今も行われている雛祭りなどの行事は、新暦の3月におこなわれているようです。明治になって新暦移行後に、早くから新暦の日付で行われた行事もあったとは思います。そして、行事のなくなるころまでには、多くの行事が新暦の日付で行われるようになっていたようです。
桃の節句 3月3日
雛飾りの前に、草餅やおはぎ、赤飯、白酒などを供えたようです。大塚では、早く飾ることはよいが、終わったらすぐかたづけるといって、3日の夕方までにはかたづけたそうです。女の子の婚期が遅れないようにという発想だったのでしょう。江川では5月の節句が田植えで忙しいため、3月の節句に力を入れて、地区全体で盛大におこなったそうです。写真は常磐神社神楽殿に飾られた雛人形です。
初酉 3月に入って初めての酉の日
田島や三湯などでは、朝房山に登って、一日ゆっくり遊ぶという習俗が戦前まではあったそうです。
十三参り 3月13日
村松の虚空蔵尊(東海村村松8)に、子供が13歳になるとお参りに行くという、十三参りの習慣が広くあったようです。厄除け、開運、知恵授けなどが祈願されるようです。柳河では、昔なら当然だったでしょうが、3里の道を歩いていったと書かれたものもあります。写真は平成24年に撮った村松虚空蔵尊です。現在村松の虚空蔵尊では、学年祭が3月25日から4月7日までおこなわれ、特に4月第1日曜日の大祭には多くの親子が参拝するそうです。
梅若さま 3月15日
謡曲・隅田川に出てくる、だまされて人買いによって東国へ連れてこられ、隅田川畔で病死したという梅若の命日に、餅や赤飯を神棚などに供えたそうです。寿では安産とか、大塚では子供が神隠しにあわないようにと願ったようです。写真は平成14年に撮った、木母寺(墨田区堤通2-16-1)にある梅若念仏堂です。
徳蔵の大師さん 3月21日
七会村(ななかいむら)徳蔵(現・城里町)にある徳蔵寺の弘法大師を祀った行事だそうです。有賀南や大塚では、神棚などに赤飯や餅を供えて、午後は仕事を休んだそうです。村松の虚空蔵尊のように、現地にまでは行かなかったようです。現在、徳蔵寺では、4月29日に徳蔵大師祭をおこなっているようです。
春の彼岸
墓参りなどをして、先祖に団子やぼた餅、赤飯を供えたそうです。赤尾関では、団子が丸いほど、コロコロと仏さまが坂道を早く帰れるなどとといったそうです。常澄では、彼岸団子といって団子を供えたそうです。また、大塚などでは縁談や上棟式を避けたりしたそうです。
水戸の小正月行事
水戸の旧暦6月に行われる年中行事
水戸のお盆行事
水戸の旧暦9月に行われる年中行事
水戸の12月に行われる正月準備行事