現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

乞食坊主に用はない?

2018-04-10 20:12:25 | 虚無僧日記

『一休咄』

「一休が、さるお大尽の家に法事で呼ばれた時、
はじめ、汚れた雲水の格好で行ったら、「おまえの
ような乞食坊主の来るところではない」と追い返
された。次ぎに、正装して 金襴の袈裟を付けて
行ったら、「これはこれは一休殿、お待ち申して
おりました。さ、どうぞ奥へ」と。
そこで一休「わしは、先ほど墨染めの衣で来たら、
『乞食坊主』と追い返された。今、金襴の袈裟を
つけて来てみれば、『ささ どうぞ』と。しからば
私を呼んだのではなく、この袈裟衣に用があった
のでござろう」と、袈裟衣を脱いで 置いて帰って
しまった。

という話『一休年譜』には無い。似た話は『年譜』
では次ぎのようになっている。

応永29年(1422)、一休29歳。先代の言外和尚の
33回忌の法要が大徳寺で行われた時、各僧侶は
きらびやかな衣に金襴の袈裟を付け着飾る中、
一休ひとり、わざと、墨染めの衣にボロ布を
縫い合わせた袈裟をつけ、草履という格好で
参列した。

師の華叟が「どうしてそんな格好をしている」
と聞くと、一休は「みなさんの引き立て役です」
と答えた。華叟は「わしの跡を継ぐのは、風狂
だが、一休だ」と応えた。

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ニュアンスは違うが、『年譜』のこうした記事から
上記の「一休咄」を創った戯作者に感心する。

ところで「一休咄」は、一休の“いたずら心”で
終わってしまうのだが、この話は、二つの受け止め
方がある。

一つは「人は着ているもの、見た目で判断しては
いけない」ということ。

も一つは「見た目で判断されるのだから、TPOに
応じた服装をすべきではないか」という反目心も
湧き起こる。「正反」含む話だ。これが、一休の
(普化禅)の「明暗双打」の真骨頂ではないか?。


警察に逮捕されても・・・?

2018-04-10 20:03:35 | 虚無僧日記

「ハッピーこむこむ」さんから、こんな質問が寄せられました。

「警察に逮捕されてもいいから、一度ここで尺八を吹きたいと思うほどの、

憧れの場所ってありますか? 」

 

はて、「警察に逮捕されてもいい」ということは、進入禁止の場所ですな?

そして、憧れの場所。ということは・・・・・・。

そうだ! 「皇居」でしょう。忍者のように尺八を使って水中呼吸しながら、

お濠を泳いで渡って、千鳥ヶ淵あたりから侵入。「しばらくの松」に

上って、しばらく尺八を吹く。やがて皇宮警察がやってきて、松の木に

しばられる。

 

私の尺八の師が、授賞式で皇居に招かれ、尺八を吹く手筈になっていたが、

広い建物内、控室で待たされてるうちに、寝てしまって、目が覚めた時には、

式は終わっていたとか。誰も 呼びにきてくれなかったというのも不思議。

皇居内で尺八を吹いた最初で最後の人になれたのにね。


尺八漫談にもライバルが

2018-04-10 20:02:02 | 虚無僧日記

「尺八漫談」で身を立てようと思ったら、大先輩がいた。

『野菜で楽器 吹く笑い』とのタイトルで「はたの のぼる」さん。

「尺八漫談ひと筋 半世紀」。もう90近い歳だそうだ。

きっかけは、40年前。開演前に尺八がヒビ割れた。そこでとっさに

思いついたのが、舞台裏にころがっていた水道管とノコギリ、錐を

借りて、舞台の上で尺八を作りながらトーク。これが大ウケ。

それからしばらくは水道管ネタで、分岐させて蛇口を付けたり、

水を入れて面白い音を出したり。ゴムホースで作ったり。

ここまでは、他にも吹く人がいてライバルが多い。そこで

大根、ニンジンなど野菜で楽器を作って漫談。

「蕗(ふき)は細くて吹きにくい」「蓮根(れんこん)は穴が多いので

狙った穴に息を入れるにはハスに構えないと」などのギャグをとばす。

ちくわ、コンニャクいろいろ試して、夜は毎晩「おでん」。

1981年 ロンドンで開催されたピン芸人の世界大会に出場。

みごと準優勝して、「日本人初の大道芸人の国際ライセンス」を取得した

というから、おそれいった。上には上が居るもの。

「師匠知らず、弟子とらず」そしてライバル無し。

私が目指すのも これだ。真似でなく、何ができるか? あと20年。


尺八漫談 口上

2018-04-10 20:01:02 | 虚無僧日記

尺八漫談の口上です

『風雪流れ旅』で登場。

天蓋をとって

 「流れ流れてやって参りましたここは、愛を知る愛知県、

    和やか名古屋。ご縁いたただきまして、お初にお目にかかります。

   私、この平成の世を虚無僧で生きる一路でございます。

 あのイチローでなくてスイマセン。イチローでしたら

 皆さまの拍手も もっともっと大きく鳴ったことでしょう。

 残念です、悔しいです。

 皆さまのお顔には 戸惑いの色が隠せません。

 虚無僧、知ってました?  こわそう? いえ 虚無僧です。

 虚無僧が来る店は ドットコム。混むそうです。

 笑ってください。おかしくなくとも笑ってやってください。

 一回笑えば、三日命が延びる。一度怒れば 三日命が縮む。

 ここまで申しても、笑う方 五割、笑わない方 五割。

 トランプも 支持者五割、反対派五割。もう終わり。

 私はスランプ。でも頑張ります。

 『おまえに』

 フランク永井は低音の魅力。ブランク長いは無能のしるし。

 でもみなさん、あの金さん銀さんは 下住み生活99年です。

 100歳でようやくブレイクしたのですから。みなさんも

 まだまだ頑張れます。人生どこで花が咲くかわからない。

 『夢は夜 ひらく』

 

 

 


尺八漫談 コロ一丁!

2018-04-10 19:58:44 | 虚無僧日記

古い方はみなさんご存知。尺八というと必ず聞かれます。

「首振り三年でしょ? 三年たたないと音がでないんでしょ。

尺八はむずかしいんですよね」と。

そこで「いいえ」と否定してはいけません。

「そうなんです。よくご存知で。尺八はみなさん難しいと

思っている。だから曲なんか吹けなくても、音が出るだけで

みなさん驚いてくれるんです。三年もたったら、もうプロですよ。

昔の虚無僧は、寺に入って、三日も尺八を習えば、先輩について

虚無僧に出て、銭もらっていたんですからね。こんなたやすい芸は

ないです。

ところで「首振り三年の先ご存知ですか? 首振り三年、コロ八年」て

いうんです。「尺八は文学的表現では ホロホロと鳴くなんて

云われましてね。コロコロ、ホロホロ、ボロボロなんて音が出せるんです。

先日、若い人が ゲ箱に200円いれてくれましてね。『コロお願します』って

いうんですよ。『え? 尺八吹かれるんですか』と聞きましたら、『習って

たんですけど、コロができなくて三年でやめました』って。

それで『では、コロ一丁参ります』と、秘曲の鶴の巣籠りという曲を

吹きました。

鶴の鳴き声を模した秘伝の曲も 8年経てば吹けるようになる。

さて、さらに奥があります。

首振り三年、コロ八年、そしてロの音十年。これで立派な尺八家。

ピアノやバイオリンは 10年やったって プロになれませんよね。

その点、尺八はカンタンなんです。


「尺八は首振り3年」って?

2018-04-10 19:57:25 | 虚無僧日記

「尺八は首振り3年」というのは、本来はメリカリのことを
言うのだが、細かく首を揺るとビブラートにもなる。

ビブラートの多い人は見苦しいし、聞き苦しい。

私は 今は「首を振らずにストレートに吹けるようになるのに
3年かかる」と 弟子に言い聞かせている。

さて、首振りは 治ったと思っていた私だが、
先日、××小学校で尺八の演奏を披露した時、最後に
質問コーナーで「どうして首を振るんですか。首を振らないと
吹けないんですか」と、痛いところを突かれた。首を振っていない
つもりでも、無意識に振っているのだ。
他の生徒が「尺八は演歌だよ」と助け舟を出してくれた。

演歌なら“えぇんか”? そう、コブシが尺八でもできるということだ。



認知症の話し

2018-04-10 05:27:33 | 虚無僧日記

国立長寿医療研究センターの内科総合診療部長
「遠藤英俊」氏の講演を聞いてまいりました。

「認知症」の研究では第一人だそうです。お話は
大変上手で判りやすかったです。


◆認知症と加齢による物忘れの違い

・認知症の場合は、体験したことの全体をすっかり忘れてしまう。
物忘れは、体験したことの一部分が思い出せない。

つまり、昼、食事をしたことは覚えているが、何を食べたかが
思い出せないのが物忘れ。食事をしたことも忘れるのが認知症。

・認知症には「見当識障害」という障害が出る。これは、
「今いる場所がどこであるか、今日は何月何日、何曜日かなど、
場所や時間を認識することができなくなる症状。 やがて自分の
年齢もわからなくなる。

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ムムム、「今日は何月何日何曜日か」と、突然聞かれても
答えられないことは、度々あります。「毎日がネテ(日)曜日
ですから」と、言い訳して、その場を取り繕おうとするのも
認知症の表れとか。ドキン。ますます危ない。

また「レビー小体型認知症」というのも初めて聞くことば。
「壁に虫が這っている、子供が枕元に座っている」など
幻覚や幻視が現れることだそうです。

今、尺八を通して、見えないものを見、聞こえない音を
聞こうと努力している私。認知症予備軍でしょうか。