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Cyberwar

2010-01-16 01:05:43 | 日記
グーグルの中国での自主検閲の中止はいろいろな含みを持っている。

グーグルといえばブッシュ政権当時もインターネットの自由を守るという旗印の下、政府への資料提出を拒否したことがある。
多くの新聞で勇気ある決断と讃えられた。
法律を遵守しつつ、自分たちの信じる正義を守るという姿勢が共感を呼んだ。
まず日本では考えられない。

今回も、中国グーグルの行動を評価する論評は多い。
きっかけは検閲というより、 Cyberattack らしい。
グーグルによると、ダライ・ラマ支援グループ関係の Gmail に対するハッキングがあり捜査したところ、台湾のコンピューターに大規模な Cyberattack の跡を発見したというのだ。
攻撃対象はアドビー、ヤフーやグラマンを含む30社以上に上る。
さらに、その攻撃を統帥していたグループは中国本土から接続していた。
ここまでは客観的な証拠が十分あるのだがその先は暗闇である。

中国本土ではインターネット接続が政府により厳重に管理されており、 常識的には政府の許可なしにこのような大規模な攻撃は不可能と考えられる。
さらに、その組織性と攻撃能力の高さは一般のレベルをはるかに超えている。
Gmail の一つのサーバーをハッキングすることすらかなり困難である。
それを多数のサーバーに対して同時攻撃を敢行したのだ。
推測に過ぎないが、政府機関の業だと考える。

中国はインターネット業界にとって非常に大きな市場である。
ヤフーやアドビーが沈黙を守っている理由も理解できる。
中国市場を失いたくないからだ。
あえて、企業倫理を前面に打ち出し、中国市場撤退も辞さないという決意を示したグーグルはやっぱり、"a company of principle" だ。