我が国で、大学を開校したり、学部を新増設するには、
文科省の認可を受けねばならない。
具体的な手続きとしては、大学を新設しようとする学校法人は、
前年3月までに、文科省の大学設置・学校法人審議会
(以後、設置審と略記)、に内容を提出・申請する。
設置審は申請に基づいて、教育課程や、有資格の教員数、
運営に必要な財産を審査、学長らの面接を経て
10月頃文科相に答申を出す。
文科省は設置審の答申を受けて、
文科大臣の名で決定をする。
処で今回、設置審が来春の開学認可を11月1日に答申
していた3件の4年制大学の新設案を、
文科相が2日に不認可とした。
文科相が審議会答申を覆したのは今回が初めて、で、
極めて異例の判断、である。
一日に設置審が答申した、学部の開設(16件)、大学院
の開設(13件)は、答申通り文科省に認可されたが、
3件の4年制大学(秋田公立美術大、札幌保健医療大、
岡崎女子大)の大学開学は不認可、となったのだ。
田中真紀子文部科学相は、記者会見で、
「大学設置認可の在り方を抜本的に見直す」と述べ、
認可を厳格化する方針を示した。
田中文科相は、 「大学教育の質が低下している」、
として、全国に4年制大学が780余校もあることに触れ、
当面は新設を認めない方針を示した。
また、設置審のメンバー、29人のうち、22人が大学の
学長や教授で占められていることを指摘し、
設置審の在り方を見直すこと、も述べた。
大学や学部の新増設の表面的な手続きは上記のとおり
であるが、現実は設置審のメンバーは文部官僚の意に
沿う人物が張り付けられ、官僚の意図する行政を
合法化する方便、であるのが常識だったから、
今回の成り行きに文科省内の驚きは大きく、
幹部は頭を抱え込んでいる、との報道もある。
私はこの田中文科相の判断に諸手を挙げて賛同すると共に、
田中氏でなければ出来なかった英断だと高く評価する。
・
★ ★ ★ ★ ★
私が1978年頃に既に心配していた大学の姿
{▲ 「大学入試に思う」:[C-12]:{1978/3/29}[2005/7/7]、参照}
はその後、歪みに歪んだ。
質が落ちて数ばかり増えた四年制大学は、
●1990年度には、507(国公立135、私立372)校にもなった。
それが、90年代に大学設置基準が大幅に緩和されて、
更に勢いが増して276校(54%)増えて、
●今年度は全部で783(国公立178、私立605)校
になった。
定員割れの大学も多くなり、1990年には15校に過ぎな
かった定員割れが、2011年度には223校に増えた。
メデイアでは、田中文科相に対する、
今回の開学予定校関係者や、文科省内の不平、
一部大学関係者の批判等を伝えている。 が、
▲ 教育政策にモノ申す(1):[C-189][2009/10/15]
の文末に引用した多数のブログ記事や、
▲ 教育政策にモノ申す(2):[C-190][2009/10/15]
を見て頂けば分かるように、
日本の教育事情を良くするためには、文科省を廃止
するのが最も有効である、とまで考えていた私等
仲間は田中氏でなければ出来なかったことを
よくぞやってくれた、と拍手したい思い、である。
文科省の認可を受けねばならない。
具体的な手続きとしては、大学を新設しようとする学校法人は、
前年3月までに、文科省の大学設置・学校法人審議会
(以後、設置審と略記)、に内容を提出・申請する。
設置審は申請に基づいて、教育課程や、有資格の教員数、
運営に必要な財産を審査、学長らの面接を経て
10月頃文科相に答申を出す。
文科省は設置審の答申を受けて、
文科大臣の名で決定をする。
処で今回、設置審が来春の開学認可を11月1日に答申
していた3件の4年制大学の新設案を、
文科相が2日に不認可とした。
文科相が審議会答申を覆したのは今回が初めて、で、
極めて異例の判断、である。
一日に設置審が答申した、学部の開設(16件)、大学院
の開設(13件)は、答申通り文科省に認可されたが、
3件の4年制大学(秋田公立美術大、札幌保健医療大、
岡崎女子大)の大学開学は不認可、となったのだ。
田中真紀子文部科学相は、記者会見で、
「大学設置認可の在り方を抜本的に見直す」と述べ、
認可を厳格化する方針を示した。
田中文科相は、 「大学教育の質が低下している」、
として、全国に4年制大学が780余校もあることに触れ、
当面は新設を認めない方針を示した。
また、設置審のメンバー、29人のうち、22人が大学の
学長や教授で占められていることを指摘し、
設置審の在り方を見直すこと、も述べた。
大学や学部の新増設の表面的な手続きは上記のとおり
であるが、現実は設置審のメンバーは文部官僚の意に
沿う人物が張り付けられ、官僚の意図する行政を
合法化する方便、であるのが常識だったから、
今回の成り行きに文科省内の驚きは大きく、
幹部は頭を抱え込んでいる、との報道もある。
私はこの田中文科相の判断に諸手を挙げて賛同すると共に、
田中氏でなければ出来なかった英断だと高く評価する。
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★ ★ ★ ★ ★
私が1978年頃に既に心配していた大学の姿
{▲ 「大学入試に思う」:[C-12]:{1978/3/29}[2005/7/7]、参照}
はその後、歪みに歪んだ。
質が落ちて数ばかり増えた四年制大学は、
●1990年度には、507(国公立135、私立372)校にもなった。
それが、90年代に大学設置基準が大幅に緩和されて、
更に勢いが増して276校(54%)増えて、
●今年度は全部で783(国公立178、私立605)校
になった。
定員割れの大学も多くなり、1990年には15校に過ぎな
かった定員割れが、2011年度には223校に増えた。
メデイアでは、田中文科相に対する、
今回の開学予定校関係者や、文科省内の不平、
一部大学関係者の批判等を伝えている。 が、
▲ 教育政策にモノ申す(1):[C-189][2009/10/15]
の文末に引用した多数のブログ記事や、
▲ 教育政策にモノ申す(2):[C-190][2009/10/15]
を見て頂けば分かるように、
日本の教育事情を良くするためには、文科省を廃止
するのが最も有効である、とまで考えていた私等
仲間は田中氏でなければ出来なかったことを
よくぞやってくれた、と拍手したい思い、である。
雨後の筍のように名もない大学が生まれ、学力の低下は目を蔽うばかり、世界の水準からもどんどん離れて行く。その一方で経営不振で消えて行く大学を文科省の役人共はどのように見ているのだろうか。
審議会委員の内訳を見ても、認可前にもう入れ物を作っている事実が頷ける。
田中文科相の資質に就いては色々あろうが、今回の決断は彼女だからこそ出来た快挙と思う。
この記事の出るのを待っていた。