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THE BOOK of ELI (ザ・ウォーカー)

2010-01-29 13:57:43 | 日記
世界が破滅した後を描いた映画「ザ・ウォーカー」を観た。



まず台本は単純で少しばかりの意外性を仕掛けてある。
ただし、巧妙とは言いがたい。

映像とサウンドトラックは素晴らしい。
映画の前半は誰でも楽しめるだろうという作りだった。

俳優陣はデンゼル・ワシントン、ゲーリー・オールドマンに舞台俳優のマイケル・ギャンボンを加えた立派なもの。
特にゲーリーはかなりあっちに行ってる悪役という得意の役どころ。真価を発揮している。
デンゼルはいつもの人間性を表現する役とかなりかけ離れた仕事をしている。
彼自身がプロデューサーとして参加しているので、彼自身が演じたかった役なのだろう。
その気持ちが役作りに表れている。

アクションは玉石混交。
映画の終末に向けて宗教色が強くなるので、映画の楽しみ方に個人差がでるだろう。

話の内容に関しては Post-apocalyptic tales のなかで際立っているとは言い難い。
極限状態の人間にとって何が必要かをテーマにするには手っ取り早い設定なのかも知れないが、そのテーマの掘り下げ方において "The Road" や "Suite Française" の方が数段優れている。

結論として、キリスト教の奇蹟を信じたい人、デンゼル・ワシントンのファン、古き良きゲーリー・オールドマンを楽しみたい人はこの映画を見に行く価値があると思う。
アクション映画やサスペンス・ドラマを期待している人にとっては少し期待外れかも知れない。