現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

福田蘭童

2008-02-18 23:35:24 | 筝尺八演奏家
オークションで福田蘭童の『新日本膝栗毛・虚無僧
道中記』があったので落札した。探していた本だ。

福田蘭童は、知る人ぞ知る、明治の画家青木繁
の子、クレージーキャッツの石橋エータロウの
父親だ。尺八に一境地を開き、横山勝也の師で
もある。石橋エータロウも「スター隠し芸大会」
で尺八でジャズを吹いていた。
戦後のラジオドラマ「笛吹き童子」の曲で一躍
有名になり、テレビドラマ「そろりと参ろう」は、
この福田蘭童の『虚無僧道中記』が土台になって
いるという。私は、中学のS39年、「そろりと参ろう」
を見て、虚無僧に憧れたのだ。



福田蘭童 その2

2008-02-18 23:35:04 | 筝尺八演奏家
福田蘭童は釣りでも有名で、渋谷駅に小料理屋
“三漁洞”を開いていた。私は、師の堀井小二朗に
連れられて一二度行き、そこで福田蘭童に会った
ことがある。その時のことを鮮明に記憶している。
福田蘭童は、女優の川崎弘子と再婚し、プレイボ
ーイと騒がれていたからだ。(石橋エータロウは
前妻の子)

ある本にこんな小話が載っていた。
尺八に夢中になっている弟子に師匠がいう。
「君、尺八を習うのはいいが、尺八家になっちゃ
いかんよ」
「へ?どうしてですか」
「尺八の音にホロリと参らない女子(おなご)は
いない。もててもてて、身をもち崩す。尺八家は
皆、色きちがいになって、命を縮める」
という話だ。
これは、福田蘭童のことを指して言っているのだが
私も蘭童氏に憧れて、密かに“尺八家”をめざした
のである。


福田蘭童 その3

2008-02-18 23:34:49 | 筝尺八演奏家
私が尺八吹きだと知って、能戸さんが「福田蘭童を
知ってるか」と切り出してきた。
能戸さんは、若い時、東京でも有名な画財屋に勤め
ていたそうな。そこへ福田蘭童がよく絵の具などを
買いにきた。いつも連れている女性が違っていたと
いう。

画財を届けてくれというので、アトリエまで配達に
行くと、裸の女性をモデルに絵を描いていた。若か
ったので緊張し、中に入れないでいる能戸さんに、
蘭童氏は「君、なにをそんなところで突っ立ってる。
そんなことじゃ画商は務まらんよ」と笑って声かけて
くれたそうな。
女の裸など、めったに拝見できない時代だ。今じゃ
氾濫しきっている。いい時代になった?

福田蘭童 その4

2008-02-18 23:34:16 | 筝尺八演奏家
福田蘭童は、釣りでも著作や話題が多い。
「コンドームを切って釣り針に付けると、
魚がよく釣れる」などと、どこまでホントか、
大真面目に講釈している。

伊豆の船宿によく長逗留していた。そこの
町の生まれで私生児だという女性にめぐり
遇った。絵に筝に多才な女性だ。ひょっと
してひょっとすると蘭童の血を引いている
のかも???

名古屋の護国神社に飾られている「大穴
牟遅の神」の絵が、青木繁の作品だった。
モデルは愛人の福田たねという。やがて
青木繁と別れ、たねは再婚。青木繁は28
歳で夭折した。青木繁との間に生まれた
福田蘭童は、戸籍上は母たねの弟となっ
ているそうな。

石橋エータロウは、福田蘭童の前妻の子。
後妻は女優の川崎弘子だ。芸術家や俳優は
私生活もしっちゃかめっちゃか。私の父は、
私が尺八を習い始めたことに、不快な顔を
していた。





ホストに惚れられた?

2008-02-18 21:02:11 | 虚無僧日記
金山で虚無僧していたら、イケメンの男の子が
さっきからじっとこちらを見ている。10分ほど
尺八を聞いていてくれ、近寄ってきた。
「なにしてるんですか?」「これなんですか?」
虚無僧も尺八も知らないらしい。でも関心が
あるという。
まじめで気弱そうな男の子だ。金の鋲を打った
革ジャンに金の鎖をチャラチャラつけて格好いい。
私も金きら金の袈裟に白い房を下げて相当派手な
スタイルだ。「虚無僧は“カブキ者、バサラ者”なの
だから、君とも通じるところがあるかも」なんて
話をしていたら、彼のケータイが鳴った。
「それじゃ、また教えてください」と礼儀正しい。
彼の職業はホストだった。女と待ち合わせしていた
のだ。へぇ今は女が男を買う時代か。誰か私を
買ってくれんかな。