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問題解決に対する姿勢

2009-10-04 23:21:36 | 日記
日本から従姉妹が遊びに来ることになった。2週間弱の滞在予定なので、いくつか Performing Arts のチケットを押さえておくことにした。観光シーズンと重なるので少し厳しいかなと思いながら計画を立ててみた。コンサートや観劇は平日の夜に予定。マチネはこの時期スクールバスの団体に占拠されるので雰囲気が違ってくるため避けることにした。
ニューヨーク・フィル:ベートーベン交響曲3番エロイカ他
メトロポリタンオペラ:フィガロの結婚
ブロードウェイ:ウェストサイドストーリー
と基本的なところで組んでみる。
今はオンラインで座席表を見ながら席を選べるだけでなく、その席からステージを見るとどんな感じかまで吹き出しで見られるので便利になった。ニューヨークフィルはチケット郵送だけど、あとは電子チケットなのですぐ印刷できる。トラブルに備えて使用したクレジットカードは持参しなければ。

トラブルと言えば、ニューヨークは問題が起きないようにするより問題が起きたときにどう処理するかに全力を注いでいる気がする。当然、トラブルは多い。

1994年に、初めてメトロポリタンオペラの定期会員になったときには年間チケットが届かなかった。結局手ぶらでオペラハウスに行くと身分証明書等で本人であることを確認して、手書きの紙切れ一枚で入場することに。余りに手慣れた処理にびっくり。良くあることと平然と言われてさらに驚く。日本ではそんなに頻回に経験することではなかった。

ブロードウェイのミュージカルでも行ってみたら閉幕になっていたということが数回ある。たいていは家を出る前にまだやっているかどうかを調べるのだが、確認を怠って失敗したことがある。別に公演中止だからと言ってお知らせが来るわけではない。これは日本で暮らしていたときの常識とかけ離れている。入場する際呼び止められて席が変わりましたと言われたこともある。一階席の中央で良い席だったので少し抵抗したが無駄だった。ふたを開けてみると、ブッシュ元大統領(お父さんの方)が自分の席に座っているではないか。政治力のある人がこの劇を見たいというと、一般客はどうでもいいという扱いを受けるのか。確かに、キャストや席は予告無く変更になることがあるとは書いてあるが釈然としない。

ごね得もこの辺りの特徴。商品の返品はすごく簡単である。領収書さえあればさも当然のようにてきぱきと処理が進む。ケーブルテレビの顧客対応が悪いと文句を言ったら一ヶ月分の視聴料が無料になったり、公共料金の請求書の数字が違うので抗議したら必要以上に割り引いてくれたとか枚挙にいとまがない。いずれにせよ不利益を被ったら立ち上がって何か言わなければいけない社会になっている。泣き寝入りするといつまでも損をし続ける。

基本概念は、問題が起きるのは仕方がない。起きたときにどうするかと言うことらしい。商品は必ずしもお客さんに満足いただけるわけではない。だから返品があって当然だし、それは織り込み済み。チケットが郵送中に失われたらチケットを購入した本人であることが判ればいいじゃないかという発想。だから運転免許証とクレジットカードは必携なのだ。満席の時に偉い人が来ることになれば即座に一般客を移動させる、というのもマニュアル通りでしょうか。より小さな問題にすり替える、あるいは、声の小さい(figuratively)方に問題を押しつけて切り抜けるという方が正しいか。座席変更の件に関しては、徹底抗戦すればなにか得していたかも知れないが、面倒くさくなって引き下がった。相手の思うつぼだったかも知れない。いずれにせよ、何かあったときの対応は迅速でそれなりの結果を生み出すのは事実である。何も問題がないことを前提としてしまうとこうはいかない。この危機管理の仕方は少し日本社会が見習っても良い気がする。