二人のピアニストに思う

gooニュース、注目のトピックスで「フジ子ヘミングがNHK斬り」を見て自分でもブログを作り、発言したくなった。

久間事件・戦後を問い直す(2)

2007-07-05 04:59:53 | ニュースの見方
原爆開発と投下決定の歴史については、私のブログで、一昨年(2005)に書いている:
   ★[A-14]:広島原爆60周年(1)
   ★[A-15]:広島原爆60周年(2)
   ★[A-16]: 広島原爆60周年(3)
 これらは、 変人キャズ氏の★人類滅亡論[3]自然科学の進歩による滅亡:[05/4/12]、 の部分的解説である。

キャズ氏の記事は、戦争の持つ恐ろしいメカニズム(阿呆保存法則)により、人類が危機に向かう事を危惧したものであるが、
私の記事は、その中で、原爆に関する話の部分への注釈、であった。

 キャズ氏の記事に、広島原爆投下に絡む非常に重大な事実、(ハイゼンベルグの手紙の話)、しかも、それが従来報道されてない事が紹介されているが、
  「その事実の歴史的背景」、と、
  「紹介されていない、という事実」、の問題点

を、上記3篇の記事で、説明している。

 ★ ★  ★ ★  ★ ★ ★ ★

◎「原爆60周年(1)」、には
   原爆の、原理着想、開発、から投下までの
         経緯、の概略を述べてある。
◎「原爆60周年(2)」、には
   歴史事実を知る事と、理解の間には、
         距離のあること、を述べてある。
   終戦時の連合国側、日本側の、終戦に向けた諸事情や、
         原爆開発の話を、紹介した。
   ハイゼンベルグの手紙の話{変人キャズ氏}も、
        ここに述べてある1945/7/17のシラード達の
          運動の話、との関連で、理解出来る。
◎「原爆60周年(3)」、には、
   この様な重大な情報が沈没してしまう、
      情報伝達の在り方、に付き、感想を述べた。

  ・ ・ ・ ◎ ・ ・ ・

原爆投下直前という時期。 ハイゼンベルグという人物。 大統領の交代。 これ等の事実と[意味]。
この様な歴史の進行の理解の上で、
   変人キャズ氏のブログに紹介された事実:
ドイツ降伏後の広島原爆投下の直前に、ハイゼンベルグからの仁科氏宛の手紙が、米軍機により、広島に投下されました」 
の意味が、理解出来る。


★ ★  ★ ★  ★ ★ ★ ★

今回の久間事件の関連で、若い人と私ら戦中派の受け止め方が違うのは、その多くは、「原爆60周年(2)」、に書かれていることである。  例えば、

原爆など使わなくても日本は降伏するに決まっていた
   云々、と言う議論を良く目にする。
戦争中を通過してきた私は、この様な議論には非常に懐疑的になる。

既に2個の原爆が投下され、昭和天皇が終戦を決定した1945 年8 月15日に至っても尚、日本が降伏するかどうかは不明であったのを、

 私より若い人達は、何処まで承知しているだろうか。
と言うよりも、説明を聞いても、理解出来ないのではないか。


昭和天皇が大層心配して終戦の詔勅を録音し、其れをラヂオ放送する手筈を整えた後でも未だ、その録音盤を奪い取って放送を阻止し、場合に依っては天皇の首をスゲ変えてでも、戦争を継続しようという動きがあった。
彼等がすんでの処で、録音盤を奪取し損ねたために、終戦が実現したのである。

前線の狂信的な一部の軍人でない。
千代田区の皇居内で、この様な活劇が現実に有ったのだ。
勿論、広島、長崎の原爆が投下された後の事である。


若しもあの時に録音盤を奪取されていたら、本土は焦土となり、沖縄の様に、数千万人の人間が死んでいたかもしれないのである。
戦争の怖しさとは、こういうことである。
 
★ ★  ★ ★  ★ ★ ★ ★

久間氏という人物は、過去にも軽率な発言や行為があったことは、よく知られている。
然し、今回の問題に関しては、長崎の出身であり、自身も被爆体験を持つ久間氏は、それなりに勉強していた跡が見える。

それに対して、この軽率な失言を好機と捉え、政争の道具として利用しようとしている連中は、
上に私が紹介したような歴史的事実、日本の味わった最大の苦難、を承知しているとはとても思えない。


そこで、私の心境としては、前回の記事に書いたような思いになるのである。
私は次回の選挙では、大嫌いな自民党に投票することにする、と。

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私等の仲間が、ハイゼンベルグに間接的でもご縁があったことを、秘かに誇りに思っている:
キャズ君のブログ:★仲間の出合った人達:(2) 野間口光雄、に書いてあるとおりの経緯だから、これは、誇りというよりも、恥というべきかも知れない。
然し、この様な、人類の歴史に大変な影響を持った人物と、この程度の近い距離でのご縁があった事は、大変な名誉であり、孫子の代にも語り継ぎたく思っている。


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1 コメント

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奥深いご検討に感銘いたしました (東郷 幹夫)
2007-07-12 14:47:32
二人のピアニスト様
小生の記事に「久間事件・戦後を問い直す(2)」http://blog.goo.ne.jp/gookyaz/e/83798afb89e9b90ea7190ce20ffe0c63
をTBしていただきましたことを感謝いたします。変人キャズ氏の記事をも網羅する奥行きの深い内容を、原爆投下の前後にわたってご披露頂き、有難うございました。
小生も終戦の所謂玉音放送なるものを直接聞いた頃は学窓にあった身ですから、終戦前後の皇居内の出来事や、詔勅を聞いていながら飛び立った特攻機、皇居を拝しながら割腹自殺した軍人のことなどは聞き知っていました。しかし
B29がハイゼンベルグ氏からの仁科氏宛の手紙を広島に投下した話や、ハイゼンベルグ氏を中心とする原爆投下の反対勢力が米国内に存在した事実などは、正確には知りませんでした。
貴重な情報を有難うございました。

久間氏は恐らく終戦時には4歳位であり、現実に長崎で被爆しておられます。原爆の悲惨さを身をもって体験された訳です。したがって原爆投下に対して是認などされるはずが無いと思います。ただたまたま同氏が当時置かれていた職掌上から原爆投下という起きてしまった過去の問題を歴史的に考察されただけであって、原爆投下という現象を肯定しておられるわけではないのです。参院選が近づいているので、「しょうがない」という方言の言葉尻を捕まえて、原爆投下を肯定したことにし、自民党を攻撃して自党の票稼ぎを企む民主党の行為は卑怯です。この状況を見て、自民党内でも参院選の要を減らす発言だと批判したり、公明党内では、票の減るのを恐れて、冬柴鐵三国土交通相や浜四津敏子代表代行等は久間大臣の辞任を求めて眦を決して息巻きました。確かに視ていて眼を覆いたくなる醜い状況でした。原爆許容発言に対する批判ではなく、参院選の票の確保のための辞任要求のように見えました。
公明党は与党としての自党の票が減るのを恐れ、ひいては政権与党として閣内に入れなくなるのを恐れているように見えました。この様子を視ていると、民主党や公明党には投票したくなくなりますね。

今回の久間発言で、民主党のみならず、自民党、公明党の権力に対する執念の嫌らしさが吹き出したように見えました。浅ましい限りでした。

これは小生のみの少数意見でしょうか。
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