万葉の昔に
”春の野にすみれ摘みにと来し我そ野をなつかしみ一夜寝にける”と
詠われた可憐なスミレの咲く里へ・・・

可憐なその姿も世界には400種以上あり
日本には50種余りが沖縄から北海道まで分布している




すみれはスミレ科スミレ属の総称で多年草
地上茎はなく、根茎は短く茶褐色の根がある

花弁は5枚で葉間より10cm程の花柄を出し多くの色の花をつける

すみれの名は下弁の形が大工の使用する墨壷に
似ている事からつけられたもので墨入れの略と言われている




花弁は5枚あり、上の2枚を上弁、
横の2枚を側弁、下の1枚を下弁と言う

下弁の上には雌しべや雄しべがあり、飛んできた昆虫を
誘導する目印になっている
花弁の後ろに膨らんでいる距がすみれの花の特徴である

花の中央には1本の雌しべがあり
その周りを5本の雄しべが取り囲んでいる

すみれの蜜は花の奥の距の中に隠されているので
上手に蜜を吸える昆虫は限られてくる

特定の昆虫にのみ蜜を提供し、体についた花粉を運び
仲間のすみれと効率の良い花粉交換をする
多くの昆虫に蜜を提供したのでは、蜜を吸った後
他の植物へ行ってしまったのでは効率が悪くなる
”浮気を出来るだけ防ぐ為の工夫”がなされている
のである
この小さな可憐な花に長い歴史を経て得た
素晴らしい知恵があったと知らされた
今まで何気なく見過ぎして来たすみれの
世界がとても広く、その美しい世界に魅了
された
(文面はすみれの説明本を参考にした)
(3月22日 じろう)