なすがままに

あくせく生きるのはもう沢山、何があってもゆっくり時の流れに身をまかせ、なすがままに生きよう。

昭和の文学

2005-05-25 14:06:04 | 昭和
昭和を題材にプログを書き出してから昭和初期の本や映画に興味が以前よりも沸いてきた。林芙美子、川端康成など昭和初期を背景にした小説を読み出したら面白い。小説の中で登場人物の服装や街の様子が細かく描写されている。目の前で当時の生活が蘇るような感じになる。さすがは一流の文学者の文章だと今更ながら驚く。僕が一番好きなのは林芙美子の「放浪記」だ。物語の最初は遠賀川沿いに話が進んでいく。直方、折尾などの地名がよく出てくる。極貧生活を送っていた昭和の初めの林芙美子の自伝小説だと言われている。この小説で描かれているのは、貧しい昭和初期をたくましく生き抜いていた女性の生きざまに他ならない。それが、現代の我々に感銘を与えるからだと思う。「森 光子の放浪記」の舞台が今でも好評なのはその証でもある。僕の本棚には「中央公論社」の日本文学全集55巻が揃っている。その全集は昭和40年に買ったものである、僕が高校2年生の時である。今でも、時々取り出しては読んでいる。林芙美子も何十年ぶりかに再読した。やはり、面白い。その本の最後のページには本の価格まで載っている。立派な装丁で一冊500ページ以上ある。この本が当時一冊390円だ。僕の生まれる前の昭和がわかる昭和文学は面白い。

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