通訳案内士のブログ

loo paper

"The government has told Britons not to "panic buy" amid coronavirus fears, but many are doing the opposite."

イギリスのニュースです。
「政府はコロナウイルスの恐怖の中、国民に”パニック買い”をしないよう呼び掛けているが多くの人たちは正反対の行動をとっている」



イギリスでも小売店からトイレットペーパーの在庫が消えたそうです。記事ではスーパーマーケットで女性の客同士がトイレットペーパーを巡って乱闘する動画も紹介されていました。どうやらこういった群集心理は万国共通のようです。



ところでトイレットペーパーは英語でも"toilet paper"です。イギリスではトイレのことを"loo"と呼ばれることを通訳ガイドの仕事を始めて知りました。なのでトイレットペーパーを"loo paper"ともいいます。



「トイレ」で人間が行う行為は、小も大も含め"bodily function"、つまり「体が自然に行う機能」によるものがメインです。トイレで「メイン」を終えた後、手を洗う場でもあることから"wash room"がトイレの婉曲表現として使われることも多いです。



同じように英語圏の国ではトイレとお風呂が同じ部屋にある家が多いのでトイレのことを"bath room"ともいいます。



英語圏の人々、特に西洋人はトイレや排せつにまつわる話は相当なタブーであると聞きます。個人の「究極のプライバシー」ですから当たり前といえば当たり前のことなのですが、日本では「トイレネタ」は割と大っぴらに使われます。



「うんこミュージアム」「うんこドリル」なんかも人気ですし、私の世代の人気アニメ「Drスランプ」ではアラレちゃんが「うんち、うんち」と連呼してました。今、上の娘が大好きな「クレヨンしんちゃん」はもっとスゴイです。



とはいってもトイレを英語で直接的に"toilet"と呼んではマズいのか?というと実際にはそうでもなく、西洋人でも"Where is a toilet?"と普通に聞いてきたりします。国や地域、また人、相手、状況によっていろんな使い分けがあります(日本語でも蒲田辺りの飲み屋でおじさんが「便所どこ?」と聞いてきたら違和感ないですが、同じセリフをホテルの高級レストランで女の子から言われたら、聞いた方はビックリすると思います)。



"I need to go to a CR."
という人がいたらフィリピン人である場合が多いです。初めて聞いた時、まったく分かりませんでした。"Comfort Room"の略で、これも一種の婉曲表現ですね。



タブー話のついでに、日本が誇る観光資源のひとつである温泉ですが、意外なことに温泉は外国人旅行者には不人気というか苦手な方が多いです。



水着ならいいが人前で裸になることや他人と同じバスタブを裸で共有することに抵抗を感じる、という意見が多いです。白人、有色人問わず、アメリカ、オーストラリア、イギリスから来た人たちにこの傾向は多く見られます。インド、フィリピンの人達も苦手みたいです(一方で日本に何度も来ている人や若い人達の間では平気な人もたくさんいますし、日本の温泉文化が大好きな外国人もたくさんいます。韓国、中国の人たちも平気なようです)。



裸になってお風呂(シャワー)に入るという行為はトイレ同様、個人の「プライバシーの極み」であるには違いなく、私達日本人が考えている以上に一部の(世界的には多数か)外国人にとっては他人から遮断すべきものとして考えられているのかもしれません。



下ネタ、裸芸に高い免疫力がある我々昭和の日本人から見れば逆にちょっとしたカルチャーショックですね。





今朝の東急池上線。日曜日の早朝ということもありますが、こんなにガラガラな池上線は滅多に見られません。


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