューなし)、高取バイパスの高架橋が見えてきました。

農道は近鉄吉野線をくぐります。おそらく以前は踏切だったのを、高取バイパスの建設に伴い地下道を新たに設置したものと思われます。高さ制限2.3mで道幅も狭く、農道としての使用を前提にしたものですね。

その手前の交差点を左に曲がると、高取バイパスの南行車線につながる側道がありました。但し通行量はほとんどなさそうです・・・完全な農道としか接続していませんからね

ボックスカルバートの向こうには北行車線からつながる側道があるわけですが・・・

予想通りこの有様です。その2で報告したように松山ランプ側の側道の入口は封鎖されていますが、その理由がよくわかります。

気を取り直して?近鉄吉野線をくぐり、反対側に出ます。「この先通り抜け困難」と大々的に案内されていました。

そしてその右側には、真の高取バイパスの側道があります。近鉄吉野線との交差部分で行き止まりかと思いましたが・・・

行き止まりではなく、右折できます。

ただ、右折した先で線路沿いに直進できるわけではなく、再び右折を要求されます。

その先は、反対側の側道でした!

その側道を直進します。次の交差点には、「高取バイパスの側道はこちら」の標識が設置されていました。

高架橋が終わると北端は目の前です。4車線対応の構造物が設置されていますが、日の目を見ることはあるのでしょうか?

ここが、高取バイパスの北端です。県道35号奈良橿原線にスムーズにつながっていますが、すぐ先の橋がやたらに幅広に作られており、さらにその延長上にアスファルト舗装の広場が存在するのが気になります。

(つづく)